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ニコン、“レンズの味”と“収差”の関係を解明へ

独自の計測装置と画像シミュレーターの連携で

 ニコンは17日、カメラ用交換レンズのすべての収差を測定できる計測装置「OPTIA」と画像シミュレーターの連携運用を開始したと発表した。評判の高い同社製レンズの収差を計測することで、「“レンズの味”と収差の対応関係を明らかにできる」という。

 デジタル一眼レフカメラ用、およびNikon 1用レンズの開発に導入する。

 OPTIA(Optical Performance and Total Image Analyzer)は、同社の半導体露光装置用に開発した収差計測手法をカメラ用レンズ向けに展開、発展させたもの。カメラ用レンズは、半導体露光装置用レンズに比べて波長域が広く収差の量も多いが、新開発の計測センサーを採用することで対応した。

 OPTIAのハードウェアは2012年5月に完成していたが、このほどOPTIAと同時に開発していた画像シミュレーター(ソフトウェア)と連携しての運用を開始した。

 画像シミュレーターは、レンズを試作して実写するのと同等のシミュレーションが設計段階で可能になるため、OPTIAで明らかになるレンズの味と収差の対応関係を使うことで、解像力だけでなくレンズの味とされる「ボケ味」、「質感」、「奥行き感」といった特性をコントロールしたレンズの開発が可能になるとする。

(本誌:武石修)