ペンタックスフォーラム、吉村直人写真展「火の森」


(c)吉村直人

 ペンタックスフォーラムは、吉村直人写真展「火の森」を6月23日から7月5日にかけて開催する。

 人知れず山々に揺れる花たちが地の花ならば、月明かりに舞う花火は天空の花でしょうか。原色に散りばめられた夜空は、私たちの心を遠い宇宙のはるか彼方へと誘います。

 その昔、かのギリシャ哲学者は「……万物は、火によって誕生し、火によって解体する」と定義しました。絶え間なくふりそそぐまばゆいばかりの光の群れは、まさにその光景を一瞬にして再現してくれます。

 激しく乱高下する花火。しかし望遠レンズが装着されたファインダーの中では、驚くほど静的な別世界が広がっています。外部の音は閉ざされ、不思議な浮揚感さえ感じます。

 やがて、無数の光が力を失い終焉を迎えるとき、遮断されていた聴覚が一気に引き戻され、見物客の歓声と凄まじい轟音が全身を包み込んでゆく……。

 そんな愛してやまない花火との出会いは、母の胎内の闇にまで遡る。それは私が生まれ育ったのは三尺玉で知られる花火の町、越後長岡だからだ。低く響き渡る花火の音は、すでに母の鼓動と共に聞こえていたはずである。それから数十年、いつしか花火は私の生涯をかけたテーマとなっていた。(写真展資料より作者コメント)

 カラー約30点の作品を展示する。

  • 名称:吉村直人写真展「火の森」
  • 会場:ペンタックスフォーラム
  • 住所:東京都新宿区西新宿1-25-1 新宿センタービルMB(中地下1階) ペンタックススクエア内 ペンタックスフォーラム
  • 期間:2010年6月23日~7月5日
  • 時間:10時30分~18時30分(最終日は16時まで)
  • 休館日:火曜日
  • 入場料:無料

(本誌:鈴木誠)

2010/6/16 12:52