写真展
宮下正幸写真展「路(みち)の記」
(ニコンサロン)
2016年7月12日 15:00
5年前の夏に、作者は関西を地盤とする民放局を定年退職した。そして、取材の相棒役だった可搬型ビデオカメラの代わりに、写真機を提げて街を歩くようになった。
当初は、気分も晴れ晴れと、まさに肩の荷を降ろした思いだったが、やがて、長年の間にこびりついたであろう「癖」に気付かされるようになった。
それは、無意識のうちに、時間軸で捉えるテレビの撮り方のまま、写真の場面に立ち合ってしまうことや、写真機を縦に構え直すと生じる漠とした居心地の悪さであった。「点(瞬間)で撮るな。線(時間)で撮れ」とは、写真の学校を卒業した作者がテレビ局の先輩から言い聞かされたことだが、改めて、テレビと過ごした時間の濃さを意識させられる写真へのスタートであった。
本展は、作者が住む奈良市を起点に、ほぼ、4、50km圏内の、かつてビデオカメラを担いで駆け抜けた大阪や京都の路上を、写真機でなぞり歩いた記録である。あの日々、テレビでは気付けなかった街の姿を、作者は垣間見た気がしている。
モノクロ50点。
会場・スケジュールなど
- ・会場:新宿ニコンサロン
- ・住所:東京都新宿区西新宿1-6-1新宿エルタワー28階
- ・会期:2016年7月19日(火)~7月25日(月)
- ・時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
- ・休館:会期中無休
- ・入場:無料
- ・会場:大阪ニコンサロン(追記)
- ・住所:大阪市北区梅田2-2-2ヒルトンプラザウエスト・オフィスタワー13階
- ・会期:2016年11月3日(木)~11月9日(水)
- ・時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
- ・休館:会期中無休
- ・入場:無料
作者プロフィール
1951年大阪市港区生まれ。73年大阪写真専門学校(現ビジュアルアーツ専門学校 大阪)卒業。76年毎日放送入社。2011年毎日放送報道局映像センター定年退職。