スライドショーイベント「PHOTOGRAPHERS SUMMIT 8」が開催


 スライドショーイベント「PHOTOGRAPHERS SUMMIT 8」が17日、東京・渋谷のライブホール「O-EAST」で開催された。

 写真家による作品のプレゼンテーションや、来場者同士の交流を目的としたイベント。主宰はフォトグラファーの山田敦士氏。毎回、協賛企業による公募企画を行なうほか、ポートフォリオを閲覧できるコーナーや物販コーナーなどを展開している。8回目のテーマは「PHOTOGRAPHY is Communication」。

会場の様子メイン司会を務めた写真家のPHOTOGRAPHER HAL氏(左)と、新宿眼科画廊ディレクターの田中ちえこ氏(右)

 写真家によるプレゼンテーションは、プロジェクターで写真をスクリーンに投影し、1人5分の持ち時間の中で、自身の作品について紹介する趣旨。プレゼンテーション写真家は、横木安良夫氏、大和田良氏、清水哲朗氏、鈴木心氏、PHOTOGRAPHER HAL氏、クロダミサト氏、青山裕企氏、小林紀晴氏(登壇順)。

横木安良夫氏先にテーマを持たず、自身の潜在意識に響いたものをまとめた作品「レンズの一瞥」をプレゼンした
大和田良氏盆栽をテーマとした作品集「FORM」。「日本的なものとは何か」との疑問を出発点とし、「松」をモチーフに選んだという
清水哲朗氏モンゴルの日常を捉えた作品「イネーフ」。鑑賞者の意識をキャプションにより誘導する試みを行なった。ちなみにこの画像のキャプションは「鉄馬は疲れないからいい」
鈴木心氏「日常とは何か」をコンセプトとした作品のスライドショーを上映。自身が取り組んでいる「写真を仕事にする」ワークショップなどの活動も紹介した
PHOTOGRAPHER HAL氏は、カップルを真空パックした作品「Flesh Love」を紹介
クロダミサト氏(右)は、「コスプレあっしゅ」のモデルをつとめたルームメイトのあっしゅ氏(左)と登壇「コスプレあっしゅ」と「沙和子」を紹介。作品集「コスプレあっしゅ Vol.2」は、PHOTOGRAPHERS SUMMITで45部のみ限定販売された
青山裕企氏作品集「ソラリーマン」、「SCHOOL GIRL COMPLEX」、「COCOON」を紹介。「個性」、「記号」、「日常」をキーワードとした作品作りに取り組んでいる
小林紀晴氏自身の故郷でもある長野・諏訪の御柱祭をテーマとした作品をプレゼンした

 リコーの協賛により、2010年12月から2011年1月にかけて作品を募集していた公募企画「旅するGR」の結果発表も行なった。

「旅するGR」コーナーロゴ。写真と文章により「旅」をイメージさせる紀行作品を募ったコーナー司会を務めた写真家の水谷充氏

 同企画は、応募期間中、特設サイトにて「旅」をイメージさせる作品を募るもの。応募作品はPHOTOGRAPHERS SUMMIT実行委員会が審査し、グランプリおよび優秀賞を受賞した参加者には、GR DIGITAL IIIをそれぞれ贈呈した。

 また、グランプリ受賞者のみ副賞の旅行補助費5万円を手に、GR DIGITAL IIIを持って旅に出発し、撮影した作品を会場で発表する。

 グランプリを受賞したのは三上穣氏。限られた期間の中、ペルーとボリビアを旅して撮影したという。街の風景やそこに暮らす人々を中心としたスナップ作品を披露した。

 選考にあたっては、写真自体の評価のほか、企画にかける意気込みを記入したコメント欄の文章を加味して選んだという。「写真に対する情熱や作品をトータルバランスで見たときに、文章と写真とを突き合わせて『おお』と思わせるものが最終的に残りました」(水谷氏)

「旅するGR」グランプリを受賞した三上穣氏リコーパーソナルマルチメディアカンパニープレジデントの湯浅一弘氏
受賞作品の一部。撮影地はペルーとボリビア

 三上氏にとって旅とは、「“日常”や“あたりまえ”とはなんなのか」を気付かされるものだという。「これから先、一体何ができるのか、といったことを考えさせられました」と今回の旅を振り返った。

 表彰はリコーパーソナルマルチメディアカンパニープレジデントの湯浅一弘氏が行なった。湯浅氏は総評の中で「感動的でした。昔を懐かしむとか、知らないところにふらっと行くとか、そういったときにGRを持って行っていただいて、写真を撮っていただければと思います」とコメントした。

「『旅』は、やむにやまれぬ理由があって行くという行動だと思います。それは例えば、そこに行かなければいけない何かや、行かなければ変われない自分とか、人それぞれの理由がある。そこが旅行との違い」(水谷氏)

 公募とは別に、写真家のインベカヲリ氏と牧野智晃氏によるレポートも実施。インベカヲリ氏は香港、牧野氏は八丈島をそれぞれ撮影した。

インベカヲリ氏(左)と牧野智晃氏(右)動画とテロップをまじえて、香港の風景をスナップしたインベカヲリ氏の作品の一部
八丈島の各地を回った牧野氏の作品の一部。「旅は通過点」と話した
マンフロットは会場内にブースを設置していた。三脚やカメラバッグなどを試せたほか、ノベルティグッズの配布を実施物販コーナーでは、写真集やカメラ関係小物の販売を行なっていた。サイン入りの会場限定品なども見られた
恒例のポートフォリオコーナーは今回も盛況だったPHOTOGRAPHERS SUMMITから派生して生まれた「SHUTTER magazine」のVol.2を夏に発売予定という。

 次回の開催については、決定次第発表するという。




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2011/5/19 13:46