悩める写真管理&バックアップに福音?「Googleフォト」を使いこなす

第3回:圧縮画像はどの程度劣化しているのか?

無制限アップロードでの気になる保存画質をチェック

Googleフォトの魅力は、なんといってもアップロード容量に制限がなく使えるという点だ。

ただし、無制限に利用するには条件がある。

Googleフォトでは、写真をアップロードする際に「アップロードサイズ」の設定が必要となる。一度設定しておけばそれ以降は維持されるので、特別な理由がない限り、設定を変更することはない。

選べるサイズは「高品質」と「元のサイズ」の2つ。これは、PC版(ブラウザ)でもスマートフォン版(iOS/Android)でも同じだ。

Googleフォトを容量無制限で利用するには、アップロードサイズを「高品質」に設定する必要がある。これが前述した条件だ。

なお、アップロードサイズは、Googleフォトのメニュー「設定」からいつでも変更可能だ。

Googleフォトの説明では、「高品質」は写真サイズが16メガピクセル以下のスマートフォンやデジタルカメラに向いているとし、「元のサイズ」はデジタル一眼レフカメラで撮影した写真を元の品質のまま保存する場合に向いているという。

ただし、「高品質」設定時に16メガピクセル以上の写真をアップロードすると、自動で16メガピクセルまで縮小される。

また、たとえ16メガピクセルを下回っていたとしても、ダウンサイズされてしまう。

試しに、4,608×3,456ピクセル(6.78MB)のJPEG写真を高品質設定でアップロードし、アップロードした同写真をダウンロードしてみたところ、4,608×3,456ピクセル(1.06MB)になった。ピクセル数は変わらず(4,608×3,456=約1,593メガピクセル)、ファイルサイズが6.78MBから1.06MBへと圧縮されたわけだ。

肝心な見た目はというと、ファイルサイズが圧縮された割りに、大きな変化はないように感じる。これなら安心して高品質設定が利用できそうだ。

高品質設定アップロード前
アップロード後

「元のサイズ」の特徴は、元の品質のまま保存されるという点だ。高品質がアップロードサイズに関係なくダウンサイズされるのに対し、「元のサイズ」ではリサイズや画質の劣化がない。

ただし、この設定では、Googleアカウントごとに無料で提供される15GBの容量を使用してしまう。他のGoogleサービスと共通で使用される容量なので、場合によっては15GBをまるまる使えるわけではない。利用する前に「ドライブ ストレージ」などを利用して、利用可能な容量を把握しておこう。

15GBというとそれなりの量に思えるが、全ての写真をアップロードするような使い方を想定しているのなら厳しいと言わざるを得ない。

どうしても、オリジナルサイズで画像をGoogleフォトにアップロードしたいなら、

Googleフォトの「設定」にある、「追加容量を購入」から容量を追加するしかない。

容量の追加プランは月額制であり、「100GB」(1.99ドル)、「1TB」(9.99ドル)、「10TB」(99.9ドル)、「20TB」(199.99ドル)、「30TB」(299.99ドル)という5プランが用意されている。

同種のサービスとして、Eye-fi Mobiカードを利用してスマートフォンと通信、写真データのアップロードに対応した「Eyefiクラウド」は年額5,000円(Eyefi Mobiカードに無料の期間限定利用権が付属する)で利用できる。

料金プランこそ異なるが、オリジナル写真を無制限にアップロードできるという点は同じなので、機材環境(無線LAN通信の対応など)を考慮して選びたいところだ。

Googleフォトは、「バックアップと同期」機能により、基本的には指定したフォルダ内の写真や端末に保存された写真を全てアップロードするのだが、あえて同機能をオフにすることで、自動アップロードではなく手動アップロード運用に切り替えることが可能だ。

PC(ブラウザ)でGoogleフォトを使う場合は、ツールを利用しない限り、手動アップロードが基本。仮にツールを使ったとしても、監視フォルダなどに写真を入れなければ自動アップロードは開始されない。

これをスマートフォン環境に置き換えたのが、「バックアップと同期」のオフとなる。必要な写真だけをアップロードできるようになり、例えアップロードサイズが「元のサイズ」であろうとも、安全に運用できるようになる。

iPhone(iPhone 6 Plus)の場合、Googleフォトはカメラロールを監視し、写真や画像が保存され、アプリを起動したタイミングでアップロードが開始されるが、オフ設定にすると、アップロードが行われなくなり、代わりに写真に未アップロードを示す「雲に斜線」アイコンが表示される。

手動でアップロードするには、該当する写真を表示し、メニューから「アルバムに追加」などを指定すればよい。

全ての写真をアップロードしないような使い方、あるいは、オリジナルサイズでアップしたいけど空き容量が気になるという人は、あえて「バックアップと同期」の設定をオフにしてみるとよいだろう。

次回は、Googleフォトで利用できる自動化処理について紹介したい。

飯塚直