写真展

宍戸清孝写真展「21世紀への帰還 第6弾」

(ニコンサロン)

作者は、第二次世界大戦時、日米の狭間で翻弄された日系二世をテーマに取材を続けてきた。1995年「21世紀への帰還」として発表以来、今回で第6弾を迎える。

米国への忠誠心を示すことで日系人の名誉を回復するため、過酷なヨーロッパ戦線へ足を踏み入れなければならなかった二世たち。1943年9月、二世部隊はイタリアのサレルノに上陸後、ナチスドイツ軍との激烈な戦いを繰り広げた。最初の戦死者となるジョー・タカタが亡くなった地や故ダニエル・イノウエ上院議員が右腕を失った場所に立つと、広大な大地や海、人々の暮らしが広がる。ヨーロッパ解放70年、二世部隊が解放した町には地元の人々が感謝を記した顕彰碑が残り、米軍墓地の墓標には彼らの名前も刻まれている。しかし、今やあの時の戦渦を窺い知ることは難しい。

それでも、目前の景色には、彼らの意志や勇気、恐怖や涙が刻まれている。時を経たからこそ見える戦争の記憶を記録し、平和への願いを新たにしたいと作者は思う。

(写真展情報より)

会場・スケジュールなど

  • ・会場:銀座ニコンサロン
  • ・住所:東京都中央区銀座7-10-1STRATA GINZA(ストラータ ギンザ)1・2階
  • ・会期:2015年8月12日水曜日~2015年8月25日火曜日
  • ・時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
  • ・休館:会期中無休
  • ・入場:無料

作者プロフィール

1954年宮城県仙台市生まれ。80年に渡米、ドキュメンタリーフォトを学ぶ。86年、宍戸清孝写真事務所を開設。93年「カンボジア鉄鎖を越えて」(銀座ニコンサロン)、95年よりアメリカと日本の狭間で激動の時代を生きた日系二世をテーマに写真展「21世紀への帰還」シリーズを発表。受賞歴に、2003年日本リアリズム写真展視点特選、04年第29回伊奈信男賞、05年宮城県芸術選奨などがある。

著書に「Japと呼ばれて」(論創社)、「Home 美しき故郷よ」(プレスアート)がある。

8月7日1時40分追記:記事初出時に会期を2015年8月21日水曜日~2015年8月25日火曜日と誤って記載しており、訂正しました。

(本誌:河野知佳)