写真展

―古写真に見る明治の東京― 「荏原郡・東多摩郡・ 北豊島郡・南足立郡編」

(JCIIフォトサロン)

「千住大橋 (現在の足立区と荒川区)」 鶏卵紙 明治14年(1881)以前

2009年から開催し、好評を博しているシリーズの第9弾。明治11年(1878)に施行された郡区町村編制法で制定された15区6郡制の中から4郡を展示。

「荏原郡」は、現在の品川区と目黒区、大田区にあたり、「東多摩郡」は中野区と杉並区、「北豊島郡」は豊島区、北区、荒川区、板橋区、練馬区、さらには台東区の北の部分も含む広域な地域で、「南足立郡」は足立区にあたる。

当館所蔵の「大日本東京寫眞名所一覧表」と題された写真帖と、明治14年(1881)にイタリアに持ち帰られた写真帖「大日本全国名所一覧」からピックアップした写真、約80点を展示。

古くから参拝客で賑わっていた祐天寺、池上本門寺、新井薬師、鬼子母神、西新井大師などの社寺、渋沢栄一によって設立された王子の製紙会社、岩倉具視が中心となり設立された日本鉄道会社、明治18年(1885)の洪水で流失する前の千住大橋、隅田川に平安時代から置かれていたと言われる「渡し」など、今は見ることのできない風景を含む貴重な写真をご覧いただく。

JCIIフォトサロン:―古写真に見る明治の東京― 荏原(えばら)郡・東多摩郡・北豊島郡・南足立郡編

会場・スケジュールなど

  • ・会場:JCIIフォトサロン
  • ・住所:東京都千代田区一番町25番地JCIIビル
  • ・会期:2016年2月2日火曜日〜2016年2月28日日曜日
  • ・時間:10時〜17時
  • ・休館:月曜日・祝日
  • ・入場:無料

石黒敬章・井桜直美 トークショー「“古写真に見る明治の東京”を語る Part9」

「江戸」から「東京」へと大きく変化していった「荏原郡・東多摩郡・北豊島郡・南足立郡」の街並みについて、専門家二人が語る。
応募方法は、CIIフォトサロンにて直接受付、または電話にて受付。

石黒敬章

昭和16年(1941)生まれ。昭和41年(1966)に「石黒コレクション保存会」設立。古写真を中心に、骨董品などに関する著書を多数執筆し、展覧会の企画も行なう。主な著書に、『下岡蓮杖写真集』(新潮社、1999年)、『明治・大正・昭和 東京写真大集成』(新潮社、2001年)、『幕末明治の肖像写真』(角川学芸出版、2009年)などがある。日本写真芸術学会評議員。ゆうもあくらぶ副会長。

井桜直美

平成3年(1991)より幕末、明治、大正期の写真の収集及び研究に没頭。平成5年(1993)古写真を専門に、雑誌に執筆や販売、貸出などを行う「桜堂」を始める。平成12年(2000)『セピア色の肖像』(朝日ソノラマ)を出版。平成16年(2004)より、日本カメラ博物館の古写真研究員として勤務。

【開催概要】
・日時:2016年2月13日土曜日14時~16時
・場所:JCIIフォトサロン
・定員:100名
・料金:300円(友の会会員は無料)

(本誌:河野知佳)