DxO Creators

新しい写真表現を切り開く

第1回:鎌田風花=PhotoLab 10&FilmPack 8

ニコン Zf/NIKKOR Z 85mm f/1.8 S/85mm/マニュアル露出(F3.2、1/800秒)/ISO 100/WB:オート

DxOの誇る4つのソフトから写真家が愛用ツールを選んで、表現の可能性を探る新連載がスタートします。記念すべき初回は優しい光を捉える鎌田風花さんが登場。AI補正に優れた「PhotoLab 10」と銀塩の質感を再現する「FilmPack 8」を使って、ポートレートを柔らかく透明感あふれる1枚に仕上げる技を紹介します。

鎌田風花

フォトグラファー。兵庫県神戸市在住。優しい光をまとった、ナチュラルで透明感のある風景写真やポートレートを得意とする。企業とのタイアップ撮影や出張撮影、写真記事の執筆など多方面で活動している。ニコンカレッジ講師。

※本企画は『デジタルカメラマガジン2026年10月号』より転載・加筆したものです。

BEFORE|AFTER
ニコン Zf/NIKKOR Z 85mm f/1.8 S/85mm/マニュアル露出(F2、1/800秒)/ISO 100/WB:曇天
モデル:森本美来

高度なAI補正とフィルム質感で写真の表現力を一段引き上げる

PhotoLab 10の緻密なAI補正で写真の土台を整え、FilmPack 8で深みのある質感を重ねる工程は、私が大切にする「柔らかい空気感や透明感」を描き出す上で欠かせない。特に人物撮影における微妙な肌調整や、光と影の明暗差が大きい場面で優れた補正効果を発揮する。シームレスに連携できるので実に便利だ。

単にプリセットを適用して終わらせるのではなく、意図に合わせて微調整を重ねる姿勢が作品の完成度をぐっと高めてくれる。表現の幅を一段広げたい場面で、この連携は写真表現の強い味方になっている。

使用ソフト

DxO PhotoLab 10
新規価格:3万2,900円
アップグレード版:1万6,900円
対応OS:macOS 15.7(Sequoia)、Windows 11(24H2)64ビット

全体補正に加え高度なAIマスクを備える現像ソフト。人物や背景を精密に分け、直感的な操作で思い通りの透明感を素早く表現できる
DxO FilmPack 8
新規価格:1万4,900円
アップグレード版:8,900円
対応OS:macOS 14.7(Sonoma)、Windows 11(24H2)64ビット

銀塩フィルム特有の発色や粒状感を緻密に再現できる。豊富なプリセットと自由度の高い微調整で、味わい深い温かみを作り出せる

【PhotoLab】土台の色調を整えたのち、AIマスクで肌の色を調整する

トーンカーブで基本補正を施し、写真の土台を整える。次にAIマスキングを活用する。カーソルを合わせるだけで肌の領域を自動認識し、細部まで瞬時に選択できる。煩雑な手作業から解放され、直感的な編集に専念できるのが魅力だ。

今回は透明感を際立たせるよう肌のトーンを整えた。マイクロコントラストを少し下げると肌は滑らかになる。ただし落とし過ぎるとリアリティーが失われるため、丁寧な微調整を意識したい。

顔や瞳など部分ごとにマスクが選べる
マイクロコントラストを下げて質感を滑らかにする
肌の色合いが健康的な色に変化した

【PhotoLab】色相マスクで壁に赤みを加えてピュアな雰囲気を演出する

壁と肌の色調が同化しやすいため、色相マスクで壁のみを選択する。ほんのり赤みを加えてピュアな印象を与えつつ、マイクロコントラストを上げてコンクリートの質感を際立たせた。足元の草むらは、黄みがかった色みから青緑へ振ってみずみずしさを引き出している。緑が不自然に主張しないよう彩度を抑えるのがコツだ。光の表情を残しながら、透明感あふれる写真に仕上げている。

背景を選択した後、変えたい色相を選ぶ
温かく優しい雰囲気に仕上がった

【FilmPack】プリセットから使いたいフィルムを選択する

画面右上のメニューから、多彩なプリセットを選択可能だ。FilmPackを導入すれば、PhotoLab上で直接フィルム特有の味わいを適用できる。サムネイルに仕上がりが反映されるため、完成形を思い描きながら直感的に選べるのがうれしい。両ソフトのシームレスな統合は大きな魅力で、フィルムの質感を重ねた後にそのまま細かな微調整へ移行できるので、ストレスなく作業に没頭できる。

プリセット欄には、FilmPackのフィルムが種類ごとに分類されている

【FilmPack】Pro 400Hでノスタルジックな雰囲気に

同一データを用いて、2種類のフィルム描写を比較した。多様な表現を自在に試せるのはFilmPackならではの大きな魅力だ。高コントラストな「Agfa Vista 200」は明暗の対比を鮮明に描き出し、メリハリの効いた仕上がりを生み出す。

一方「Pro 400H」は彩度を抑え、画面全体を柔らかくノスタルジックな空気で包み込む。プリセットを切り替えるだけで、写真から受ける印象や表現したい空気感は大きく変化する。

アナログ調の質感に仕上がった

デジタルでフィルムらしさを表現できる「FilmPack 8」

PhotoLabとの組み合わせも便利だが、FilmPackは単独でも利用できる。ここでは強い日差しとぬくもりを伝えるため、発色が良くレトロな質感を持つ「Lomography Color Negative 400」を選んだ。多彩なプリセットには解説が添えられ、選択時の指針になる。

粒状感や再現性の微調整幅が広く、フィルム特有の「光漏れ」の位置や強弱を自在にコントロールできる点もデジタルならではの魅力だ。補正前の硬さが抑えられ、画面に柔らかな温かみが宿る。フィルムの個性を違和感なく取り込める再現性の高さが光る。

フィルムの粒状感などを細かく設定できる
フィルムらしい色づきや光漏れも再現可能だ

INFORMATION

鎌田風花さんが使った2つのソフトが20%オフで購入できる読者限定クーポンコード

DxOソフト購入時の画面で、プロモーションコード欄に「DXODCM26」と入力すると、すべてのソフトが通常価格の20%オフで購入できます(2026年12月31日まで)

販売サイト:https://shop.dxo.com/ja/

鎌田風花