写真展

荒井俊明写真展「里暦(さとごよみ)」

(ニコンサロン)

人の温かさ、大らかさ、明るさに触れて作者が通い始めた小さな村「御崎」。隔離されたような村で、人をこんなにも温かく迎えることができる。それは作者には受け入れ難いことであった。

ここで出会った老夫婦から、想像を絶するような暮らしを聞く度に、その疑問はどんどん強くなった。答えは日常にしかないだろうと、ひたすらこの村の日々の暮らしを作者は追い続けた。通い続けて7年。この村にいると、なぜこんなに落ち着くのだろうと海を見つめて考えた。その答えは実に簡単で、この村の人たちは何も変わっておらず、自分自身がどんどん変わっていたのだと作者は気づき、笑えてきた。「幼少の頃は自分もそうだった」「父や母は身を粉にして働いていたし、みんな大らかだった」。わかりきった答えを出すのに随分時間がかかった。

現代社会の便利さの影で失われていく「こころ」。この村には「こころ」が生きている。移りゆく自然に寄り添うように淡々と流れる日々。

やがて、この日常も変わっていくことを感じながらも、今はやわらかい御崎の日々を感じていたい。そんな作者の思いを込めた写真展である。

モノクロ41点。

ニコンサロン bis 大阪 2016年10月 - 写真展 - ニコンサロン|ニコンイメージング

会場・スケジュールなど

  • ・会場:ニコンサロンbis大阪
  • ・住所:大阪市北区梅田2-2-2ヒルトンプラザウエスト・オフィスタワー13階
  • ・会期:2016年10月13日(木)~10月19日(水)
  • ・時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
  • ・休館:会期中無休
  • ・入場:無料

  • ・会場:ニコンサロンbis新宿
  • ・住所:東京都新宿区西新宿1-6-1新宿エルタワー28階
  • ・会期:2016年11月15日(火)~11月21日(月)
  • ・時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
  • ・休館:会期中無休
  • ・入場:無料

作者プロフィール

1952年京都府福知山市生まれ。25歳頃から京都の風景を撮り始め、2009年から御崎に通い始める。10年から13年に兵庫県の香住、浜坂で個展を3回開催。受賞歴に、1985年第33回ニッコールフォトコンテストニッコール大賞、2011年サロン・ド・ニッコール年度賞1位、14年第62回ニッコールフォトコンテスト長岡賞・ニッコール大賞がある。