むらいさちの、旅フォトエッセイ さち☆たび

Vol.5 大阪府|蛍に会いたくて&大阪満喫の旅

改めて、さち☆たび のルールを紹介しましょう。

1)旅の資金は4万円、あとは国内海外どこに行ってもよし。余ったお金は貯蓄(編集部にて)。1年後、連載が続いており、貯蓄がたまっていたら特別編としてハワイ旅行をする!(笑)
2)カメラにはこだわらない。

3)人の好意には甘える(笑)、差し入れ・現地案内大歓迎です♪(むらいさちのFacebookページなどでリアルな旅の様子をリポートします。作品はここにてお見せします)

以上3つ。

まあ、B型むらいさちなので、マイペースにゆるっと進めさせていただきます。

ただ、旅先では感じたままをカメラで表現していければと思います。なので、被写体は僕好み。

皆さんこんにちは! 写真家の むらいさち です。

さち☆たびは自由な旅、むらいさちが今一番行きたい場所にカメラを持って出かけます(予算に限りはありますが……)。

今回で5回目になりました、毎月どこに行くかを決めるのが意外と大変。予算に限りがあるので、どこでも行けるわけではないですし。今回もいくつか候補地はあったのですが、正直出発前日まで悩んでいました……。

そんな中、なんと大阪で蛍が見れる! そんな情報をゲットして、状況を見ていると今が最盛期、そしてちょうど新月、そんなタイミングなのに行かないわけにはいかない! と、今回は大阪に飛びました(もちろん夜行バスですが……)。

蛍は見たことはあるものの、ちゃんと撮影したことはありません。いつかチャンスがあればと思っていたので、自分的にも良い機会になりました。

と、言っても蛍は夜、日中は大阪を満喫してみました!

日中はカメラ友達に案内してもらい、大阪を満喫♪

やっぱりこうなっちゃいますよね……。関東人なのでテンション上がってしまいます(汗)。

大阪は初めてではないですが、こんな日中の爽やかな道頓堀は初めて。やっぱり夜が似合う気がするな〜。もちろんグルメも満喫♪

その後、「万博公園のバラがきれいだよ」という情報を得て、一路万博公園へ。
すると……。

にょき! これが噂の太陽の塔ですね。こんなに大きなものとは思わなかったのでびっくり! なんだかウルトラマンの世界に来たような気分に……。

でも、見ているとちょっとかわいく見えてきますね(笑)。

さて、ちょうどバラも満開、バラはその匂いが大好きです。品種によって匂いも違うので、ひとつひとつ嗅いでまわるのも楽しいです♪

はぁ〜〜幸せ♪ 青い空が気持ち良かったです。撮影は5月だったのですが夏のような暑さでした……。写真も自然と夏を意識していますね。

そして、園内の地図を見ていると「ルピナス畑」という文字が……。

ルピナスと言えば、僕的にはニュージーランドのイメージがあって、いつか撮りに行きたい場所の一つです。そのルピナスが見れるの? 国内でも見られる場所はそんなに多くはありません、これは見に行くしかないっす!

感動!! 思った以上に広範囲で、撮影もしやすかったです。そして誰もいなかった……。はぁ〜またまた幸せで心がいっぱいになりました。

さて、日も暮れてきて友人に晩御飯をおごってもらい(笑)、蛍撮影に向かいました。

※今回は撮影場所の記載は控えさせていただきます。

初めての場所なので、場所もちゃんと分からず不安になりながら歩いていると、撮影の用意をしている女性を発見、場所の確認をしようと思ったら、なんと友人でびっくり! 仕事終わりに車で1時間半かけて来たのだとか……、気合いが違いますね。

さて、暗くなる前に撮影の準備に入ります。

今回狙うのは、ヒメボタル。蛍は川沿いの水があるところに生息していますが、この種類は陸棲で、このような場所に現れます。ワクワク期待して待っていると、空が暗くなる20時過ぎからピカッピカッと光り始めます。この点滅しながら光るのがヒメボタルの特長でもあります。僕がその光に感動していると、調査員の方が「今日は少ないね〜、この環境じゃ厳しいよ」そんな話をしていました。そんな中、撮影したのがこちら。

これが撮影したもの。分かりますか?(汗)。左下に点々があるのですが……。これだけだと寂しいので何枚かの写真を重ねると。

少しは賑やかになりました。が、気温が低く、風もあって、最後には雷雨になるという最悪な環境になってしまい蛍もこの日は少なかったです……。

「寒いんだから〜♪」と思わず歌いたくなるような日でした。23時くらいまで粘るがお天気は回復せず、体も芯まで冷え切ってしまい、トボトボと帰路につきました……。なんだか凹むな〜。

チャンスはあと1回、明日こそは!

そして、翌日。

この日はお天気も良く、月は新月。風も収まり、蛍を撮るには良い条件が揃いました。

あとは、待つだけ。今日も20時を過ぎると、光り始めました。が、昨日とは光の数が違います。調査員のおじさんも「今日はいいね〜、多いよー」とのこと。

その光を見ていると、時に宇宙に居るような、時に夢の世界へ引き込まれたような不思議な気持ちになります。

ヒメボタルは、2年近く土の中で過ごし、成虫になって生きられるのはたった1週間。あの光は、命のすべてをかけて、光らせているものなんですね。

なにぶん初めてであり、知識や情報が無く、写真は撮れたけど、そのクオリティーの低さにがっかりしたり、落ち込んだり……。正直あと1日あればと何度も何度も思いました。こんな写真ですみません……。

でも、こんな素晴らしい光景を見せてもらえただけで満足です。写真は必ずリベンジします。

大都会大阪の片隅で、こんな素敵な命の営みが見られるなんて、なんだか得をした気分ですし、誇りでもありますよね。

いつまでも、この場所が光り輝く場所であることを願いつつ、帰路につきました。

お世話になった皆さまありがとうございました。また来るよー!

今回の相棒

FUJIFILM X-T1グラファイトシルバー + XF16mm F1.4 R WR + XF10-24mm F4 R OIS

今回のアイスコーナー

なんと全長40cmのロングソフトクリーム♪ これで300円なんです。

ちなみに、僕の前に買った親子は買って数秒で地面に落としてました……。

今回の経費

往復交通費:13,400円
宿泊代:7,400円
食費・その他:9,580円
合計:30,380円
資金4万円からの残金:9,800円(ハワイ貯金へ)
現在の貯金:38,768円

(2015/6/4)
むらいさち
沖縄でのダイビングインストラクターを経て写真の世界へ。広告写真家の助手後、ダイビングやリゾート雑誌を出版している出版社のカメラマンとして、日本を始め世界の海へ訪れる。その後独立。現在は広告や雑誌の撮影を中心に活動。海だけに限らず世界のありとあらゆる場所で「しあわせのとき」をテーマに撮影を続けており、一年の多くを取材先で過ごしている。著書は写真集「きせきのしま」(小学館)、「LinoLIno」「ALOHEART」(LifeDesignBooks)。共著「光と色の写真の教科書」(技術評論社)、「カメラ*好き1&2」(マイコミブック)。トラベルマガジン「LUKETH」参加。今年2月に写真家川野恭子(きょん♪)と共に、フォトライフマガジン「TORIPPLE」を創刊。muraisachi.com