異国情緒あふれる長崎の町をぶらぶらスナップ!

長崎レトロスポットを巡るカメラ女子旅レポート

ニッコールレンズの発売80周年&累計生産本数8,000万本達成記念として、「プロ写真家と行く、28のプレミアム撮影体験ツアー」と、「Masterpieces of NIKKOR & シリアルナンバー入り特製ブックマーク」が抽選で当たるキャンペーンが2013年6月22日〜9月30日まで行なわれました(現在キャンペーンは終了しています)。

28種類のプレミアム撮影体験ツアーの中から、今回は写真家山口規子先生と一緒に異国情緒あふれる長崎のレトロスポットを巡る女性ペア限定のツアーをレポートします。

山口規子先生と、ツアー参加者のみなさんでハイ! チーズ♪
長崎ツアーを担当された写真家の山口規子先生。スナップ撮影の魅力をたくさん教えていただきました!

教会、洋館、夜景! 長崎のステキ撮影スポットを満喫♪

今回のツアーは、抽選で選ばれた友達同士や親子、姉妹などの、ペア5組が参加されました。

応募した方にお持ちのカメラを聞いてみたところ、D600が3名、D5200が1名、D3100が1名。また同伴された5名は、レンズ交換式カメラを触るのが初めてという方がほとんどでした。カメラを持っていない同伴の方にはD600、もしくはNikon 1 J3がが貸し出されました。

参加者の方に、今回のツアーに対する意気込みを聞いてみました。

「写真を撮ることが好きでも、なかなか技術が追いつかないの思い通りの写真が撮れません。ツアー中に先生からいろいろなコツを教えていただきたいです」

「写真を撮っている人が、普段は男性ばかりなので女性限定の今回のツアーは、とても楽しみでした。女性らしい視点や構図の写真を学べたらと思います」

「初めて訪れる長崎ですが、前からグラバー園や伊王島へ行ってみたかったので嬉しいです。ステキな写真をいっぱい撮れたらと思います」

ツアー同伴者にはD600、もしくはNikon 1 J3が貸し出されました。初めてレンズ交換式カメラを触る方もいらっしゃいました。
最初にカメラの基本操作と、スナップ撮影向けの設定をレクチャーしていただきました。

ツアーコースは、山口規子先生がロケハンを行ない、女性が心惹かれるフォトジェニックなスポットを厳選していただいたそうです。

1日目は、世界遺産暫定リストにも登録されている国宝の大浦天主堂、長崎市内に点在した9つの洋館を移築復元したグラバー園、伊王島の馬込教会、長崎の夜景を一望できる稲佐山を巡りました。

大浦天主堂。天主堂の中は撮影が禁止されているので、天主堂の外観や入口のマリア像を撮影しました。マリア像は、フランスから贈られたものだそうです。
大浦天主堂のもみじは、きれいに色づいていました。
大浦天主堂の脇の道を通り、グラバー園へ。窓格子や石畳もフォトジェニック。みなさん足を止めて、撮影していました。
グラバー園は、スコットランドから渡来したトーマス・ブレーク・グラバー氏の住宅をはじめ、リンガー邸、オルト邸などの洋館を移築した観光施設。
最初に旧自由邸で参加者全員にカステラセットが振る舞われ、テーブルフォト撮影を行ないました。
テーブルフォトのポイントは、自然光がたくさん入る窓辺で撮影すること。逆光とプラス補正を組み合わせると、きれいに撮ることができるそうです。
手前が暗いときは、レフ板を使って明るくするときれいに写すことができるそうです。レフ板がなくても、白い紙なら簡易的にレフ板として使うことができます。
山口先生のレクチャーのもと、カメラの設定を変えたり2人で協力してレフ板を使ったりと、テーブルフォトを楽しみました。
撮影のあとは、みんなでカステラセットをいただきました♪ やさしい甘さでとても美味しかったです。
旧グラバー邸。貿易商であり、グラバー商会を設立したトーマス・ブレーク・グラバー氏が住んでいた日本最古の木造洋風建築。主屋・附属屋が国の重要文化財に指定されています。
旧リンガー邸。グラバー商会に勤め、ホーム・リンガー商会を設立したフレデリック・リンガーの旧邸。国の重要文化財に指定されています。
旧オルト邸。オルト商会を設立し、製茶業を営んでいたウィリアム・ジョン・オルトの旧邸。主屋・附属屋・倉庫が国の重要文化財に指定されています。

バスの移動中、山口先生からスナップ撮影のポイントを教えていただきました。

山口規子先生流 スナップ撮影のポイント

(1)設定やアングルを変えながら、たくさんシャッターを切りましょう!

 写真の上達はたくさん撮ること。ただし、むやみにシャッターを切るのではなく、フレームの隅々まで意識して1枚1枚大切に撮りましょう。

(2)明るさに合わせてISO感度を設定しましょう!

 暗い室内撮影ならISO1600〜ISO3200、屋外や明るい室内ならISO200〜ISO400が目安になります。

(3)写真の主題を設定しましょう!

 1枚の写真の中に複数の要素が入っていると、なにが撮りたかったのかわからない写真になってしまいます。主題を設定すると、伝わりやすい写真になります。

馬込教会は、ゴシック様式の鉄筋コンクリート造。白亜の美しい教会です。国の登録有形文化財で、外部見学は自由。教会内は、土・日曜に入ることができます。
窓にはさまざまな絵が描かれたステンドグラス。透ける感じを試行錯誤しながら撮影していました。
教会の裏の高台に上がると、教会の尖塔越しに海を眺めることができました。藍色に染まりつつある空と一緒に撮影しました。
稲佐山へ行き夜景撮影。長崎の夜景は、香港、モナコと並び世界新三大夜景と認定されています。山々が海を取り囲む、すり鉢状の地形に灯る夜景は、とても幻想的でした。
シーンモードの「夜景ポートレート」モードに設定して、ハイ! チーズ♪
新地中華街の会楽園で女子会スタート♪ 円卓を囲んで美味しい中華料理をいただきました。みなさんすぐに仲良くなり、カメラ談義で盛り上がりました。
夕食後、大型モニターを使って、1人2枚ずつ山口先生に撮影した写真を講評していただきました。
講評終了後、11月28日に発売されたばかりのニコンDfを触る時間が! 参加者の方も気になっていた機種のようで、みなさん嬉しそうにシャッターを切っていました。

坂を登って下って! 細い路地をぶらぶらスナップ♪

2日目は、祈念坂、オランダ坂と長崎市内の細い坂を登ったり下ったり。南山手の細い住宅街、新地中華街、出島までのぶらぶら歩きを楽しみながら撮影。出島で昼食を食べた後は、眼鏡橋、中通り商店街に移動しました。

大浦天主堂から祈念坂へ。ローアングルで坂をパチリ♪ 山口先生から、地面と空のように輝度差が大きいシーンでは、「アクティブDライティング」機能を使うと白トビ黒つブレが防げると教えていただきました。
祈念坂を登りきると、大浦天主堂越しで長崎の町並みを望むことができました。撮影していると、白いフェリーが港に入ってくるところでした。
高台を下りオランダ坂へ。オランダ坂は、大浦海岸通電停側から石橋電停側の誠孝院前までにある坂一帯の総称です。東山手洋風住宅群前の坂を上りました。
オランダ坂の小道に入り、白と水色の外観がかわいい古写真資料館へ。幕末から明治時代にかけて活躍した上野彦馬が撮影した写真の複製や、カメラオブスキュラの原理を体験できる機材などが見学できました。
オランダ坂一帯を抜け新地中華街へ。スナップ撮影を楽しんだり、お土産を買ったり。
新地中華街から出島へ。長崎市の復元事業として、ヘトル部屋、料理部屋一番船船頭部屋、カピタン部屋などの建物が復元しされています。
出島で長崎名物のトルコライスとミルクセーキをいただきました。トルコライスとは、一皿にナポリタン、ドライカレー風ピラフ、デミグラスソースのかかったトンカツが乗ったもの。どちらもたいへん美味しかったです。
タクシーに乗って眼鏡橋へ。日本最古のアーチ型石橋として国の重要文化財に指定されています。
中通り商店街でスナップ撮影。商店街の看板猫のクロちゃんとシロちゃんは、撮られ慣れているようでジッと動かずポーズを撮り続けてくれました。

1泊2日の長崎ツアーは天気にも恵まれ、参加者の方も大満足の様子でした。

「フォトジェニックなスポットを凝縮して回れたのが嬉しかったです。個人で旅行したら、こんなに回れませんでした」

「人数が少ないので先生に質問がしやすく、いろいろ教えていただけました。またこのようなツアーがあったら参加したいです」

「交換レンズが用意されていて、いろいろ試せたことが嬉しかったです。レンズが変わるとこんなに写真が変わるのかと驚きました」

など、みなさん声をそろえて「楽しかった」「写真がもっと好きなった」とおっしゃっていました。

最後に同行していただいた山口先生に、お話を伺いました。

「今回の参加者の方は、一眼レフカメラを持って応募された方はもちろん、レンズ交換式カメラを初めて触るという同伴の方も、とても熱心に私の話を聞いていただき、たくさんの写真を撮っていたきました。初めてレンズ交換式カメラを触ったという方も、2日目になるとカメラを持つ姿が様になっていて、“写真にはまりそうです”というお話を聞けて嬉しかったです」

「通常、撮影会をすると講評会で同じような写真が出てしまうのです。講評会で写真を拝見させていただいたら、同じような写真が1つもないんです。みなさん独自の視点でスナップ撮影をしていただいて、講評がとても楽しかったです。これからも自分の好きな被写体を見つけながらスナップ撮影を楽しんでいただけたら嬉しいですね」

参加者の方の作品を紹介します。

撮影者:忠元桜さん「娘に誘われて参加しました。カメラは全くの無知でしたので、ただ観光を楽しませてもらおうと思っていましたが、気が付くと撮影に夢中になっていました。素晴らしい体験をさせていただき感謝しています。迷いながらの参加でしたが、とても楽しかったです」
撮影者:マスダヒロミさん「1泊2日でいろいろな場所に行けたことがとても嬉しかったです! 先生の指導のおかげで夜景がきれいに撮れました。先生のレクチャー&講評と、先生の作品を見ながらの解説は感激、大満足でした!」
撮影者:みどりんこさん「初めてレンズ交換式カメラを触りました。はじめは何を撮ろうか戸惑いながらシャッターを押していましたが、次第に自分が惹かれるものがわかってきました。撮った写真を見ると花や木々などばかりで、「自然に飢えていたんだな」と気づきました(苦笑)こんなに夢中になったことは久しぶりです。ちょっと、カメラが欲しくなりました」
撮影者:スズカさん「初めて本格的なカメラで写真を撮ってみて、とても楽しかったです。ハマリそう! 上手く撮れるようになりたいと思いました」
撮影者:keikoさん「初めてレンズ交換式カメラを体験したので、『初めて』をテーマに写真を選びました。ホワイトバランスの使い方がわかって、にわかカメラ女子くらいになれたかな……」
撮影者:南方さん「普段、撮る機会のない教会や異国情緒ある建物を撮ることができ、とても楽しかったです。また女性ならではの視点、光の好み、ホワイトバランスの遊び方など、新しい発見が多くありました。これからも写真をもっと楽しみたいと思える旅でした」
撮影者:あわちゃんさん「今まで適当にしか撮っていなかったので、すごく勉強になりました。先生の明るい性格がとても旅を楽しくさせてくれました。参加してよかったです。ありがとうございました!」
撮影者:あいさん「長崎からの参加でした。先生の長崎の町並みの写真を拝見して、いつもの町並みがすごく特別に見えました! 講評会も先生のお話しがすごく勉強になりました。ありがとうございました」
撮影者:ともかさん「一眼レフデビューしたばかりの初心者でしたが、基本から教えてもらえてステキな写真がたくさん撮れました。写真を撮る旅は、今までやってこなかったけどとても楽しかったです。女子旅最高!(^○^)/」
撮影者:kanowさん「プロカメラマンの指導を直接聞けるなんて、ありがたく嬉しいことでした。カメラ女子旅は、とても楽しく勉強になりました。今後の撮影に生かしたいです」
(2013/12/21)
加藤マキ子(ツナ☆カメラ)
1981年生まれ。写真編集者。カメラ書籍を手掛ける編集プロダクションで女性向けのカメラ雑誌や書籍を多数手掛ける。その後、実用書系編集プロダクションを経て、2013年に独立。『光と色の写真の教科書 〜ふんわりフォトもこっくりフォトも思いのまま〜』『まりこ先生が教える やさしい写真の教室』などの企画・編集を担当。ときに、撮影や執筆も手掛けることも。仕事が好きで、マグロのように止まらず常に全力疾走中!