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動画機材イベントに700万円のEFマウント対応カメラが展示

〜EFレンズの絞りリング追加サービスなども

 動画機材の体験イベント「Motion Equipment Exibition」が1日と2日に、都内で開催された。本記事では、主にデジタルカメラで動画を撮影する際のアクセサリーなどを採りあげる。

 ライトアップが主催し、カメラメーカー、アクセサリーメーカー、輸入商社など18社が出展した。イベントのテーマは「ボーダーレス」。ライトアップでは、動画分野とスチルカメラ分野の垣根を取り払い、ユーザーがさまざまな機材を体験できる場を提供するのが目的だとする。

会場の様子 動画に関するセミナーも行なっていた

西華産業

 米レッドデジタルシネマの新型デジタルシネマカメラ「EPIC」(エピック)のデモを行なっていた。

EPIC(プリプロダクトモデル)。デジタル一眼レフカメラのようなグリップにシャッターボタンも備える。展示機はPLマウント仕様 グリップ部分にはコントロールダイヤルも付く

 EPICはレッドデジタルシネマが「DSMC」(デジタル スチル モーション カメラ)と呼ぶコンセプトの製品。映画やCM撮影用のカメラだが、デジタル一眼レフカメラのようなグリップを装着して静止画を撮影できるのも特徴。レンズマウントはPLマウントのほか、EFマウントも用意する。

 「ブレイン」と呼ばれる本体部分、グリップ、液晶モニター、記録部などのパーツを合わせたセットで700万円程度という(レンズ別)。センサーは1,400万画素でAPS-Hサイズの「MYSTERIUM-X」。5Kで120fps、2Kで300fpsのハイスピード動画も撮影できる。HDR機能を使えば18段分のダイナミックレンジを表現できるという。

 新規顧客向けの販売はまだ開始していない。開発発表時から発売が遅れていたが、9月からはまず既存のデジタルシネマカメラ「RED ONE」のオーナー向けに供給を始める予定だという。2012年4月頃には一般発売を開始するとしている。今回の展示機はプリプロダクトモデルの「EPIC-M」で、製品版は「EPIC-X」の型番になるとのこと。

記録は専用のSSDに行なう

 説明員によるとEOSムービーがH.264記録なのに対して、RAWで動画を撮影できるのがEPICの強みだという。後処理における色補正などの自由度が高いため、まずはバジェットの大きいCMなどでの利用を見込む。その後、動画も必要とする作家性のあるスチルカメラ分野にも向ける。

 「価格や性能に大きな差がありますので、EOSとは違うラインのカメラです。バジェットに応じて使い分けて欲しい。高価に感じるかも知れませんが、スチルカメラマンで中判デジタルカメラ(あるいはデジタルバック)を複数台所有するケースを考えると、こうした価格もそれほど高くはないと思います」(説明員)。

マンフロット

 8月26日に発売した動画用雲台「509HD」を展示していた。価格は9万3,450円。既存の「504HD」の上位モデルで、カウンターバランスは最大13kgまで対応する(重心高55mm時)。400mm F2.8といった超望遠レンズやアクセサリーを多数取り付けたデジタルカメラでの撮影に向くという。

カーボン三脚をセットにした509HD,536K 雲台部分。マンフロットが扱っている「ジーナス」ブランドのリグを搭載したところ

 新たに、カメラの前後位置を記憶できる「ABR」(アドバンス バランシング レコーダー)機能を搭載した。動画用雲台はカメラの前後バランスを取った状態で雲台に装着する必要があり、これまではカメラを装着する度に前後バランスを調整する必要があった。ABRはバランスが取れた状態のシュープレート位置をあらかじめ記憶させておき、再度装着する際に雲台LED表示を見ながら素早くセットアップできる。

雲台上部にABR機能を装備。写真の表示ではカメラを左側に移動させなさいという指示 あらかじめ記憶させていた位置に来ると、グリーンのLED表示で知らせる。中央の赤いボタンを押すと新たにバランスポイントをメモリーできる

 トッププレートが広く、カメラをより安定して搭載できるという独自の「ブリッジングテクノロジー」を引き続き採用した。カウンターバランスは、ゼロを含む4ポジションから選択できる。水準器にはバックライトも装備した。取り付けボール径は100mm。

 脚とバッグをセットにしたパッケージも用意する。ブースではスチル用の脚と組み合わせた「509HD,536K」を展示。価格は18万6,900円。説明員によると、13kgまで対応するカウンターバランス機構を備えたタイプで、かつカーボン三脚をセットにした製品としては他社製品に比べて安価とのこと。

 マンフロットでは、デジタル一眼レフカメラでの動画撮影には設置の自由度の高さなどからスチル用三脚を勧めているという。一般にダブルシャンクタイプはねじれに強いとされているが、説明員によると536Kのシングルパイプでもダブルシャンクタイプと遜色ないねじれ剛性があるとのこと。

ヴィンテン・ジャパン

 ヴィンテン(Vinten)の動画用三脚「Vision blue」を展示していた。4月に発売したモデルで、グランドスプレッダータイプの「VB-AP2F」とミッドスプレッダータイプの「VB-AP2M」を用意する。価格はいずれも13万5,450円で、バッグも付属する。

Vision blue。グランドスプレッダータイプのVB-AP2F 雲台部分。写真のロッドやフォローフォーカスは含まれない

 ヴィンテンは、2010年に創立100周年を迎えたイギリスの放送/業務用三脚メーカー。報道やスポーツ分野に強く、国内の放送局でも高いシェアを持つ。

 Vision blueは、ヴィンテンのローエンドモデルに当たる。カウンターバランスは最大5kgまで対応する(重心高55mm時)。小型カムコーダー向けの製品だが、デジタル一眼レフカメラの搭載にも向く。

雲台背面の回転レバーでカウンターバランスを調節する。下部のダイヤルはドラッグの強さを設定するもの 青いボタンを押すと水準器がブルーに光る

 説明員によると、独自の「LFドラッグ」で発生する滑らかな動きが売りだという。特に動画撮影で重要とされる動き始めと動き終わりの動作が優れているとのこと。ドラッグ調整は無段階に行なえるため、撮影者の好みの抵抗が得られる。

 加えて、同社が「パーフェクトバランス」(完全バランス)と呼ぶ無段階のカウンターバランス機構を備えるのも特徴。「重力を気にせずにカメラを振ることができます」(説明員)。セットの三脚はアルミ製。剛性が高く、重いドラッグを掛けてもねじれに強いという。雲台の取り付けボール径は75mm。

銀一

 2日に国内発表があった米ティッフェン(Tiffen)の「バリアブルNDフィルター」(77VND)を展示していた。5日に発売する。動画撮影時に細かな減光を行なえるとする。フィルター径は77mm品のみ用意する。

バリアブルNDフィルター

 価格は2万3,100円とケンコー製の「バリアブルNDX」より安価。ただし、減光範囲はバリアブルNDXよりも狭くなっている。

透過量を最も多くしたところ 透過量を最も少なくしたところ

 外周ガラスの径を大きくし、ケラレを防止したという。映画用フィルターと同品質のガラスを採用している。

 また銀一のブースでは、アイデンビデオトロニクス製のワイヤレス動画伝送装置「AirTUBE-Pro」も展示していた。発売は9月で、送信機と受信機のセットで20万円程度になるという。

ステディカムに装着したAirTUBE-Proの送信機 コネクターはHDMI出力(左)と電源(右)のみ
こちらは受信機。HDMI信号で出力する

 5GHz帯を使用し、免許不要で見通し約30mまでの距離で最大1,080pの動画を伝送できる。同様の一般的な製品に比べて価格を抑えたほか、1ミリ秒という低遅延を特徴とする。送信機、受信機とも映像端子はHDMI。アンテナは無指向性のため、撮影者が向きを変えても映像が途切れないという。ブースでは銀一が取り扱っている「ステディカム」に装着してデモを行なっていた。

 送信機にはベルトクリップが付いており腰に付けることもできる。電源はVマウントバッテリーなどが使用できる。放送局、スポーツ実況、ブライダル、デジタルサイネージといった分野に向ける。

KPI

 KPIとしての直近の新製品は無かったが、ケンコー・トキナーの可変NDフィルター「バリアブルNDX」(8月26日発売)を展示していた。

バリアブルNDX。82mm径と77mm径をラインナップ

 82mm径が6万8,250円、77mm径が5万7,750円と可変NDフィルターの中では比較的高価だが、減光範囲が広い上に減光効果を高めても色ズレを抑えられるという独自設計を施している。

テクニカルファーム

 キヤノンのEFレンズに、絞りリングを追加するサービス「Canon EF ZOOM TF-Virsion」を紹介していた。

絞りリングを追加したEF 70-200mm F2.8 L IS II USM。使用しているリグはテクニカルファームが扱う「MOVIEtube PR Lite」 ズームリングの手前に絞りリングを追加している。クリックストップは無い

 EFレンズは電子絞りのため絞りリングはなく、ボディ側で絞りをコントロールする。動画撮影中に本体で絞りをコントロールするのはやりにくい、との声に応えたもの。

 改造を受け付けるレンズは、「EF 16-35mm F2.8 L II USM」、「EF 24-70mm F2.8 L USM」、「EF 70-200mm F2.8 L IS II USM」の3本。改造費用はオープンプライスだが、30万円ほどという。レンズを分解して絞りリングを追加する改造になるため、メーカーの保証は受けられなくなる。

こちらはEF 16-35mm F2.8 L II USMに同様の改造を施したもの 追加した絞りリング部分

 絞りリングはクリックストップ無しのため、撮影中に無段階に明るさ(あるいは被写界深度)を可変できるようになる。併せてフォーカスリングには至近と無限円にストッパーを追加する改造も行なう。EFレンズは無限にフォーカスリングを回せてしまうため、これを防ぐもの。

 これらの改造により、シネレンズと同様なフォーカス送りや絞り操作ができるとしている。絞りリングに関しては、特にライブの撮影などで有効だという。改造にはフォローフォーカス用のギアリングも含まれる。なお改造すると、オート撮影に加えてカメラとレンズ間の通信ができなくなる。

ナックイメージテクノロジー

 映画撮影用カメラで知られるドイツARRIのリグシステム「Truly Cinematic」を展示していた。

Truly Cinematicシリーズのマットボックス、フォローフォーカス、ベースプレートなどをセットしたところ

 マットボックス、フォローフォーカス、ベースプレートなどを必要に応じてシステムアップできるシリーズ。レンズとマットボックスを接続する際にレンズのフィルターネジを利用できるようにするなど、スチルレンズでの利用も考慮しているのが特徴。

 マットボックスは金属製。「とにかく頑丈です」(説明員)という造りの良さをアピールしていた。価格はマットボックス、フォローフォーカス、ベースプレートを合わせて20万円程とのこと。ARRIブランドとしては安価なシリーズのため、ハイアマチュアにも向けるという。

マットボックスには4×4インチなどのフィルターを装着できる

駒村商会

 同社が輸入を手がけるオーストラリアのブランド「プロジブ」(PROJIB)の小型クレーンを展示していた。

PROJIB LWカメラアーム。雲台、ウエイト、三脚などは別売 駒村商会が扱っているオーストラリアのミラー(MILLER)製雲台を装着していた

 耐荷重4kgの「PROJIB LW(ライトウエイト)カメラアーム」が新製品で8月1日に発売した。価格は24万6,750円。使用するには、ラバーウエイト、三脚、雲台などが別途必要。

 プロジブでは従来耐荷重25kgの製品をリリースしていたが、今回軽量版として本機を投入した。デジタルカメラの動画撮影で、クレーン的なカメラワークが可能になる。説明員によると、なめらかな動作が特徴だという。雲台の取り付けボール径は75mmと100mmの両方に対応する。

ライトアップ

 カメラ2台を使用して3D映像を撮影するためのリグ「Redrock Micro 3D SxS」を展示していた。発売は7月。価格はスタンダード(ボックス無し)が13万3,245円、セット(ボックス有り)が14万8,155円。

カメラを装着したRedrock Micro 3D SxS ボックス無しの状態にするとデジタル一眼レフカメラなどでも使える
三脚に装着して使用可能

 2台のカメラをセットし、間隔を40cm程度までの間で調整できる装置。ボックス無しの状態にすれば、デジタルカメラでも利用可能。三脚に搭載して使用できる。

カメラの角度も調整可能 カメラの微妙な傾きも調整できる。写真は右側を持ち上げたところ。カメラの個体差を吸収することができるという

 両機の間隔調整だけでなく、カメラを内向き、外向きに調整することができる。これにより被写体が奥に行くか手前に飛び出るかを設定できる。すでに大学などへの納入実績があるという。

コメット

 LEDを使用した定常光ライト「TWINKLE LED」(16万8,000円、発売済み)用の外部バッテリー「TW-LED-BP」を出品していた。近日発売予定で、価格は未定。

TW-LED-BP CHGは充電用の端子

 TWINKLE LEDはAC電源のライトだが、外部バッテリーを使用することで屋外など電源の取れない場所で使用可能になる。バッテリーはリチウムイオン充電池を使用しており、連続点灯時間は2時間程度という。バッテリーの充電には、別売の充電器が必要。

TWINKLE LEDを点灯させたところ



(本誌:武石修)

2011/9/3 19:21