ニュース
フェーズワンの1億画素機「XF 100MPカメラシステム」セミナーレポート
開発者によるプレゼンや写真家のトークショーが行われる
Reported by 本誌:武石修(2016/2/17 09:15)
フェーズワンジャパンは2月16日、Phase Oneの中判デジタルカメラ「XF 100MPカメラシステム」のセミナーを東京・月島のスタジオギアで開催した。会場ではタッチアンドトライのほか、開発者による製品紹介や写真家のトークショーが行われた。
XF 100MPカメラシステムは、約1億100万画素という超高画素CMOSセンサーのデジタルバック「IQ3 100MP」を搭載した中判カメラシステム。2月上旬に発売され、価格は「PHASE ONE IQ3 100MP/XF CAMERA KIT」(カメラ・レンズセット)が税別680万円。
フェーズワンでXF 100MPカメラシステムの開発責任者を務めたラウ・ノーガード氏は、「カメラとして究極のイメージクォリティを実現した」と紹介。1億画素のメリットは大きなプリントのみならず、トリミング耐性やレタッチ耐性に優れるとした。
また画像をリサイズした場合、ノイズレベルを下げることができるため、超高画素が生きるとした。色深度は16bitに対応。色再現性の検証にもこだわっており、他の中判カメラよりも優れるとアピールした。
1億画素のメリットとは?
トークショーでは資生堂 宣伝・デザイン部 クリエイティブスペシャリスト フォトグラファーの金澤正人氏、フォトグラファーのshuntaro氏、フォトグラファーの湯浅立志氏がフェーズワンのカメラシステムについて語った。いずれも、フェーズワンのユーザーだ。(司会は坂田大作氏)
「フェーズワンは、カメラ自体のポテンシャルが非常に高い。XFカメラシステムは日本人の小さな手でも使いやすい。親指でAFができるように設定しているが、指がきちんと届く。また以前のカメラはMFで使っていたが、XFカメラシステムはAFを使いたいと思わせる使いやすさだった」(金澤氏)
「かなり暗いシーンでもノイズを気にせずに撮れる。メイクの粉のディテールが浮き出ているのがわかるレベルだった」(shuntaro氏)
「雷門を俯瞰で撮影したが、拡大すると1人1人の顔がわかるほどだった。こうしたカメラが登場したことに驚いている。ただしIQ3 100MPの場合、データが大きくHDDの容量はかなり必要になる」(湯浅立志氏)
また3氏は、IQ3 100MPのメリットについても触れた。
「壁面広告などは離れて見るので問題ないが、店舗に置く等身大のパネルは引き伸ばされる上に至近で見られるため、8,000万画素では足りないかもしれない。これは1億画素あった方が良いと思う。仕事以外では、写真展向けの作品撮りに使えば表現の可能性が広がるだろう。以前はボディとデジタルバックが別のメーカーでトラブルが多かったが、双方が同一メーカーという安心感もあり、IQ3 100MPの導入を検討している」(金澤氏)
「ダイナミックレンジの広さが1番重要と考えている。その点、髪のディテールなどがレタッチしても残るため、イメージのクォリティが上がった。高価なためリースという手もあるが、手元にあれば自分の作品撮りにも使えるのでメリットが大きい。1人で買うのは大変だが、同じオフィスの別のフォトグラファーと共同購入した。こうして使えばペイできる」(shuntaro氏)
「以前のCCDセンサーのデジタルバックは、ビューカメラであおった場合色むらが顕著で補正の必要があったが、IQ3 100MPは1枚のCMOSセンサーのため色ムラが出ないのが良い。なぜ高価な中判カメラを使うのかと言われれば、これを使わずに老いていくわけにはいかないと思ったから(笑)。今使っているのは8,000万画素タイプだが、高いと言っても買えない額ではない。最高の機材を毎日使えるのは本当に楽しい」(湯浅氏)。
なお、IQ3 100MPの発売を記念したキャンペーンを開催する。期間は2月25日受注分まで。
一例として、アップグレードキャンペーンでは8,000万画素のIQ3 80MPからの乗り換えが税別210万円などとなっている。また、XFカメラボディも値引き販売し、標準レンズ付きで税別100万円を切る価格になっている。