タムロン、60周年記念プロジェクトの写真展がオープン

~田沼武能氏「火花が飛び散る傑作がずらり」

 タムロンは5日、60周年記念プロジェクト ―Eternity at a Moment― 写真家60人の「瞬間と永遠」の写真展をオープンした。ここではオープニングパーティのもようなどをお伝えする。

  • 名称:―Eternity at a Moment― 写真家60人の「瞬間と永遠」
  • 会場:3331 Arts Chiyoda
  • 住所:東京都千代田区外神田6-11-14
  • 会期:2011年10月5日~2011年10月11日
  • 時間:12時~19時(入場は閉場の30分前まで)
  • 入場:無料

 なお10月8日~10月10日には、参加写真家によるトークショーを実施する。各回とも定員は50名で、WebサイトまたはFAXでの予約が必要。会場は3331Arts Chiyoda 1F コミュニティースペース。スケジュールは以下の通り(敬称略)。

  • 10月8日:阿部秀之(14時~15時30分)、魚住誠一×石井寛子(17時~18時30分)
  • 10月9日:ハービー・山口(14時~15時30分)、有元伸也×中藤毅彦(17時~18時30分)
  • 10月10日:中里和人(14時~15時30分)、飯田鉄×大西みつぐ(17時~18時30分)
会場の3331 Arts Chiyoda入り口

 同展はタムロンが2010年11月1日に創業60周年を迎えたのを記念して、リアルの場で行なう写真展。60人の写真家が、同社の高倍率ズームレンズ「18-270mm F3.5-6.3 Di II VC PZD」(B008)で撮り下ろした作品を展示する。

 今回のために撮り下ろした作品はスペシャルサイトでも公開(1人5点前後)しているが、写真展の会場ではWebサイトに掲載されている作品から1人2点を選んで展示した。60人もの写真家の作品を一同に見ることができる写真展は比較的珍しいと思われる。全体では121点(3点を展示している写真家が1人いるため)の作品があり、見応えのある写真展となっている。

会場内の様子
撮影に使用された18-270mm F3.5-6.3 Di II VC PZDもケース内だが展示されていた
参加写真家のプロフィールも用意した各カメラ誌に掲載された18-270mm F3.5-6.3 Di II VC PZDの記事を閲覧できる
会場ではカタログの他、60周年の歩みを記した小冊子(右)やタムロンのカンパニーガイドがもらえる

「素晴らしい作品が集まった」とタムロン小野社長

 同会場では、参加写真家や関係者を集めたオープニングセレモニーを同日に開催。冒頭にタムロン代表取締役社長の小野守男氏が挨拶した。

タムロン代表取締役社長の小野守男氏

 小野氏は、「タムロンは昨年11月1日に創業60周年を迎えることができた。多数の皆様のお力添えのたまものと感謝している。昨年はまず、支えてくれた社員をねぎらうためにディズニーランドのシルクドソレイユを借り切った。青森工場からも新幹線4列車を借り切り、海外からも幹部を集めて総勢2,100人でイベントを行なった。この結果、会社の力が1つにまとまったと感じている。60周年の締めくくりとして、マーケティングコミュニケーション室からこの写真展の提案があった。タムロンは写真によって生かされ、成長してきた。写真に感謝したいという想いで今回のイベントの開催を決めた」と経緯を話した。

 作品については、「本当に今を写し撮った、想いとメッセージのこもった素晴らしい作品が集まった。ゆっくりと見て欲しい」(小野氏)とコメントした。

 なおタムロンは同日、今回のプロジェクトに関連して東日本大震災被害への追加義援金を拠出することを決定した。日本赤十字社を通じて1,000万円を拠出する。同社は3月に1,500万円の義援金を拠出していた。

 オープニングセレモニーには、60名の参加写真家のうち44名が出席。その中から、参加写真家代表として田沼武能氏が挨拶した。「皆さんの作品が並べられるとあって、それぞれが張り切っているのがよくわかる。会場を回ると、写真から火花が飛び交っているような傑作がずらっと並んでいる」と話した。

田沼武能氏

 また、田沼氏が会長を務める公益社団法人日本写真家協会(JPS)の活動にも触れた。

 「JPSも昨年60周年を迎え、公益事業に携わっている。今JPSでは、戦後の写真フィルムを保存するセンターを文化庁と力を合わせて創っている。映画フィルムを保存している相模原のフィルムセンターで我々のために4部屋を開けてもらえる目処が立っている。皆さんに支援団体になって欲しいと考えているうちに、3.11が起きてしまった。それ以来チャリティー写真展や、チェルノブイリに関する映画の上映などを行なってきたが、そろそろフィルム保存の話しをしてもいいのではないかと思っている。JPSのためというわけではなく写真界のためにやっている。写真は過去のことを写すことはできない。捨ててしまったらおしまい。皆さんのご支援を頂きたいと思います。東日本大震災を支援する今後のイベントも考えている」(田沼氏)

 今回のプロジェクトを企画したタムロン執行役員 広報宣伝室 室長の千代田路子氏は、「今回、それぞれの写真家の“瞬間と永遠”というテーマで引き寄せてもらい素晴らしい作品を頂いた。作品を見るそれぞれの方が素晴らしい体験をするのではないかと思う。テーマはいろいろ考えたが、最後に残ったのは“瞬間と永遠”と“縁”だった。この活動を通して貴重な縁を得られた。今までの縁を深められ、また新しい縁もあった。シームレスに世界に縁を広げていきたい。70周年には、世界の70人の写真家によるプロジェクトを企画したい」と述べた。

タムロン執行役員 広報宣伝室 室長の千代田路子氏写真展に合わせて海外拠点のマネージャーも来日。タムロン上海のキン氏(中央)は、「この美しさと感動を中国で6億人に伝えたいと思った」と感想を話した

 今回のプロジェクトは国内のみならず、グローバルサイトで12カ国語で公開している。これまでに112カ国からアクセスがあったという。

オープニングセレモニーではオリジナルのどら焼きが配られた。ハート型もあった
タムロンの本社が埼玉県さいたま市にあることから、大宮のご当地飲料だという「大宮盆栽だー!!」も振る舞った

 同写真展の参加写真家は、青木勝、青野恭典、赤城耕一、阿部秀之、有元伸也、飯田鉄、石井孝親、石川梵、今岡昌子、魚住誠一、江口愼一、榎並悦子、大西みつぐ、大和田良、岡嶋和幸、川合麻紀、木村惠一、熊切圭介、小澤太一、小林義明、小松健一、齋藤康一、佐藤仁重、鹿野貴司、清水哲朗、新藤健一、諏訪光二、曽根陽一、田中希美男、田沼武能、塚原琢哉、土屋勝義、テラウチマサト、豊田直之、中井精也、中里和人、中谷吉隆、中藤毅彦、並木隆、新美敬子、西平英生、ハービー・山口、萩原史郎、秦達夫、hana、広田尚敬、広田泉、深澤武、藤井智弘、ホンマタカシ、前川貴行、水谷たかひと、水谷充、桃井一至、矢野直美、山田敦士、横木安良夫、吉田繁、吉野信、渡部さとる(敬称略)。




(本誌:武石修)

2011/10/5 18:29