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「EIZOガレリア銀座」が移転オープン
セミナールームを強化。ギャラリーはモニターを使ったスライドショー展示に
Reported by 本誌:折本幸治(2014/1/14 18:34)
東京・銀座にあるEIZO株式会社のショールーム「EIZOガレリア銀座」が、同じく銀座地区内に移転。1月10日にオープンした。セミナールームに力を入れるなど、新たな方針を打ち出す。
移転先は、外堀通りに面した銀座7丁目のブランエスパ銀座ビル(東京都中央区銀座7-3-7)。これまでは東銀座にショールームがあった。名称は従来通り「EIZOガレリア銀座」だ。
旧ショールームがオープンしたのは7年前。その目的は、当時発売されたコンシューマー向けの液晶テレビ「FORIS.TV」をアピールするためという側面が強かった。実物のFORIS.TVを前に製品の説明を行なえる場所が必要との判断からだ。
その後は徐々にColorEdgeなどの液晶モニターを紹介する場へと軸足が移り、施設内でモニターキャリブレーションのセミナーや写真展を行なうなど、写真文化をモニターの側から発信する機能が高まっていった。
移転後のEIZOガレリア銀座にもそのコンセプトは受け継がれており、例えばセミナールームは最大で約30名対応へと面積が広がっている。照明も写真鑑賞に適した5,000Kとし、明るさを調光可能にするなど凝った仕掛けを特徴とする。
ここで行なわれる基本的なセミナーは、参加者のデータをPCに取り込み、カラーマッチングの基礎や手法などを交えながらモニターで確認・調整の後、プリンターで出力するという流れ。プリンターはエプソンPX-5V、キヤノンPIXUS PRO-10のどちらか好きな方を利用できる。
こうしたセミナーに加え、もう少し軽い内容となる体験ワークショップや、トークショーなどもセミナールームで行なわれる。例えば1月11日は、諏訪光二氏、伊藤徹也氏、河野英喜氏、並木隆氏による「写真家4名勢揃いのトークショー」を実施。1月12日、1月13日には、「初級! ポートレート体験ワークショップ」が盛況の中行なわれた。
新ショールームのもうひとつの特徴は、ショールーム内に設置された「EIZOギャラリー」だ。旧ショールームにもギャラリーが存在したが、プリント作品を展示するという一般的な写真ギャラリーを志向したものだった。一方、新ショールームではプリントではなく、モニター表示をメインとする方針をとる。モニターメーカーであるEIZOらしい展開といえるだろう。
取材当日(1月14日)のギャラリーでは、1月11日に行なわれたトークショーと連動した作品が展示されていた。モニターは27インチのColorEdge。表示する作品にあわせ、縦位置・横位置を選択できるという。
ちなみに作品はLightroomで管理され、スライドショーもLightroomの機能を用いて表示される。カメラ側のプロファイルも活かせるので、カラーマッチングも容易とのことだ。
モニターでの展示となるため、静止画に加えて動画にも対応するのも特徴。プリントの必要がないため、Web上で完結するフォトコンテストの作品展示なども企画しやすい。
また写真ギャラリーへのこだわりをなくし、イラストやCGといった作品の展示も可能とした。実際に1月28日からは、「ボカロ絵師」として知られるイラストレーター「憂」による作品掲出も行なわれる(2月8日まで)。
展示作品は基本的に公募するとのこと。4月より本格的に募集が行なわれるそうだ。
もちろんショールームには、ColorEdge、FlexScan、FORISといった、コンシューマー向けのEIZO製品が並ぶ。常駐スタッフは6名で、これまで通り、購入前の製品を確認したり、疑問点を質問できるという。
一方、産業向け製品の紹介については、旧ショールームより大幅に強化された。
金融トレーディング環境展示では、実際に金融機関で使用されているマルチスクリーン環境を展示。現在EIZOでは金融機関に対し、長らく使われてきた低解像度4:3モニターを、高解像度16:9モニターに置き換える提案を行なっている。
金融機関では2×4面=8面以上の低解像度4:3モニターを利用するケースがあるとのこと。これだと縦方向へのスタックが必要となり、アームによる複雑なセッティングを要していた。そこでEIZOでは高解像度16:9モニターを縦に並べる方法を提案しているという。これならモニター4台で代替でき、アームなどのギミックも必要なくなる。
船舶市場向けや監視システム用モニターなどを対象としたDuraVisionシリーズの展示では、液晶モニターの視認性を高めるオプティカルボンディングを使用したモニターを体験できる。
オプティカルボンディングは、液晶モジュールと前面パネルの間にあった空気層の代わりに、透明な樹脂を封入する技術。反射を低減する効果があることから、明るい状況で使用する船舶市場向けモニターなどを想定している。EIZOでは本社工場内に、その加工設備を設けたことを1月8日に発表した。
メディカル市場向けのRadiForceシリーズについては、スイッチャー(信号配信システム)などモニター以外のソリューションを紹介している。
こうした特定産業向けの製品を紹介することで、EIZO製品の技術的なバックグラウンドを説明。ブランドイメージ強化にもつながりそうだ。
EIZOの歴史を年表形式で紹介したコーナーも面白い。かつてはスペースインベーダーの筐体内のモニターを手がけていたりと、あまり知られていないOEM製品の歴史が紹介されている。
- EIZOガレリア銀座
- ・住所:東京都中央区銀座7-3-7
- ・営業時間:10時〜18時30分
- ・定休日:日曜日・月曜日・祝日(イベントなど例外もあり)