広瀬敦司写真展「東京の里山 狭山丘陵の四季」(オリンパスギャラリー東京)


(c)広瀬敦司

 多摩地区には武蔵野の雑木林が広大な範囲にありました。雑木林のクヌギやコナラは燃料に使ったり、落ち葉を堆肥にするなど、生活の為に利用する存在でした。しかし本来の里山としての役割を終えた現在は、宅地化が進み雑木林も少なくなり、広大な範囲で残っている雑木林は狭山丘陵だけとなりました。
 国木田独歩の「武蔵野」に、武蔵野に散歩する人は、道に迷うことを苦にしてはならないとあります。その言葉を実践して撮影を進めていくと狭山丘陵は雑木林だけではなく、湿地や、川や、田んぼなど、地元の自分が今まで知らなかった表情を見せてくれました。雑木林は、世界自然遺産に指定されるような自然とは違い、人が手を入れて維持される自然環境であることや、先人は伐採した雑木林の切り株から出た芽を育てて木を再生させて繰り返し利用し、再生可能エネルギーとして使用してきたことなど、狭山丘陵の撮影をきっかけに学ぶことができました。
 東京に残る貴重な自然遺産「里山」を未来へ守り伝えればと願い撮影を続けてきました。

出展作品数:カラー 約40点
(写真展情報より引用)

  • 名称:広瀬敦司写真展「東京の里山 狭山丘陵の四季」
  • 会場:オリンパスプラザ東京ギャラリー
  • 住所:東京都千代田区神田小川町1-3-1 NBF小川町ビル
  • 会期:2012年4月26日〜2012年5月2日
  • 時間:10時〜18時(最終日は15時まで)
  • 休館:日曜・祝日

(本誌:鈴木誠)

2012/4/12 16:36