フォトアプリガイド

サン・サーベイヤー(Android)

日の出・日の入り時刻をスマホでチェック

 日の出・日の入りだけでなく、屋外撮影において太陽の位置というのは重要なファクターだ。順光、逆光、半逆光など光にまつわる撮影用語の重要性は、ここで述べるまでもないだろう。光を予測して撮影地に赴く……そんなとき便利なのが、今回紹介する「サン・サーベイヤー(Sun Surveyor)」だ。その名の通り、太陽の計測アプリである。

 サン・サーベイヤーは主に、「3Dコンパス」「マップビュー」「ARカメラ」「詳細」という4つの機能を備え、太陽や月の軌道をテキストやビジュアルを通して知ることができるというアプリだ。

 Android OS 2.1以上で動作。執筆時の価格は599円。

メイン画面

「3Dコンパス」は、任意位置または現在位置という「位置情報」、そして指定日または現在という「日付」、「時刻」を基に太陽や月の動きを3Dシミュレート・表示する機能だ。その他の機能と共通することだが、画面下部にあるスライダを動かすことで、時間を指定できるほか、日の出、日の入りといった情報も確認できる。なお、スライダの単位は時/日/年と3つから設定できる。

「3Dコンパス」画面。画面下部のスライダを使うと時間経過を操作できる。日付を設定するには画面右上を、場所の指定には画面左上のアイコンをそれぞれタップして行なう
画面左下に表示されたデータ(アイテム)部をタップすると、アイテム表示一覧が表示される。表示したい内容にチェックを入れよう

「マップビュー」は、Googleマップ上に太陽や月の動きを表示する機能。撮影先をマップで表示しておき、撮影ポイントから見える太陽の位置を調べるのに適している。

2013年4月9日に「新宿中央公園」から「東京都庁」を撮影する場合、8時50分に太陽が現れるということがわかる

 例えば「新宿中央公園」から「東京都庁」を撮影すると想定して、太陽を収めたい場合、何時に撮影ポイントに居ればよいというのが本機能によってすぐにわかる。日付の指定も可能なので、オールシーズン利用可能だ。

 ちなみに、航空写真を表示したり、現在地表示させたりもできる。

「マップレイヤー」機能の「サテライト」を有効にすると、地図が航空写真モードに切り替わる

「ARカメラ」は、端末のカメラ機能に太陽や月の軌跡を表示させる機能。実際の撮影ポイントに行き、端末でどのように見えるかを具体的に確認できるという特徴がある。「3Dコンパス」や「マップビュー」を使って軌跡予測による撮影シミュレートは可能だが、本機能を使うことで、より具体的な位置予測、撮影シミュレートが可能となる。

端末のカメラ機能にアドオンする形で、太陽などの軌跡が表示される。もちろん、時間調節スライダや日時の指定も可能だ

「詳細」を利用すると、「太陽」と「月」に関する情報の要約を一覧チェックできる。例えば「太陽」の項では、位置情報を基にした、ブルーアワーやゴールデンアワーの時間帯、日の出・日の入りの時刻などが確認できる。「月」の項では、月相のパターンと対する日付などを調べられる。また、「太陽」「月」タブが用意され、より詳細(方位角や高度、影の比率/輝いて見える部分)な情報をチェックできる。

「要約」の「太陽」では、日の出・日の入りや前後の現象であるブルーアワーやゴールデンアワーの時刻が確認できる
「月」では、月相と日付などが調べられる

 サン・サーベイヤーは、GPS機能や電子コンパスを利用するアプリだ。従って、それらの機能が正しく利用できなければ、精度が落ちてしまう。そこで、本アプリには「キャリブレーション」機能が用意されている。屋内から屋外に移動した時、利用していて精度が悪いと感じた時などは積極的に利用したい。

「キャリブレーション」機能。「オリエンテーション」「加速度計」「磁力計」という3つのセンサーをキャリブレートできる

 本アプリの良い点は、撮影前にある程度の撮影予測ができることにある。どのように太陽・月が見えるかという情報を事前に調べられるので、撮影に無駄がなくなる。「マップビュー」などを利用して、撮影ポイントとある程度の時刻を指定し、太陽や月の動きを確認。おおよそ流れを把握したら実際に赴き、「ARカメラ」を利用して構図を決定する。後は時間になるのを待ち、撮影といった具合だ。

 行き当たりばったりのスナップも楽しいものだが、旅行先など、撮影チャンスの少ないシーンでは、ある程度の準備は必要だ。そういった意味では、太陽や月の軌跡を確認できる本アプリは魅力的なアプリといえるだろう。

飯塚直