テンバ「ブラックラベル ショルダータイプ」

シックなデザインの大容量ショルダーバッグ

ブラックラベルショルダータイプ

 カメラバッグブランドテンバ(TENBA)の新製品「ブラックラベル」が5月に発売された。

 テンバのショルダータイプでは「レスポンス」シリーズや「P695トラベラーII」などが挙げられるが、国内総販売元のエツミによると、「ブラックラベル」はその中でもフラッグシップに位置する製品という。

 ブラックラベルでは、手提げ鞄風のサッチェルタイプ3サイズと、ショルダータイプ2サイズを用意。今回は最も大型の「ショルダータイプ ラージ」(3万4,650円)を試してみた。

 外観はテンバの従来モデル「P695トラベラーII」などに近い印象だが、フラップやハンドル部には、細かい打ち抜き加工を施した革製の縁取りをデザインしている。機材収納部のフラップに取り付けられている金属製のロゴプレートも特徴的。従来モデルと比べて高級感を感じさせる外観となっている。

 表面素材はバリスティックナイロン。防水カバーのたぐいは付属しないが、表面に撥水加工を施しているようだ。試用期間中においては、雨に降られても使用に支障はなかった。フラップさえきちんと閉めておけば、浸水の心配はほぼないといえるだろう。

正面背面
側面
金属製のロゴプレートハンドル
底面フラップの留め具は樹脂製。長さの調節ができる

 機材収納部へのアクセスは、上面全体が開くタイプ。開口部が広いため、隅の方に入れた機材が取り出しにくいというストレスもなく、ストラップの引っ掛かりも良いので、快適な機材の出し入れが可能だ。ただ、開ける時にフラップの留め具を外した後、内部にある蓋のジッパーを開けるという手順を踏む必要があり、その点は少々煩雑に感じた。

 なお、機材収納部の蓋はベルクロでフラップに固定できるので、ジッパーを開けっ放しにすれば、フラップを開けるだけで機材を取り出すことができる。

 ただしその場合、うっかりバッグをホールドせずにフラップの留め具を外してしまうと、収納部の蓋が閉まっていないために機材がこぼれ落ちる可能性があるという点に注意したい。

 機材収納部の内寸は33×22×19cm(幅×奥行き×高さ)。底部には分厚いクッションパッドが入っており、指で押すとかなり沈み込む感触がする。深さがあるので、取り出す時の利便性を考慮しなければ、カメラボディの下にレンズを収納することもできる。

 最大サイズのショルダータイプということもあり、収納力もそれなりに大きい。D700、AF-S DX NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6 G VR、AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED、SB-800に加え、K10D、DA 18-55mm F3.5-5.6、DA 16-45mm F4 AL、DA 55-300mm F4-5.8、D FA Macro 50mm F2.8が収納できた。

 標準ズームなど、比較的小型のレンズならば、仕切り板を2段にしてさらに収納することも可能だ。実際、7枚ある仕切り板のうち1枚は羽のように可動するようになっており、2段を想定したつくりになっていることがわかる。ただ、D700クラスのカメラにAF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G EDのような大きめのレンズを装着したまま収納するというケースになると、多少は収納スペースを犠牲にする必要が出てくるだろう。

フラップと内蓋はベルクロで固定できる内蓋にはメッシュポケットを備える
機材収納部仕切り板は7枚。このうち1枚は2段仕切り用
ボディ2台とレンズ6本。中央仕切り板の下や、ボディの下にもレンズを収納しているにAF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G EDを装着したD700の収納例。中央の仕切り板の下にもレンズを収納しているが、収納スペースは限定される
底部クッションパッドを押すと1cm近く指が沈み込む中央の仕切り板は仕切りが羽のように可動する

 前面には大小2つのポケットがある。内部もいくつかの小さなポケットで区分けされているので、小物類はここで大体のものを整理できるだろう。小さい方のポケットにはCFが収まるメモリーカード入れを有する。また、両側面と背面にも各1つずつポケットを備えるほか、機材収納部の内側にもメッシュポケットがある。側面のポケットは比較的大きめなので、レンズ交換の時など、一時的に交換レンズを入れておくという使い方もできそうだ。

 ストラップは幅広で、パッド部分は肩のラインに合わせた非対称デザインとなっている。ストラップに縫いつけられているため動かせないが、その分かなりの厚みがあり、機材を詰め込んでバッグの重量が増しても、肩に食い込んでくる感じはしない。

内側の前面ポケットは細かく区切られている外側のポケットにはCF入れが4つ
背面ポケットは幅広のものが1つ機材収納部内側にもメッシュポケットを備える
ストラップのクッションパッドは肩のラインに合わせたデザインストラップの取り付け金具は金属製

 今回、ブラックラベルショルダータイプを試用してみて最も強く印象に残ったのは、その軽さだ。同じテンバブランドで同クラスのショルダーバッグ「レスポンス」(約2kg)と比べると600gほど軽く、個人的に所有しているロープロのクラシファイド250AWと比べても500gほど軽い。また、厚手のストラップのおかげもあってか、試用期間中は快適に機材を持ち運ぶことができた。

 肩に掛けながら機材を取り出す時に踏む手順が多く、さっと取り出せない点には不満が残るが、収容力や安定性は高い。各部の造りもしっかりしているし、撥水性能もなかなかのものだ。日頃、たくさんのカメラ機材を持ち歩く人にはお試しいただきたい。



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2009/6/1 01:03