ソニー、30倍ズームの「サイバーショットDSC-HX100V」を国内発表


 ソニーは、30倍ズームレンズを搭載するコンパクトデジタルカメラ「サイバーショットDSC-HX100V」を4月8日に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は5万円前後の見込み。

サイバーショットDSC-HX100V

 2日に海外発表し、国内発売を未定としていたモデル。35mm判換算27mm相当からの30倍ズームレンズを搭載する。2009年4月に発売した「サイバーショットDSC-HX1」の後継機種。DSC-HX1は35mm判換算28-560mm相当の20倍ズームレンズを搭載していた。

 デジタル一眼レフカメラ相当という約0.1秒の高速AFも利用可能。GPSと電子コンパスも内蔵した。

 撮像素子には、同日発表の「サイバーショットDSC-HX9V」や、1月に発表したサイバーショット春モデルのCMOS採用機種と同様、有効1,620万画素の裏面照射型CMOSセンサー「Exmor R」を採用。引き続き「高感度、高画素、高速読み出し」を特徴としつつ、CCDセンサーに劣らないという画素数を実現した。ソニーによれば「既存の『Exmor R』の感度を維持して解像感を高めた」としている。

 自動シーン認識機能は、2010年夏モデルより採用する「プレミアムおまかせオート」(金色のカメラマーク)を継承。既存の自動シーン認識に加え、夜景や逆光などのシーンにおいては連写合成による最適な重ね合わせ処理を行なう点を特徴とする。

 また、2011年春モデルからは、動画撮影時のシーン認識にも対応。特にスポットライトや逆光のシーンなどで効果的とする。DSC-HX100Vのシーン認識数は、静止画が44、動画が33。いずれも撮影シーンを認識する「シーングループ」と、三脚設置や被写体の動きを認識する「コンディショングループ」を掛け合わせたシーン数となる。

 「逆光補正HDR」は、これまでオーバー露出とアンダー露出の2枚を連写合成していたが、今期モデルより適正露出の2枚を加えた3枚の連写合成となった。

 パノラマ撮影機能「スイングパノラマ」は、高解像度な「HRモード」を搭載。カメラを縦に構えてスイングすることで、10,480×4,096ピクセル(4,290万画素)のパノラマ画像を生成する。トリミング耐性に優れ、「PlayStation3」でのズーム・スクロール再生もより高画質で行なえるという。

レンズ銘は「カールツァイス・バリオゾナーT*」鏡胴に電子式リングを搭載。ズームもしくはフォーカス操作を行なえる

 動画記録機能には、2011年春モデルより追尾AFを搭載。「サイバーショットDSC-HX5V」(2010年3月発売)が搭載していた手ブレ補正機構「アクティブモード」も、上下と左右の2方向補正から、ハンディカムと同様に回転方向も加えた3方向補正となった(DSC-HX100Vおよび同時発表のDSC-HX9Vのみ)。同梱ソフトの「PMB」バージョン5.5では、60pの動画分割・結合に対応する。

 加えて、動画撮影中の静止画撮影にも対応。動画記録中にシャッターボタンを押すことで、記録画素数3M、アスペクト比16:9の静止画を同時記録できるようにした。それに伴い、シャッターボタンは撮影モードに関わらず静止画撮影専用のボタンとした。

 3D撮影機能には、1回のシャッターボタン押下で視差のある3D画像を生成する「3D静止画」を追加。高速で連写した2枚の画像の深さ情報を分析し、画像解析から3D画像を生成するというもので、「2眼式の苦手とする近接撮影も自然に行なえる」としている。記録画素数はアスペクト4:3で16M、16:9で12M。フォーマットはMPF。

 NDフィルターを内蔵。メニューからオン/オフを選択できる。

 液晶モニターはチルト式を採用。EVFにはアイセンサーを備える。本体内ガイドも利用可能。オプションで専用ケース「LCS-HG」(5,460円)を用意する。

モードダイヤル周辺・後ダイヤルを備える液晶モニターはチルト式
内蔵ストロボをポップアップしたところ
専用ケース「LCS-HG」LCS-HGの内部
製品名サイバーショットDSC-HX100V
撮像素子1/2.3型有効1,620万画素裏面照射型CMOSセンサー
レンズ27-810mm相当(35mm判換算)F2.8-5.6
手ブレ補正光学式
液晶モニターチルト式3型92.1万ドット(TruBlack)
動画記録1,920×1,080・60p・28Mbpsなど
記録メディアSDXCメモリーカードなど、メモリースティックPRO-HGデュオなど
バッテリーNP-FH50
外形寸法121.6×86.6×93.1mm
質量約577g(バッテリー、メモリーカード含む)


(本誌:鈴木誠)

2011/2/7 13:16