カシオ「QV-10」が国立科学博物館の未来技術遺産に登録
独立行政法人 国立科学博物館は4日、2012年度の「重要科学技術史資料」(未来技術遺産)にカシオのデジタルカメラ「QV-10」など21の製品(技術)を登録したと発表した。
QV-10 |
未来技術遺産は、科学技術史資料のうち「科学技術の発達上重要な成果を示し、次世代に継承していく上で重要な意義を持つもの」や「国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えたもの」に該当するものを登録している制度。2012年度のカメラ関連の登録はQV-10のみだった。
QV-10はカシオ1995年に発売したコンパクトデジタルカメラ。選定理由は、「世界で初めてカラー液晶モニターを搭載しながらも、機能を最小限に絞ったことで当時としては破格の6万5,000円で販売された。撮った画像をその場で確認できる操作性から爆発的ヒット商品となり、デジタルカメラが普及するきっかけになった」こと。
国立科学博物館では、「国際的に見て日本の科学技術発展の独自性を示すと同時に、銀塩からデジタルへとカメラ文化の転換点をになった重要な事象を示すもの」と評価した。
カシオが1991年に製作したデジタルカメラの試作機「DC-90」(愛称:熱子、重子)も2009年度の未来技術遺産に登録されている。同館によれば、DC-90は現在の液晶モニター付デジタルカメラのもとになったとされる。
国立科学博物館では、関連展示「第5回 未来技術遺産 登録パネル展」を9月11日~11月4日に上野本館で開催する。
2012/9/4 18:02