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【CP+2016】オリエンタルのモノクロフィルムが新発売

“既存の有名ブランドより安価に”

サイバーグラフィックスのブースでは、イルフォード、ケントメア、オリエンタル、パターソンの感材および暗室用品が展示されていた。

注目は、2月24日に発売されたオリエンタルのモノクロフィルムだ。ISO100の「ニューシーガル100」、ISO400の「ニューシーガル400」がある。どちらもトラディショナルタイプで、同社が扱うイルフォードのID-11をはじめ、コダックD-76など一般的な現像液が使えるという。

ニューシーガル400

現像時間の記載から一例を引用すると、ID-11およびD-76の原液でニューシーガル100は20度・9分。同1:1希釈の場合、ニューシーガル400は20度・14分とされている。

価格設定は、有名ブランドのそれより安いことを重視しているという。また、パッケージに英語と日本語で現像時間等を併記しているのも、学生が使う場合などに重要視されるポイントだという。

ニューシーガル100は、量販店での税込実勢価格が650円(1本)、1,730円(3本パック)。参考までに富士フイルムのネオパンACROS 100が同680円、1,760円前後だ。

ニューシーガル100

ニューシーガル400は、量販店での税込実勢価格が800円(1本)。同じISO400のトラディショナルタイプで比較すると、コダックTri-Xが同940円前後、イルフォードHP5 PLUSが1,010円前後。

どちらも10本パックを今後発売予定だという。また、現在は135の36枚撮りしか用意がないが、120サイズへの要望も多くあるとしていた。

わずか数年の間に銀塩モノクロ界隈では、国産のISO400フィルムがなくなり、コダックTri-Xの大幅な値上がりが行われ、それに比べれば安価だったイルフォードも値上げされ、ついにISO100が残っていた国産の富士フイルムも平均20%の値上げを発表するなど、銘柄が減るだけでなく、ランニングコスト的にも大打撃を受けている。

あまりの値上げ幅に海外から長巻きを輸入してフィルムローダーで詰め替えている強者もいるが、デジタルで入門してフィルムにステップアップする若いユーザーなどにとっては、店頭でそこそこの価格で買えるモノクロフィルムの存在は心強いはずだ。

ブースにあったニューシーガルのパッケージには「Made in UK」と記載。サンプルのフィルムを手にしたところ、同社が扱うイルフォードおよびケントメアで使われているものと同じと見られる黒いパトローネケースだった。

同社が扱う製品を用いた作品を展示している

(本誌:鈴木誠)