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CP+2017のキーワードは「一緒に行こう!」

新製品以外の魅力を発信 ファミリーや女性にアピール

CIPA代表理事会長の笹宏行氏(左)と横浜市長の林文子氏(右)

カメラ映像機器工業会(CIPA)は12月13日、カメラと写真・映像イベント「CP+2017」の開催概要を発表した。

CP+2017は、2017年2月23日(木)~26日(日)の期間にパシフィコ横浜(展示ホール、アネックスホール、会議センター)で開催。開場時間は10時~18時(初日のみ12時~18時、最終日のみ10時~17時)。入場料は1,500円(税込、事前登録で無料)。

主催は一般社団法人カメラ映像機器工業会、協賛は一般社団法人日本写真映像用品工業会。

新製品の展示だけでは新規来場者は見込めない

CIPAの代表理事会長、笹宏行氏は、CP+2017の課題として「新しい来場者の開拓」を挙げ、特に「若者」「女性」「写真学校の学生」といった属性の来場者増に向けた施策を進める意向を示した。

「CP+2016でも来場者数は前年から若干増を記録しましたが、それでも来場者のうち9割は、すでに写真を趣味あるいは職業としている方々でした。現在の状況は、"写真やカメラに興味を持つ人を増やす"というCP+の役割をまだ十分に果たしていない、という認識です」

笹宏行氏
CP+の基本コンセプト
CP+2017では、新規来場者層に向けた施策を実施する予定

出展社減ながら小間数は過去最多、目標来場者数は7万人で据え置き

CP+2017の概要と施策の方向性については、CP+実行委員会 委員長の折原直人氏が説明した。

折原直人氏

2016年12月13日時点の出展状況は、出展者数は前年比11社減の121社としつつも、出展小間数は前年比4%増で過去最多の1,116小間となっており、キャンセル待ちの状態が続いている。

目標来場者数は2016年に引き続き7万人とした。その内訳は、6万7,000人で安定している現在までの来場者に加えて、その家族や友人、女性、若者を含めた新規来場者3,000人。現在、来場者のうち6割が1人で来場しているとの統計を受けて、まずは現在の来場者に、周囲の知人を連れてきてもらう方向性。「一緒に行こう」とのキーワードを設定した。

出展規模や目標来場者人数はCP+2016と同程度
熊本地震によるイメージセンサー製造設備の被災は、デジタルカメラ市場に大きな打撃を与えた
新たな来場者層を獲得すべく、新製品以外の部分で目玉となるイベントを用意する

「新製品が展示されているだけでは来る気にはならない、と考える女性や若者の来場を促進すべく、これまでとは異なるアプローチで新たな来場者を呼び込み、数年かけて"育てる"ことを考えております」(折原氏)

具体的には、会期中に写真家の鈴木心さんが来場者の写真を撮影する「鈴木心写真館@CP+2017」を実施する。日程は2月25日(土)と26日(日)。2017年2月上旬よりWeb上で事前予約を開始するほか、当日受け付けも行なう予定。参加費用は無料。

「新たな来場者を開拓するにあたって、まずは"大切にしたい"と思えるような写真をお渡しするというところから始めたい。大切にしたい写真を所有する体験を出発点として、いずれはカメラに興味を持っていただければ、と考えています。いわゆるスマホ写真は、時間とともに流れゆく"フロー"の写真ですが、我々写真業界としては、10年、20年先にも見られる"あの時撮っておいてよかった"と思えるような"ストック"の写真の力を伝えていく意図があります」(折原氏)

家族での来場を意識したキービジュアル
来場者の家族の姿を写真に残す「鈴木心写真館」

学生向けの施策としては、広告写真家を目指す学生に向けたセミナー「公募から就職までを考える」を実施する。日本広告写真家協会(APA)に所属するクリエイターの講演と、ポートフォリオレビューを行なう内容。

APAのクリエイターが講演とポートフォリオレビューを行なう学生向けセミナー

このほか、ファミリー向けの施策として、クロマキー合成による合成写真を撮影する「ドリームフォトスタジオ」や、神奈川県各地のご当地キャラクターと記念写真が撮れるコーナーなども用意するほか、「通路に人があふれてベビーカーで回れない」との意見に対応し、ステージの設計基準を見直すことで、通路に人がはみ出さないように対策を施したとしている。

新人写真家の育成支援活動を旨とした日仏合同企画「ZOOMS」の合同写真展
エディター賞を受賞した山田憲子さんの作品「emission」
パブリック賞受賞者、片上久也さんの「傘の、ある日。」
御苗場やフォトジンの販売などを行なう会場は前回よりも広いアートスペース「BankART Studio NYK」に移転
ワールドプレミアアワードは、投票者全員にプレゼントを配布するよう変更した
前回は2日目から開催していた中古カメラフェアは会期中毎日開催するようになった。もっとも多くカメラを買っていったのは20~30代の女性だったという
上級エンジニアのパネルディスカッションは、参加社を増やして今年も実施

フォト・ヨコハマは会期中横浜市全域で約70のイベントを実施

フォト・ヨコハマ2017の開催概要については、横浜市長の林文子氏が説明を行なった。

フォト・ヨコハマは、CP+第2回開催となる2011年より、CP+と連動して「写真の祭典」と銘打ち実施している写真イベント。2017年で7回目の開催となる。2017年は横浜市全域で約70の写真映像イベントを開催する予定。開催期間は2月15日(水)~3月6日(月)。

林文子氏
コア期間のうち、最も多くのイベントを同時開催するタイミングはCP+前後。以下はフォト・ヨコハマの主要なイベント
横浜市民ギャラリー「MAGNUM CINEMA & 映画の中のヨコハマ」
横浜美術館の所蔵作品展「篠山紀信展 写真力」
日本新聞博物館「2016年報道写真展」
みなとみらいギャラリー「APA写真展」
三渓園 鶴翔閣で開催する高円宮妃殿下の写真展「鳥たちの煌めき III」
CP+期間中は、横浜市内の周遊施策としてスタンプラリーを実施する