エプソン、無線LAN搭載モデルなど「カラリオ」2010年秋冬新ラインナップ
エプソンは2日、インクジェットプリンター「カラリオ」の2010年秋冬新製品を発表した。A4対応モデルのほとんどに無線LANを標準搭載。また、従来の役所広司さんに加えて、CMキャラクターに黒木メイサさんを採用した。
製品名 | 価格 | 直販価格 | 発売時期 |
EP-903F | オープンプライス | 44,980円 | 9月15日 |
EP-903A | オープンプライス | 39,980円 | 9月15日 |
EP-803A/AW | オープンプライス | 30,980円 | 9月15日 |
EP-703A | オープンプライス | 24,980円 | 9月15日 |
PX-503A | オープンプライス | 22,980円 | 9月15日 |
PX-203 | オープンプライス | 17,980円 | 10月 |
E-810 | オープンプライス | 54,980円 | 9月15日 |
E-340S/340P | オープンプライス | 17,980円 | 9月15日 |
染料インク系カラリオ・プリンターのラインナップ | 顔料インク系カラリオ・プリンターのラインナップ |
カラリオミーのラインナップ | A3・A2機などを含めた全ラインナップ |
■無線LAN設定はUSB接続だけ
A4対応のインクジェットプリンター「カラリオ・プリンター」の新製品。今回は家庭用中核モデルを中心としたリニューアルを行ない、そのすべてに無線LAN(IEEE 802.11b/g/n)を搭載。設置の自由度を向上させたと同時に、設定の簡略化にも配慮した。具体的にはパソコンとUSB接続するだけで接続設定を行なう仕組みを採用。SSID、パスフレーズといった必要情報は、パソコンでの設定履歴を再利用するという。
また、染料系インクを採用するA4複合機のフロントパネルを「カンタンLEDナビ」に変更。フロントパネルの左から右に沿い、液晶ディスプレイの表示やLEDボタンに従うことで、基本的な操作が終わるという。チルト機構も備えている。
iPhoneアプリ「EPSON iPrint」(無償)および「ePrint」(350円)、Androidアプリ「Cypria」(450円)にも対応する。
今回発表のカラリオ・プリンター全5機種に無線LANを搭載 | 使用中のパソコンとUSBでつなぐだけで、無線LANを設定できる機能がついた |
操作の流れを左から右に示したカンタンLEDナビ |
iPhoneアプリからのプリントをサポート | Androidのプリントアプリにも対応 |
添付ソフトのE-Web Printには、簡易ブログ印刷機能を搭載。書籍のようなレイアウトを楽しめるという。
インクカートリッジにも新機軸を設けた。標準インクカートリッジ「IC6CL50」の小容量タイプ「IC6CL51」をリリースする。標準で500枚のプリントが可能なところ、小容量インクは200枚程度で、標準インクよりコストパフォーマンスは良くないという。ただし標準と小容量の併用が可能なため、なくなった色のインクのみ交換するといった使い方が考えられる。
小容量インクはEP-903F、EP-903A、EP-803A/AW、EP-703Aに対応。2009年以前の機種には対応しない。
ブログ印刷機能が利用できる | 新たに小容量インクカートリッジを用意した |
■中核機にはホワイトモデルも
新モデルはA4対応の複合機が7製品、コンパクトフォトプリンタが3機種(カラーバリエーション含む)。
・EP-903F
今回発表の製品のうち、最も高機能なFAX対応モデル。ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、ライトシアン、ライトマゼンタの染料系6色独立インクを採用する。プリント最高解像度は5,760×1,440dpi。自動両面印刷、ADF(オートドキュメントフィーダー)も搭載。
液晶モニターは3.5型。スキャナーは4,800dpiのCIS。無線LAN、有線LAN、USB、IrDAを備える。USBに接続した外部機器を有線LAN、または無線LANで共有する機能も備えている。フィルムスキャン機能は非搭載。
本体サイズおよび重量は、466×458×198mm・約11.3kg(自動両面ユニット装着時)、466×385×198mm・約10.6kg(自動両面ユニット非装着時)。
EP-903F |
・EP-903A
EP-903FからFAX機能を省略したモデル。そのほかの基本仕様はEP-903Fを踏襲する。重量は自動両面ユニット装着時が約11.2kg、非装着時が約10.5kg。
EP-903A |
・EP-803A/AW
エプソンが今シーズンの主力モデルと位置付ける製品。EP-803Aがブラック、EP-803AWはホワイト。染料インク採用のEP系列では唯一のホワイトモデルとなる。
EP-903F、EP-903Aとの主な機能差は、液晶モニターを2.5型に小型化したことと、自動両面がオプションになること。CISスキャナーも2,400dpiにスペックダウンしている。ADFも非搭載。外付けHDDなどのLAN共有もサポートしていない。プリントヘッドとインクタンクはEP-903系と共通。
本体サイズは446×385×150mm。重量は約9kg。
EP-803A | EP-803AW |
ブラックとホワイトからカラーを選択可能。販売台数比率は5:5程度を見込む |
・EP-703A
上位機種と同様、カンタンLEDナビを搭載。ただし有線/無線LANをオプションとして低価格化を図ったモデル。
インクタンクは上位モデルと共通の染料系6色。ノズル数が異なっており、上位モデルがカラー900ノズル、黒180ノズルとなっているところ、本機はカラー450ノズル、黒90ノズルとなっている。A4写真用紙の印刷速度は、E-803A/AWの約53秒に対し、約1分29秒。
スキャナーは1,200dpiのCIS。液晶モニターは2.5型。
本体サイズは451×386×195mm、重量は約8.5kg。
EP-703A |
・PX-503A
4色顔料系インクのビジネス向けモデル。自動両面印刷には新設計ユニットを投入。従来以上の高速化と筐体の小型化を実現したという。有線LAN、無線LANを搭載。
プリント解像度は最高5,760×1,440dpi。スキャナーは2,400dpiのCIS。液晶モニターは2.5型。
本体サイズは445×367×169mm、重量は約6.2kg。
PX-503A |
PX-503A | 新設計の自動両面ユニットを搭載 |
・PX-203
顔料系4色独立インクを採用する単機能モデル。プリント解像度は最高5,760×1,440dpi。有線LAN、無線LANを搭載する。
本体サイズは445×330×154mm。重量は約4.5kg。
PX-203 |
・E-810
PCレスでのLサイズプリントをメインとするコンパクトモデルのフラッグシップ。ヒットしたE-800と同様、ワイヤレスキーボードが付属し、宛名書きなどの文字入力が行なえる。また、フォトスライドショー機能も搭載。液晶ディスプレイは7型。
染料系4色の一体型インクを採用。プリント解像度は最高5,760×1,440dpi。有線LANおよび無線LANはオプションで対応する。IrDA、USB、メモリーカードスロットも備えている。
E-810 |
前モデルからテンプレートを追加。写真俳句に利用できそうな和風のテンプレートも存在する。また、フォトスライドショー機能については、左右ボタンで前後の好きな写真を表示する機能や、一時停止機能を新たに備えた。
本体サイズは228×158×192mm。重量は約2.6kg。リモコンが付属する。
テンプレートを追加。写真俳句にも利用できるという | シンプルだったスライドショー機能を強化した |
・E-340S/340P
E-340Sがシルバー、E-340Pがピンク。2.5型液晶モニターを上部カバー内に備えたコンパクトモデルで、染料系4色一体型インクタンクを使用する。解像度は最高5,760×1,440dpi。無線LANはオプション。
本体サイズは231×169×156mm。重量は約2.3kg。
E-340S | E-340P |
■国内市場は久しぶりに増加。シェア51%を目指す
発表会に登壇したエプソン販売株式会社代表取締役社長の平野精一氏は、2010年度のインクジェットプリンター市場について、前年度比5%増の506万5,000台と予測した。5〜6年サイクルでの買い替えが見られる複合機において買い替え需要が本格化し、さらにキーボード付きコンパクトプリンター市場が前年比2倍以上の拡大。Windows 7によるパソコンの買い替え需要や、デジタルカメラのプラス成長を見込んだ上での数値という。
なお平野氏はデジタルカメラ市場について、買い替えサイクルの長期化と不況の影響で不調だった2009年度に対し、2010年度はミラーレスデジカメなどの好材料により前年比プラス成長を見込んでいる。ただし、「2008年度の水準までは回復しない」とも述べている。
年末商戦における国内目標シェアは、インクジェットプリンター全体で51%以上。カテゴリ別では、複合機で50%以上、コンパクトプリンターで60%以上、単機能プリンターで50%以上を目標とする。キャッチコピーは「プリンター選びで、もう迷わない」。
エプソン販売株式会社代表取締役社長の平野精一氏 | カラリオのロゴ。今年のキーワードは「プリンター選びで、もう迷わない」 |
キーボード付きコンパクトプリンターは、E-800のテレビ広告で市場認知が一気に進んだという |
キーボード付きコンパクトプリンター市場については、昨年のE-800のために用意したテレビCMが功を奏して大きな反響を呼んだという。11月に製品を投入後、12月上旬には在庫切れになるほどの人気を得ており、市場規模は2008年から2倍の約100万台市場に到達した。エプソンでは今年、約130万台以上の規模になると見込んでいる。
なおエプソンでは当初、E-800の購入者層をシニア層が中心と想定していた。しかし実際には、30代女性が31.4%、40台女性が21.9%を占めるなど、幅広い層からの支持を得ているという。
エプソンは同日、カラリオの新CMキャラクターについても発表した。役所広司さんに加え、今年は黒木メイサさんがCMに登場。EP-803A/AWの無線LANを訴求する「迷わないプリンター登場篇」と、E-810のテンプレートや大画面をアピールした「パソコンいらずの迷わないプリンター篇」の9月15日より放映する。詳しくは別記事で紹介したい。
CMキャラクターに黒木メイサさんを起用。役所広司さんとのかけあいも |
「迷わないプリンター登場篇」 | 「パソコンいらずの迷わないプリンター篇」 |
2010/9/2 17:22