富士フイルム、“ハイキーモード”を搭載した新「チェキ」

〜「チェキを知らない」世代向け。青文字系雑誌モデルを起用

 富士フイルムは、ハイキーモードを搭載した「instax mini 8 チェキ」を11月9日に発売する。価格はオープン。店頭予想価格は8,000円前後の見込み。



 インスタントフィルムカメラ「チェキ」シリーズの新製品。チェキを知らない10〜20代の女性をターゲットしたという。

 従来モデルよりカラーバリエーションを増やし、ホワイト、ブラック、ピンク、ブルー、イエローの5色を導入初期からラインナップ。シリーズ最多のバリエーションを誇る。



 若い女性でも扱いやすいように、本体を従来機種よりも小型軽量としたのも特徴。外形寸法は116×118.3×68.2mm、質量は307g(電池、ストラップ、フィルム別)。

 また、ストラップ取り付け部をボディ両側に設けることで、ネックストラップが使える。従来のチェキは、片方にしかストラップ取り付け部がなかった。

 機能面では、従来ボディ上面にあった明るさ調整ダイヤルを、レンズ鏡胴の根元に配置。ネックストラップとあわせて「カメラマン気分が楽しめる」という。

 明るさ調整ダイヤルは、絞りを調整をするもの。チェキはシャッター速度が1/60秒に固定されており、明るさ調整ダイヤルで「屋内・夜間」(F12.7)、「曇り・日陰」(F16)、「晴れ・薄曇」(F22)、「快晴」(F32)を切替えられる。なお、露光時は必ずストロボが発光する。

 新製品では、明るさ調整ダイヤルに、絞りをさらに2/3段開ける「ハイキーモード」を搭載。女性ユーザーが好むハイキー調の写真をもたらすという。


レンズ根元に移動した明るさ調整ダイヤル。右端がハイキーモード上面はフィルム出口だけになり、すっきりした

チェキ伝統のinstax miniフィルムを使用。背面カバーを開けてカートリッジを装填する

 インスタントフィルムを使うinstaxシステムは、もともと特徴的な色再現、階調表現、輪郭描写が得られることで知られる。加えてハイキー調の写真が簡単に撮れることで、若い女性によりアピールできるのでは、という考えだ。

 そこで10〜20代の女性に訴求するため、“青文字系雑誌”で活躍中のモデル5名をメインビジュアルに起用。9月12日に行なわれた発表会では、5名がそれぞれ5色のチェキに合わせたファッションで登場し、会場を沸かせた。


青文字系雑誌のモデルを起用。メインビジュアルもチェキで撮影された。特設サイトはこちら

発表会に駆けつけたモデル5名とフォトグラファー米原康正氏。モデルは左から瀬戸あゆみさん、Unaさん、青柳文子さん、ゆらさん、武智志穂さん

原宿竹下通りJOL HARAJUKUなどに、チェキの限定ショップがオープンする予定イベントHARAJUKU KAWAII!!には、米原氏とモデル5名が参加する

 チェキの歴史は、1998年の初代機「instax mini 10」から始まる。カードサイズ(プリントサイズは86×54mm)のインスタントフィルムを使用するシステムで、若者を中心に当時一大ブームを巻き起こした。その後毎年のように新製品が投入された時期が続く。


初代instax mini 10

 デジタルカメラが台頭した2005年以降は、輸出を中心に拡大。特に中国や韓国を中心としたアジアで人気で、コスメショップ、ドラッグストア、携帯電話ショップなど、若者が立ち寄る場所での販売や、ブライダル関連での利用が拡大しているという。上海ではチェキ専門店の旗艦店もオープンした。


日本でのブームが過ぎた後も、アジアなど海外で盛り上がりが続いている上海にはチェキ専門店の旗艦店舗

 2008年に登場した「instax mini 7S」は、カメラ女子をターゲットとして本体およびパッケージのイメージを一新。チェキ独特の雰囲気ある写真が改めて人気となった。さらに2010年にはピアノブラック塗装の高級機「instax mini 50S」が投入されている。


カメラ女子向けのinstax mini 7Sを投入

 2012年現在、チェキの既存ユーザーは、カメラ女子とパーティーユーザーがメイン。加えて今後、富士フイルムでは子育てママ層と10〜20代の女性に積極的なアピールを行なう。

 そのうちパーティーユーザーへは、これからのハロウィンシーズン向けに、「チェキmini 25オレンジフィルムセット」を9月20日に発売。オレンジの本体に、フィルムの縁がカラフルな「instax mini Rainbow」が同梱される。価格はオープン。店頭予想価格は1万円前後の見込み。


チェキmini 25オレンジフィルムセット。ハロウィンを意識したという

 かつての第一次チェキブームを経験した世代が中心となる子育てママ層へは、「チェキBaby BOX」を9月20日に発売する。価格はオープン。店頭予想価格は1万3,000円前後の見込み。

 赤ちゃんを1日1枚チェキで撮って残すというコンセプトの商品で、本体(instax mini 25)、フィルム、アルバムがセットになっている。生まれてから何日目にあたるかを示す「チェキ365シール」も同梱され、1日1枚赤ちゃんの写真を撮り、シールを貼ることで、毎日の成長記録を残せる仕組みになっている。


チェキBaby BOX。赤と青の2色が用意される。赤ちゃんの成長記録をチェキで残せる

(本誌:折本幸治)

2012/9/13 00:00