フォトアプリガイド
主要カメラアプリのiPhone 6 Plus対応状況
飯塚直(2014/10/29 08:00)
2014年10月21日にiOSの最新バージョンとなるiOS 8.1が配信されたわけだが、そうなると気になるのがカメラアプリの対応状況だ。
同時にリリースされた開発者向けの情報では「2015年2月以降に登録されるiOS向けアプリは、64bitのサポートとiOS 8 SDKでの開発が必須」とあり、将来的にはiPhone 6/iPhone 6 Plusなど最新OSを採用する端末への対応が見込めるが、現状はまだ足並みが揃っていない状態だ。
では、“アプリが対応していない状況”とはどのような場合かというと、大きく2つある。ひとつは「iOSが未対応」、もうひとつが「最適化されていない」というものだ。
まず「iOSが未対応」だが、この場合は最新iOSである「iOS 8」に対応していないということ。例えばアプリの互換情報に「iOS 6.0以降」とある場合、一見すると対応しそうに思うが、アプリの最終更新日をチェックして、最新iOSの配信日とかけ離れているようなら、まず対応していないと思ってよい。その場合の考えられるトラブルとして、シャッターの遅延、AFの合焦速度の低下などが挙げられる。
次に「最適化されていない」という点だが、これは表示レイアウトに影響する部分だ。多くのアプリで最適化されているiPhone 5/5sの画面サイズは4インチ(1,136×640ピクセル)であり、5.5インチ(1,920×1,080ピクセル)のiPhone 6 Plus、4.7インチ(1,334×750ピクセル)のiPhone 6とは画面サイズが異なるため、最適化されていないと表示上のムリがでてしまう。具体的には、メニューなどが拡大表示され、文字も画像もややぼやけた野暮ったい感じになってしまうわけだ。
残念ながら今のところは最新のiOS 8に対応していても、iPhone 6 Plusに最適化されているカメラアプリは少ない印象を受ける。OSが対応している以上、iPhone 6/iPhone 6 Plusでも動作はするが、そういったアプリは表示的な部分で難があるわけだ。
そこで今回は、主要・定番カメラアプリのiPhone 6 Plus(iOS 8)の対応・最適化状況について調べてみた(バージョン表記はすべて執筆時点のもの)。
Instagram(バージョン6.1.4)
互換性情報には、iPhone 6/iPhone 6 Plusの記載はないが、最新バージョンの6.1.3にてiPhone 6とiPhone 6 Plusに対応した。
Hipstamatic(バージョン278)
更新がiOS 8の配信日より前の2014年9月15日で止まっており、残念ながら非対応。iPhone 6 Plusで起動を確認したが、画面を回転させるとレイアウトが崩れることがあった。
Vine(バージョン:3.0.1)
互換性情報にてiPhone 6 および iPhone 6 Plusの最適化を確認。バージョン3.0.1にて、iOS 8.1のカメラロールから直接Vineへとアクセスできるようになった。
EyeEm - 無料カメラ&フォトフィルター&写真コミュニティ(バージョン:4.3.1)
互換性情報には、iPhone 6/iPhone 6 Plusの記載はないが、iOS 8に対応しており、iPhone 6 Plusでも問題なく利用できた。
Camera+(バージョン:6.0.2)
互換性情報にてiOS 8.0以降の対応を確認。ただし、iPhone 5に最適化されている。(編註:iPhone 6+iOS 8でマニュアルフォーカス撮影およびシャッター速度/ISO感度優先撮影が可能)
OneCam(マナー・連写) ~フリックで簡単シェア~(バージョン:5.2.1)
互換性情報には、iPhone 6/iPhone 6 Plusの記載はないが、説明部にて「iOS8対応済み( iPhone6, iPhone 6 Plus 確認済み)」の記載あり。
Snapseed(バージョン:1.6.2)
互換性情報には、iPhone 6/iPhone 6 Plusの記載はないが、最新バージョンである1.6.2の説明にて「まれにフィルタ セレクタのスワイプを妨げていた iOS 8 のバグを修正しました。」と記載されており、iOS8に対応している模様。実際も問題なく利用できた。
フォトシンク(PhotoSync) - 写真やビデオをワイヤレス転送(バージョン:2.2.4)
互換性情報には、iPhone 6/iPhone 6 Plusの記載はないが、最新バージョンである2.2.4の説明にてiPhone 6/iPhone 6 Plusの設定に対する修正が行われており、対応している。
まとめ
これらの定番と呼ばれるアプリをチェックしてみてわかったのは、かなり早い段階で最新OSであるiOS 8には対応しているものの、iPhone 6 Plusの最適解像度への対応は遅れているということだ。
かといって、今回調べたところでは「Snapseed」ぐらいしか影響がなかった。というのも、カメラアプリの多くは「メニュー」(文字)から選ぶというよりは「アイコン」を使って選択するものがほとんど。そういった意味では、なかなか影響を感じにくいジャンルのアプリなのかもしれない。
一方で「Hipstamatic」のように使っている内にレイアウトが崩れてしまうということもある。頻繁に起きるわけではないが、これは気になるポイントだ。
しかし、「Hipstamatic」の最終更新日は2014年9月15日。現状ではiOS 8(iOS6.0以降となっているが)にもiPhone 6 Plusの解像度にも対応していないわけで、“無理矢理”使っておいて文句をいうなという話なのかもしれないが。
現状を総括すると、「最新iOSに未対応」であっても使える可能性はあるが、レイアウトが崩れたり、AF/シャッターが遅いといったトラブルが考えられるため、様子見をしたほうがよさそう。「最適化されていない」だけであれば、メニュー表示など表示的な問題はあるもののとりあえずは利用できる。カメラアプリだけいうと、影響はかなり少ない印象を受けた。
ちなみに、iOS 8の目玉機能である「写真」アプリのフィルタ機能連携についても、iOS 8対応だからといって必ずしも利用できるわけではない点を覚えておこう。