写真展

鈴木賢武写真展「観山十字路に末枯れていくこと」

(ニコンサロン)

作者がこの土地を終の棲家と決めて二十年が過ぎた。

二人の子供はそれぞれ巣立ち、作者の仕事も定年を迎え、夫婦に余生という時間が訪れた。

朝夕の散歩が日課となり、この十字路で深呼吸して一日が始まる。

散歩道にある観山十字路は、わずかながら小高くなっている。

自転車を漕ぐ人は思いがけない坂にさしかかり、ペダルを強く踏み込むことになる。

作者と妻は、毎日のようにこの坂を行き来する。

特別に上り下りを意識したことはないけれど、たまに高い場所から景色を眺めているようで、おおらかな気持ちになることがある。

作者夫婦は、そんなささやかな幸せの中にいる。

ただ、この坂道が坂道であることを感じさせないように、自分たちは気が付かないまま、この世の道理に従って末枯れていることを知っている。

やがて作者の何もかもが消えて最後の瞬間を迎えるとき、この十字路から眺めた山の稜線や土地の起伏が思い出されるような気がしている。

ささやかな幸せ、というかけがえのない日々を歩いた記憶がよみがえるだろう。

銀座ニコンサロン 2016年2月 − 写真展 − ニコンサロン

会場・スケジュールなど

  • ・会場:銀座ニコンサロン
  • ・住所:東京都中央区銀座7-10-1STRATA GINZA(ストラータ ギンザ)1・2階
  • ・会期:2016年2月17日水曜日〜2016年3月1日火曜日
  • ・時間:10時30分〜18時30分(最終日は15時まで)
  • ・休館:会期中無休
  • ・入場:無料

  • ・会場:大阪ニコンサロン
  • ・住所:大阪市北区梅田2-2-2ヒルトンプラザウエスト・オフィスタワー13階
  • ・会期:2016年3月24日木曜日〜2016年3月30日水曜日
  • ・時間:10時30分〜18時30分(最終日は15時まで)
  • ・休館:会期中無休
  • ・入場:無料

作者プロフィール

1940年静岡市清水区生まれ。96年から木村仲久氏に師事し写真を始める。三の会静岡「21の会」所属。