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FUJIFILM X-T1のファームウェアVer.4.00が予告

AF強化。動体予測、オートマクロ、瞳AF追加など

富士フイルムは5月11日、「FUJIFILM X-T1」の最新ファームウェアを6月下旬に公開予定と発表した。

動体撮影への要望に応える新AFシステムの搭載や、操作性の向上を特徴とする大規模なアップデート。X-T1および同グラファイトシルバーエディションのユーザーに無償提供する。

現時点でアナウンスされているVer.4.00の主な更新内容は、以下の通り。

動体向けの「ゾーン」、「ワイド/トラッキング」が追加

従来の49点「シングルポイント」に加え、全77点のAFエリアを用いた「ゾーン」、「ワイド/トラッキング」を追加。動体撮影性能を向上した。

「ゾーン」使用時は、全77点のうち任意位置に3×3、5×3、5×5の広いAFエリアを設定可能。5×5を除く像面位相差AFが利用可能なゾーン設定では、最大8コマ/秒のAF追従連写ができる。

「ワイド/トラッキング」は、画角を固定した状態での撮影を意識。全77点から合焦エリアを表示するワイドと、任意の1点で捉えた被写体を全77点で追従するトラッキング(AF-C使用時)から成る。被写体が画面内の上下左右に動いたり、カメラに対して近づいたり遠ざかったりする場合にも追従可能としている。

像面位相差AFエリア以外でのAF追従連写は、3コマ/秒になる。

AF精度の改善。像面位相差の暗所対応も拡大

シングルポイントのフォーカスエリア内を更に分割し、被写体までの距離を加味してより高精度なピント合わせを可能とした。

また、像面位相差AFをより暗いシーンでも使えるよう改善。明るさの追従範囲を、従来の最低2.5EVから0.5EVまで拡大した。

「瞳AF」を搭載

明るいレンズを用いたポートレート撮影など、ピント合わせが難しいシーンでも手軽に瞳にピントを合わせられるという。オート、右目優先、左目優先から選べる。

「オートマクロ」搭載。マクロボタン操作が不要に

新アルゴリズムで平均10%のAF高速化が実現したことから、切り替え不要の「オートマクロ」モードを搭載。

被写体までの距離に応じて、自動でマクロモードに切り替わる。マクロボタンの操作が不要になるため、Fn3ボタンとして他のファンクション機能を割り当てられるようになる。

動画モードのAF改善

アルゴリズム最適化により、自然でスムーズなAFを実現。従来は撮影画像にウォブリング(AF動作に伴うピントの前後動)が見えるシーンがあったが、新バージョンでは安定するという。

操作性向上

下記4点が予告されている。

  • タイム(T)撮影時に、コマンドダイヤルで操作できるシャッタースピードの範囲を30秒〜1/32,000秒(シャッター方式「メカニカル+電子」の全域)に拡大。従来は30秒〜2秒
  • マニュアル露出+ISOオート時に、露出補正ダイヤルで露出補正を可能とした
  • フレーミングガイドを細線化し、被写体視認性を向上
  • 「マナーモード」の名称を「電子音&フラッシュOFF」に変更。電子音だけでなくストロボ発光もオフになる旨をわかりやすくするため

FUJIFILM X-T1は、XマウントのEVF内蔵ミラーレスカメラ。発売は2014年2月(ブラック)、2014年11月(グラファイトシルバー)。実勢価格はブラックが税込15万3,900円前後、グラファイトシルバーが税込17万7,660円前後。

同社はX-T1向けの大規模アップデートとして、操作性改善をメインとしたファームウェアVer.3.00を2014年12月に提供している。

(本誌:鈴木誠)