デジカメドレスアップ主義

イメージサークルを超える冒険

α7 II + Prominar 12mm F1.8

  • ボディ:ソニーα7 II
  • レンズ:興和光学 プロミナー 12mm F1.8(ブラック)
  • マウントアダプター:三晃精機 SONY Eマウント用マイクロフォーサーズマウントアダプター
  • カメラケース:ユリシーズ α7 II用ボディスーツ(ネイビー)
  • ストラップ:アクリュ カシェ・ストレート 30mm(キャメル)

本コーナーを毎回見てくれている読者なら、「何だ、またプロミナーか!?」と思うかもしれない。しかし、もう一度写真をよく見てほしい。そこはかとなく違和感がないだろうか。たしかにレンズはコーワのプロミナー12mm F1.8だが、ボディはα7 IIだ。マイクロフォーサーズ用のプロミナーが、ソニーEマウントボディに付いている。今回はレンズとボディの異種格闘技を楽しんでみよう。

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プロミナーとα7 IIを仲立ちしているのは、三晃精機のSONY Eマウント用マイクロフォーサーズマウントアダプターだ。マイクロフォーサーズのレンズを、Eマウントボディに取り付けるためのマウントアダプターである。この手の製品はホークスファクトリー製が先駆けとなったが、少数生産だったこともあり、果たしてどれだけの人がおぼえているだろうか。

Eマウントのフランジバックが18mmであるのに対し、マイクロフォーサーズのフランジバックは実測で約19.3mm。その差は1mm少々だ。耐久性を考慮すると、無限遠出しはなかなか厳しい。その後、中国製の製品も登場したが、レンズ着脱レバーが貧弱で、見るからにわかっている人向けの仕様だった。数あるマウントアダプターの中でも、特に設計の難しい製品だったわけだ。

三晃精機のSONY Eマウント用マイクロフォーサーズマウントアダプターは2万6,000円。販売は同社直販のみ
構造上、ロックレバーは極薄の金属プレートになるが、それを大型のボタンで使いやすくしている

一方、三晃精機の製品は、既存の問題点をおおむねクリアしている。無限遠撮影に対応しているのは無論、着脱レバーは堅牢性を重視した設計で、外周部には着脱用のローレットまでこしらえてある。マイクロフォーサーズ-Eマウントのマウントアダプターは何かと制約が多いのだが、そうした中、操作性と耐久性を最大限確保している。この手のマウントアダプターで、群を抜いて確実性の高い製品だ。

さて、マイクロフォーサーズ用レンズは当然ながら、マイクロフォーサーズ規格に準じたイメージサークルを有している。見方を変えると、35mmフルサイズのイメージサークルでは大きくケラレてしまい、撮影がままならない。しかしながら、α7シリーズには「APS-Cサイズ撮影」という機能があり、これを「入」にすると、APS-C相当のセンサーサイズで撮影が可能だ。APS-Cサイズでもマイクロフォーサーズのイメージセンサーよりもひとまわり大きいが、レンズによってはかろうじてケラレないものもある。

ここで試したプロミナー12mm F1.8は、α7 IIのAPS-Cサイズ撮影でケラレなかったレンズのひとつだ。マイクロフォーサーズ装着時は35mm判換算24mm相当だが、α7 IIのAPS-Cサイズ撮影では35mm判換算18mm相当となり、本来よりもワイドな画角で撮れる。周辺部は像が流れがちだが、写真が破綻するような流れではない。

プロミナー12mm F1.8は本来マイクロフォーサーズ用のレンズだ。実勢価格は税込8万8,850円前後

ちなみに、他のプロミナーも試したところ、プロミナー8.5mm F2.8はAPS-Cサイズ撮影でもケラレてしまった。プロミナー25mm F1.8はAPS-Cサイズ撮影ならケラレなしで撮影可能。フルサイズではケラレてしまう。なお、マウントアダプターへの取り付けはかなり固めだった。レンズ、ボディともに保証外の行為となるため、試す際はくれぐれも自己責任でお願いしたい。

ドレスアップ面はユリシーズのケースとアクリュのストラップを合わせてみた。まずユリシーズのα7 IIボディスーツから見ていこう。本ケースはフルカバードタイプになっており、液晶モニター面をレザーでガードしている。ただし、レザーのブリッジがかかるため、液晶チルトは使用できない。カメラを革で守るという、ユリシーズ十八番のボディスーツである。一方、日常的な使い勝手を重視し、メモリカードとバッテリーはケースを装着したままで交換可能だ。

ユリシーズのα7 IIボディスーツは1万8,360円。タイトフィットで付け心地は上々だ
ダメージ加工レザーのプエブロを使用。はじめはマットだが、使い込むとツヤが生まれる

また、ケース装着した状態でWi-FiおよびNFCの通信が可能だ。ワイヤレスなのだから何を今さら、と思うかもしれないが、実は昨今のカメラケース、ボディ形状に革を沿わせるために薄い金属片を用いている。わかりやすくいうと、表革と裏革の間に鉄板を仕込み、形状を整えているわけだ。この鉄板が通信の妨げになる可能性があり、本ケースは通信に影響のある部分は鉄板をくりぬき、滞りのないワイヤレス通信を確保している。ひと口にカメラケースといっても、ここまで細部に気を配った製品はそうそうないだろう。

液晶の周囲を覆った、フルカバードタイプのデザインを採用している
メモリーカードスロットに直接アクセスできる。この仕様は実用性が高い
底面にフリップカバーを装備し、ケースを取らずにバッテリー交換できる
ネイビーの他、チョコレートとブラックのカラバリをラインアップしている

ストラップはアクリュのカシェ・ストレート30mmを選んだ。カシェ・ストレートには20mmと30mmのバージョンがあり、ここではあえて30mmを組み合わせた。α7 IIは思いの外大型化しており、太めのストラップでしっかりと携行したいところだ。30mm幅のカシェ・ストレートは太すぎず細すぎず、絶妙なバランスを保ったストラップである。M型ライカあたりと組み合わせても、押し出しが強くていい雰囲気になるだろう。

アクリュのカシェ・ストレート30mmは9,396円。裏面は防水加工レザーで夏場も安心だ
カシェシリーズはすべての金具を革で包んでいるのが特徴だ。その工夫はもはや発明の域である
カラーバリエーションは全6色。派手すぎず地味すぎず、ほどよい色合いのレザーだ
α7 II / Prominar 12mm F1.8 / 3,936×2,624 / 1/400秒 / F8 / +0.7EV / ISO100 / WB:オート
α7 II / Prominar 12mm F1.8 / 3,936×2,624 / 1/1,600秒 / F1.8 / ±0EV / ISO100 / WB:オート
α7 II / Prominar 12mm F1.8 / 3,936×2,624 / 1/3,200秒 / F1.8 / ±0EV / ISO100 / WB:オート
α7 II / Prominar 12mm F1.8 / 3,936×2,624 / 1/6,400秒 / F5.6 / ±0EV / ISO100 / WB:オート
α7 II / Prominar 12mm F1.8 / 3,936×2,624 / 1/60秒 / F8 / -0.7EV / ISO100 / WB:オート
α7 II / Prominar 12mm F1.8 / 3,936×2,624 / 1/100秒 / F8 / -1.3EV / ISO100 / WB:オート

澤村徹

(さわむらてつ)1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。ライター、写真家。デジカメドレスアップ、オールドレンズ撮影など、こだわり派向けのカメラホビーを提唱する。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」シリーズをはじめ、オールドレンズ関連書籍を多数執筆。http://metalmickey.jp