デジカメアイテム丼

ポラロイド「Z2300」

楽しさを持ち歩けるインスタントデジカメ

 “ポラロイドカメラ”といえば「撮ったその場ですぐプリントできるインスタントカメラ」ですが、どんな写真が出てくるのかわからないので失敗写真をプリントしてしまって貴重な用紙を無駄にしちゃうことも……。そんな悲しい事態を回避してくれるのが、このポラロイド「Z2300」です。本機は撮った写真をすぐ確認できるデジタルカメラなので、気に入った写真だけを選んでプリントアウトすることができるのです!

「えっ、本当にプリントできるの?」と驚いてしまうほどコンパクト

 レインボーカラーのラインがかわいらしいボディは、プリントできるのが不思議なくらい薄型でコンパクト。カラーラインナップはブラックとホワイトの2種類です。今回はブラックを試用しましたが、指紋が付き難いマットな質感で大人っぽいイメージなので男性が持っても違和感はありません。

 操作系はシンプルでわかりやすいので、何度か操作すれば説明書を読まなくても覚えられます。ボタン類はボディがコンパクトなのでその分小さいのですが、しっかりと押し込める機構ですしズームボタンは軽くカーブが付いていたりと工夫もされているので誤操作は少ないでしょう。

正面から見て左サイドにプリントされた写真が出てくるスロットがあります。
反対側には標準とマクロのピントを切り替えるスイッチがあります。
上部は電源とシャッターボタン、スピーカーのみとシンプルな作りです。
セルフ撮影に便利な三脚のネジ穴もちゃんとあります。

撮影からカメラ内編集までできるデジカメ機能

 デジタルカメラとしてのスペックは、有効画素数約1,000万画素、背面モニターは3型フルカラーTFT液晶、記録メディアはSDHC/SDメモリーカードを使用します。レンズは6mm(35mm判換算で33mm相当)で撮影しやすい画角です。絞りはF2.8と明るいので少々の暗さにも負けません。レンズは単焦点ですが、最大6倍のデジタルズームを搭載。バッテリーは充電式リチウムイオンバッテリーで、充電ケーブルを本体に直接挿して充電する方式です。もちろん動画撮影もできます。また、シーンモードを21種類も搭載しているのでシチュエーションによってモードを変えて撮影することができます。

操作ボタンは小さいけど押しやすいので誤動作はありませんでした。
背面の液晶部分をぱかっと開いて専用のプリント用紙を入れます。

 ですが、通常の撮影では「自動」か「プログラムAE」モードを使用すると汎用性が高いでしょう。基本的にはISO感度やホワイトバランスはいじらずにオート設定で撮影するのがオススメです。メニュー階層に潜って設定をいじっているうちにシャッターチャンスを逃してしまってはもったいないですしね。内蔵ストロボはかなり優秀ですので、ストロボを光らせてはいけない場面以外はカメラ任せで撮影してしまっていいでしょう。

 レンズのピントは固定で、標準とマクロの切り替えをサイドにあるスイッチで設定してから撮影をします。標準設定でのピント範囲は1m~無限大、マクロ設定では0.19~0.24mとなっています。

 撮影時の設定で便利だったのが「ボケ検出機能」です。このモードを使うとカメラが連続で3枚の画像を撮影してくれて、ボケた画像には×マーク、ボケていない画像には○マークを付けて再生表示してくれるのです。このときに「OK(確定)」ボタンを押せば一番ボケていない画像が保存されますし、「MENU(取消)」ボタンを押せばボケている画像もすべて保存されます。ピントを確認したい顔の部分などが拡大表示されるので“再生→拡大”の手間が省けます。

 また、セルフタイマーがちょっと変わっていて、シャッターを押して2秒後と10秒後に撮影されるのは普通のよくあるモードですが、もうひとつ「10+2秒」というモードがあります。これはシャッターボタンを押して10秒後に1枚目の写真が撮影されて、その2秒後にもう1枚写真が撮影されるモードなのですが、撮影者本人も写りたいグループ撮影のときにとても重宝します。複数人の撮影のときは誰かが目をつぶってしまったりしますので、「まず1枚、続けてもう1枚撮りますね」という動作をカメラが自動で行ってくれるのは親切な機能だと実感しました。

プリントは約1分で完了。スピーディーでストレスを感じません!

 撮影後の編集機能で秀逸だったのが「ダイナミックライト機能」です。これは撮影後の画像の露出調節機能なのですが、暗く写ってしまった部分をワンアクションで見事に救済してくれて、きれいな画像に仕上げてくれました。

用紙を入れるだけでお手軽プリント!

 プリンターとしてのスペックは、インク不要で2×3インチのフルカラープリントが可能。プリント所要時間は約1分とスピーディーです。プリント時には画像のトリミングなどの編集や、プリクラのようにフレーム(12種類)を付けたり、ポラロイド色というモノクロやセピア、ある色を強調する色アクセントなどのカラーフィルターを乗せた画像を作り出してプリントすることができます。また、ポラロイド枠をオンにすると写真の上下左右に白い枠をつけて印刷できます。

ダイナミックライト機能の補正後(左)と補正前(右)。ちょっと暗かったなぁなんて画像もこの機能を使えば自然に補正してくれます。修正の度合いは“高”と“低”がありますがオススメはより自然な“低”です。
撮影した画像に後から枠を付けることができます。プリクラのようなキュートな枠が13種類搭載されていて、枠を付けた編集後の画像はプリントだけでなくSDカードに保存することもできます。
印刷時に画像の色味を編集することができます。赤ちゃんのスタイの赤色を強調してみたり、ワンポイントの青の色味を残してモノクロ調のノスタルジックなイメージにしてみたりと遊べる機能です。左は色アクセント(赤)、右はアクセント(青)。
まるで4コマ漫画のように写真を4分割して保存、プリントすることができます。子供の面白い表情を連続コマのように繋げたり、パーティーシーンをまとめたりすると面白さが増すでしょう!

 プリンター機能で面白かったのが分割プリントでした。2/4/6分割の分割プリントができるのですが、特に4分割はマンガのようになるので、撮った写真を組み合わせて遊べたりします。

 また、他のカメラで撮影した画像が入ったSDカードを使えば画像編集の一部の操作はできませんがプリントをすることができます。もちろん、ポラロイド枠を付けてノスタルジックなイメージに仕上げることもできます。

想い出をシェアできるカメラ!

 本機の魅力は、撮って、見て、プリントするというインスタントな部分がもちろん大きいですが、持つ喜びを感じさせてくれるボディデザインと言う点も大きいでしょう。友達が集まるパーティーではその場でのプリントシェアで盛り上がることは間違いありませんが、そのボディデザインのかわいらしさが話題になることも間違いないでしょう。

 価格的にもお手頃なので、パーティーの景品として用意して、その場でみんなで写真を撮って想い出をシェアして帰る……なんていう使い方も楽しそう。これからクリスマスやお正月で家族やお友達が集まったときに大活躍してくれそうなカメラです!

インスタントカメラといえばやっぱりコレでしょう! ポラロイド枠を付けてプリントしました。

水咲奈々

(みさき なな)東京都出身。知り合いの写真家の作品撮りにモデルとして関わったことがきっかけで写真に興味が沸き独学で写真の勉強をし、作品を持ち込んだ出版社に編集として入社。2010年独立。現在はカメラ雑誌の編集やWebでのカメラレビュー、写真講座の講師として活動中。「Pentax+」でも記事を連載。 Twitter:@cosaruruブログ:http://misakinana.com