ギャラリー冬青、所幸則写真展「写真における新しい取り組み」時間の流れへの考察


 ギャラリー冬青は、所幸則写真展「写真における新しい取り組み」を10月1日から開催している。

(c)所幸則


 1秒と言う時間の流れを一枚の写真でどう表現するか、その考えに至ったのは写真の世界でよく用いられる瞬間と言う概念への疑問からだった。日本語的には瞬間とは点のような印象を持ちやすい言葉だと感じていたし僕もさまざまな素晴らしい写真をみてきて、時間を切り取っていると感じていた。

 しかしあるときから、1/30秒 1/125秒 1/1,000秒といえども決して点ではない事に気がついた。1万分の1秒ですら、10万分の1秒が10回集まった物であり、100万分の1秒が100回も集まった物でありどんな写真にもその中で時間の流れはあるのです。

 写真とは非常にあいまいではっきりしない物だと感じるようになっていったのです。

 人間が一番身近に感じられる時間が1秒ということもあり、ならば逆に1秒と言う枠を所幸則が決める事によって、それを見る人に見せてみようと思うようになったのです。

 このテーマは最初渋谷の街の時間の流れを表現しつつ美しく撮るというところから始まったが実はどこまでも広がりのあるテーマだという事がわかっていきました。

 今は渋谷1秒から始まって、世界の都市、人間、にいたるまで展開しています。

 今回はその序章という意味で、あらゆる都市、人物の実験的作品を見て頂きたいと思います。

 もちろん1秒露光などでは逆に時間の経過は見えにくい、所幸則が結論に至った1秒へのアプローチをご覧下さい。

 そこには見た事のない1秒の時間の世界があります。

 いままでの展示では見れなかった作品もあり、おもしろい展示にします。

(作者コメントを引用)

  • 名称:所幸則写真展「写真における新しい取り組み」時間の流れへの考察
  • 会場:ギャラリー冬青
  • 住所:東京都中野区中央5-18-20
  • 会期:2010年10月1日〜10月30日
  • 時間:11時〜19時(最終日は14時)
  • 休館日:日曜・月曜・祝日

(本誌:折本幸治)

2010/10/1 19:46