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「FUJIFILM X-T1」新製品体験イベントが開催

赤城耕一氏のトークイベントも

 富士フイルムは、ミラーレスカメラの新製品「FUJIFILM X-T1」の新製品体験イベント「X-Photographers × X-Lovers Festival」を5都市で開催する。ここでは初日となる2月1日に東京で行われた同イベントの模様をお伝えする。

FUJIFILM X-T1

 今後は、東京会場(2月8日・9日)、大阪会場(2月8日)、名古屋会場(2月9日)、札幌会場(2月23日)、福岡会場(2月23日)で行なう。トークイベントに参加するにはWebからの事前登録が必要。

開場直後から体験コーナーが賑わった。

 X-T1は同社が2月15日に発売するEVF内蔵のミラーレスカメラ。体験コーナーでは多く来場者がEVFを覗いて撮影を試していた。来場者の中には同社製ミラーレスカメラを手にした人も多く、また他社のフルサイズ機などを提げた人の姿も見られた。

 2月1日・2日の東京会場(東京ミッドタウンのフジフイルムスクエア)ではトークイベントの予約が満席になるという盛況具合で、多くのカメラ愛好家の注目を集めているようだった。

 体験コーナーには12台のX-T1が並び、思い思いに操作を試していた。2月22日発売の大口径中望遠レンズ「XF 56mm F1.2 R」も試すことができ、多くの来場者がX-T1に装着して撮影していた。今回のイベントでは撮影画像の持ち帰りはできない。

XF 56mm F1.2 Rも試せる。35mm判換算で85mm相当になる“ポートレートレンズ”。

 トークショーでは写真家の赤城耕一氏と富士フイルム 光学電子映像事業部の上野隆氏(X-T1の商品企画を担当)が対談し、X-T1の魅力を語った。

赤城耕一氏(左)と上野隆氏(右)。

 上野氏によると、赤城氏はFUJIFILM X-Pro1の時からXシリーズのユーザーで、今回X-T1の試し撮りをお願いしたとのこと。

 赤城氏はX-T1の印象を「小さい、速い、美しいの3つを挙げたい。X-Pro1より凝縮された美しいカメラ」と評価した。

 赤城氏はまずファインダーの見やすさに触れた。アイピースが丸形であることやゴムでメガネ使用者に優しいところなどが気に入ったという。また、ファインダー倍率が高いのもX-T1の特徴で、「素敵なファインダー。MF時代のカメラの大きなファインダーを思い出す」(赤城氏)とした。

世界最大というファインダー倍率をアピール。
カメラを縦位置にするとパラメーター表示も縦位置に対応する。

 ファインダーでは、縦位置にするとEVFの表示も縦位置に合わせた表示になる機能も備える。「感動した。今までなぜこういうものが無かったのかと。縦位置の写真が多くなりそう」(赤城氏)。

 X-T1ではレスポンスの良さも訴求している。「EVFの表示はほとんど遅延が無い。シャッターもすぱっと落ちる。ファームアップしたX-Pro1をさらに上回るレスポンス」(赤城氏)と評した。

EVFは世界最短のタイムラグを謳う。
連写は8コマ/秒。

 懐かしさを感じる疑似ペンタ部のデザインもX-T1のポイントの1つ。赤城氏は、「最初、むかし京都のメーカーが作っていたカメラのデザインに似ていると思った」と話し会場を沸かせた。以前はミラーレスカメラでレンズ光軸の上にEVFがあるカメラに否定的だったという赤城氏だが、改めてX-T1を使ってみてEVFが覗きやすくこの配置を見直したとのことだった。

同社がかつて作っていた銀塩カメラ「FUJICA ST801」を見せながら話す赤城氏。

 疑似ペンタ部のデザインについて上野氏は、「この台形は必然の形。三角形のデザインもあるが、ここにはEVFを始めいろいろなデバイスが詰まっており三角形にはできなかった。」と説明した。

 X-T1は上部に感度、シャッター速度、露出補正のダイヤルを備えるが、赤城氏は「ダイヤルの感触も素晴らしい」と褒めた。X-T1は防塵防滴のため、上野氏によると本来はパッキンなどのせいでフィーリングは悪くなるものだという。そこを防塵防滴を達成しながらXシリーズユーザーの求めるフィーリングを実現したと話した。

 防塵防滴対応のレンズについて正式発表はまだ無いが、会場ではロードマップに存在する「XF 16-55mm F2.8 R LM OIS WR」、「XF 18-135mm F3.5-5.6 R LM OIS WR」、「XF 50-140mm F2.8 R OIS WR」の3本を防塵防滴対応のレンズと紹介した。いずれも2014年中に発売される予定。

左からXF 16-55mm F2.8 R LM OIS WR、XF 18-135mm F3.5-5.6 R LM OIS WR、XF 50-140mm F2.8 R OIS WR(いずれもモックアップ。以下同)。
XF 16-55mm F2.8 R LM OIS WR
XF 18-135mm F3.5-5.6 R LM OIS WR
XF 50-140mm F2.8 R OIS WR

 X-T1の撮像素子はAPS-Cサイズ。赤城氏は「X-T1は、デジタル専用の良いところが現れている。APS-Cサイズにすることで、小形軽量という携行性の良さがある。色や階調の再現性は、条件によってはフルサイズを超える部分もある」とした。

 赤城氏がX-T1で撮影した作品ではISO6400で撮影した写真もあり、上野氏は「言われるまではISO6400で撮影したとは気づかなかった」と話した。赤城氏も「高感度が良い。ノイズが少なく、こうなるとフルサイズの優位性の説得力が無くなるのではないか」と述べた。

 続いて、赤城氏が新レンズのXF 56mm F1.2 Rで撮影した作品を披露した。「小さくて良くできている。絞り開放からバキッとくる。普通、大口径レンズはおまじないのように1/3段くらい絞ることがあるが、このレンズは絞り込みの必要はない」(赤城氏)とした。

XF 56mm F1.2 R
X-T1に装着したところ。

 写りに関しては、「F1.2にしては余裕のある描写。フレアーも少ない。逆光でも高い性能」(赤城氏)とした。

会場にはX-T1で撮影した三畳程の大きさのプリントを展示した。

(本誌:武石修)