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撮影地で16インチの大画面を持ち歩く…「LG gram Pro 2in1 16」と巡る初夏の北海道撮影
GFX100RFの“1億200万画素”データも問題なし!
- 提供:
- LGエレクトロニクス・ジャパン株式会社
2025年6月26日 07:00
6月。梅雨が日本各地を包むなか、カラリと晴れた北海道はまさに撮影旅行のベストシーズンを迎える。今回は、風景と人物という異なるジャンルの撮影を一度に楽しむべく、美瑛・富良野、小樽というロケーションを巡ることにした。旅の相棒は、LGの16インチ2in1ノート「LG gram Pro 2in1 16」だ。
「パソコンを持って旅に出る」というと、重量やバッテリーの持ちがネックで、写真のセレクトや現像は帰宅後の作業と割り切るのが常だった。だが、モバイル性能と処理能力の両立を実現した本機なら心配は無用だ。今回は、「LG gram Pro 2in1 16」が旅先でどのように活躍できるのかを検証してきた。
美瑛──風景とタイムラプスに挑む
最初の目的地は富良野・美瑛エリア。パッチワークの丘、白金青い池、十勝岳を望む展望台など、全国的に知られた撮影地が集中するエリアだ。
今回相棒にしたのはFUJIFILM GFX100RF。有効画素数約1億200万のラージフォーマットイメージセンサーを搭載し、35mm判換算28mm相当のレンズ一体型カメラだ。
レンズ交換不要なため旅での取り回しも良く、何といっても1億画素オーバーの圧倒的な画力が魅力のカメラだが、生成されるRAWデータは1枚約100~150MBと超重量級。果たしてLG gram Pro 2in1 16はGFX100Rの超重量級データをしっかり扱えるだろうか。
初夏の北海道の朝は早い。6月は3時前には東の空が明るくなり始めるため、日の出の素晴らしい時間帯に立ち会いたければ前日は早めに寝て、宿をそっと抜け出そう。天候に恵まれれば丘の上から素晴らしい景色に出会えるはずだ。
今回は美瑛の西側の丘から朝日に照らされる麦畑を狙ってみた。
日の出のゴールデンタイムが終わり、少しだけ陽が高くなると北海道らしいスカッとした青空と緩やかな稜線とのコントラストを撮影することができる。
陽が高くなりすぎると丘の陰影が薄くなってしまうため、午前中の早い時間での撮影がおすすめだ。
この時期の美瑛は霧が発生しやすく、運が良ければこのような霧からできた「白虹」に出会うこともできるだろう。
朝の撮影を終えてクルマに戻るとすぐにLG gram Pro 2in1 16を取り出し、撮ったばかりのデータを確認する。
PC本体には大容量の1TB SSDが搭載されているため、外付けストレージを使わずとも撮影データを手早くPCに転送できる。本体には超高速なUSB4(Thunderbolt4)ポートが2つ備わっているので、CFexpressユーザーでも快適だ。
撮影の合間のちょっとした時間を使って撮影データの確認ができるのはありがたい。省電力設計のためデータ整理程度ならバッテリーの減りは気にしなくてOKだ。
続いてのシーンはクルマを東へ走らせ、青い池近くにある白ひげの滝。この時は雨交じりのあいにくの天候となってしまったが、滝を撮るなら曇天の方がスローシャッターで白飛びもしにくく好都合だ。
滑らかな水流と濡れた岩肌、鮮やかな新緑の対比を良い感じに収めることができた。それにしても1億200万画素のGFX100RFの解像感は凄まじいものがある。
今回は、いくつかのシーンでタイムラプス撮影も試してみた。通常の風景撮影なら撮影枚数は限られるが、タイムラプスなら数百枚、時には数千枚とデータ量は跳ね上がる。このような重いデータもLG gram Pro 2in1 16はキチンと扱えるかどうか、あとでじっくりと検証してみよう。
カフェ──現場で仕上げへ
午後の休憩としてカフェに立ち寄り、コーヒーを頂きながらデータ整理とお気に入りの1枚をその場でサッと仕上げてしまおう。リュックのパソコン収納スペースにスッキリと収まる厚さ12.9mmの極薄構造のため、こんなシーンでもスマートに取り出すことができる。付属のスタイラスペンは本体にマグネット装着と無線充電が可能だ。
ディスプレイは2,560×1,600の高解像度IPS液晶で、広色域なDCI-P3比99%の色再現性を誇る。一般的なsRGB色域よりもずっと広い色を表示できるため、RAWで撮影したデータをじっくり自分好みの色に仕上げることができる。現地で見た空や緑の微妙なトーンも違和感なく再現されていた。
カフェのWi-Fiやスマホのテザリング機能を使って出来たての作品をSNSへすぐアップロードしてしまうのも良い。私は普段、現地で写真を仕上げるときはスマホを使うことが多いが、16インチの大画面なら投稿クオリティも1段階上がる。旅の“いま”を鮮度が良いまま美しい形で共有できるのは嬉しい。
ホテルで──編集&データ管理も現地で完結
日が落ち、ホテルにチェックインしたあとは、まずはその日のデータのバックアップ作業から取り掛かる。旅先でのデータ管理は何よりも優先すべきルーティンであり、安定したPC環境があることの安心感は計り知れない。
LG gram Pro 2in1 16は、USB4(Thunderbolt 4)対応ポートを2基備えており、超高速なデータ転送が可能だ。一旦PC本体にまとめた撮影データをバックアップもかねてUSB4対応の高速SSDへコピー。タイムラプスデータも含め1,174枚、約84GBのデータをわずか42秒(平均2GB/秒)でバックアップできてしまった。
ホテルでの編集作業で活躍したのが「LG gram +view」という16インチのモバイルモニター。USB TypeCケーブル1本でPCと接続すれば、PC側から電鍵供給されすぐにデュアルディスプレイ環境が整う。本格的な編集環境を現地で構築可能だ。LG gram Pro 2in1 16と同等のディスプレイを使用しているため、発色傾向も同じであり、一貫したカラー環境で作業が行える。ちなみにこの「LG gram +view」、今春からより大きな17インチモデルが選べるようになった。
デュアルディスプレイでしっかり編集する時はバッテリー消費が大きいので電源に繋いでの作業がおすすめ。給電はUSB PDで65WのUSB PD充電器が付属する。最近はカメラもUSB PD充電できるものが主流なので、持ち歩くアダプターは1つでOKなのも旅ではありがたい。もちろんPD対応のモバイルバッテリーからPC、カメラを充電することもできる。
Lightroom Classicのデュアルディスプレイモードを使用し、LG gram +viewにはグリッド表示でその日撮影した写真の一覧を、LG gram Pro 2in1 16には現像画面を大きく表示させ、効率的に作業を進める──そんな贅沢な編集環境を、旅先のホテルで実現できてしまった。ちなみに、LG gram +viewも薄型、超軽量な仕上がりで、本体厚みは本体厚みは8mm重量は670gと、クルマ移動はもとより、飛行機や電車移動の旅でも気にせず持ち運べるサイズ感だ。
ここまでLG gram Pro 2in1 16のモバイル性能を中心に紹介をしてきたが、本機は処理能力も強力だ。CPUは最新世代のインテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー 255H(16コア)、メモリはLPDDR5X 16GB、ストレージはNVMe Gen4対応の1TB SSDを搭載した、低消費電力とハイパワーを両立した構成となっており。高画素機のRAW現像でも余裕で取り扱うことができる。
デジカメ界では最も重い部類のRAWデータである1億200万画素のGFX100RFのRAWデータ(100~150MB/枚)もしっかり編集可能で、書き出しも1枚10秒以内で行うことができた(別のカメラで撮影した4,500万画素のデータは3秒以内で現像可能だった)。
小樽──街歩きと人物撮影にPCと共に
翌朝は小樽へと移動。この日はモデルとの合流があり、ポートレート撮影が主なテーマとなる。有名な運河だけでなく、ノスタルジックな洋館、港町の倉庫群など、小樽の街並みは、被写体としても背景としても魅力にあふれている。
この日の撮影はPCの軽さが大いに助けとなった。街を歩きながらの撮影は機動力が命だが、わずか1,399gのPCであれば、カメラバッグに入れても肩に余計な負担がかからない。立って、しゃがんで、積極的なアングルから多くのバリエーションの撮影ができる。
このロケーションで試みたのは、屋外でのテザー撮影だ。カメラとLG gram Pro 2in1をUSB接続し、即座にPC上で撮影画像を確認。モデルと一緒に画面を見ながらポーズや表情を調整していくことで、撮影の精度も大きく向上する。
天気が良かったため画面が暗くて見えないかもしれないと心配していたが、日陰でなくとも表情や構図を確認できる画面輝度は十分有しており安心した。
休憩時には画面は回転させてタブレットスタイルに。ノートPCが一瞬で大画面タブレットとなり、モデルとのデータ確認も非常にやりやすい。これができるノートPCは希少だ。
自宅──最終編集と仕上げへ
撮影旅行を終えて帰宅後、待っているのは作品の仕上げだ。LG gram Pro 2in1 16を自室のカラーマネジメントモニターに接続し、最終編集を行う。USB Type-Cケーブル1本で電源供給も含めて接続できるため、デスク周りもすっきり整う。
Lightroomでは、旅の中でセレクトした写真を中心に、細部の色調整やトーンカーブの調整を実施。細かなマスク処理を使用する場面では、スタイラスペンが再び活躍する。マスク範囲の描画や、被写体の髪の毛の際をなぞるような精密な操作も、思いのままだ。
さらに、大量のインターバル撮影データはAdobe Premiere Proでタイムラプス動画にしてみた。GFX100 RFの長辺11,648pxのデータは8Kを超えあまりにも大きすぎるため、約半分の長辺5,840pxのJPEGデータを生成後、Premiere Proにて動画化。これでも6Kオーバーの高精細動画となるが、全く問題なくサクサクと作業することができた。
インテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー 255Hには内蔵グラフィックとしてIntel Arc 140T GPUを搭載。HEVC (H.265) 10bit 4:2:2を含む様々な動画フォーマットのハードウェアエンコード/デコードにも対応しているため、通常の動画編集なら問題なく行えるほか、GPUとは別にAI処理に特化したNPU(Intel AI Boost)も搭載している。
搭載されて間もない機能のため、現状はNPUを有効活用できるアプリはまだ少ないが、Adobeをはじめクリエイティブ系アプリメーカーが利用へ動いているため今後、対応アプリが増えてくれればAIマスク機能などをより高速に処理できる未来に期待できそうだ。
まとめ──写真を仕上げる工程まで寄り添うノートPC
「持ち歩ける編集環境」は、多くのフォトグラファーの理想と言えるだろう。LG gram Pro 2in1 16は、その理想を高いレベルで実現している。広色域ディスプレイ、スタイラス対応、タブレットモード、USB4(Thunderbolt 4)、そして1,399gという軽量性──どれもが「現場で仕上げる」際にありがたい機能だ。
LG gram Pro 2in1 16なら移動・撮影・編集・共有をシームレスに繋げることができる。ホテルでもカフェでもクルマの中でも、このPCさえあれば制作が止まることはない。長時間の持ち歩きにも耐える軽さとバッテリー持続時間、安心して扱える堅牢性も、旅の記録を支える大切な要素だ。
カメラとレンズの次に、フォトグラファーが選ぶべき道具として、LG gram Pro 2in1 16は、確実にその選択肢の一つに加えることができると感じた。
編集部注:中原さんに、今回の試用レポートを動画にまとめていただきました。タイムラプス動画もこちらで確認できます。
- 製品・状況撮影:曽根原昇
- モデル:ARISA(ジーパーズ)
- 撮影協力:OMO7旭川 by 星野リゾート、CAFE YOMU