4月号【山口愛実 + ニコンD3S】3週目
~効率の良い「RAW+JPEG分割記録」


 3週目の上ブロック、右上はISO320、中央ISO250、ほかはISO200。絞りF3.2~3.5、シャッタースピード1/200~1/250秒。下ブロックはすべてISO200、絞りF5.6~6.3、シャッタースピードは1/500~1/640秒となっている。レンズはすべて「Ai AF Nikkor 50mm F1.4」だ。上ブロックはリニューアルした場所を使い切ったので、これまでと変わっていない一室。下ブロックは午前中順光で撮れなかった場所が日陰になってきたので、午後再挑戦だ。とてもこれまでと同じ屋上とは思えない雰囲気となっている。

 今回はCF1枚で撮影したため使っていない「D3S」の機能として、デュアルカード装着時、片方にはJPEG、もう一方にはRAWを分けて記録する「RAW+JPEG分割記録」を持っている。これは使い様によってはかなり便利だ。最近の仕事のパターンとして、JPEG(Sサイズ)+RAWで撮り、先にJPEGのみ納品、もしくは現場でクライアントのPCへコピー(またはメディアへコピー)。セレクトした結果をメールで受け、RAW現像し最終納品というパターンが多い。昔はRAWで撮って全カットRAWで納品と言われていたものの、流石に画素数が上がり、1枚1枚RAW現像して、写真を確認するには効率が悪過ぎる。クライアント側も学習したのだろう。

 シングルカードだと、JPEGとRAWファイル混在になっているので、渡すときJPEGのみを選択しコピーしたり、JPEG(Sサイズ)のみだと何千枚も入るメディアもRAWが一緒だとすぐいっぱいになったりする。それをJEPGとRAWで、物理的にカードを分離できれば、現場での作業がパッパとでき効率が良さそうだ。

 この連載では扱っていないが、最近動画にも興味を持っているので、ニコンのWebでスペックを見ていたところ、1,280×720ピクセル、24fps、AVI形式もしくはMotion JPEGで記録できる。ライブビューは、コントラストAFを使った三脚撮影モードと、位相差AFによる手持ち撮影モードを搭載。始点や終点を1フレーム単位で設定できるカメラ内動画編集機能など、いろいろな機能を持っている。その中で笑ってしまったのは(失礼)、外部マイクによるステレオ録音撮影の部分。写真が掲載されていて、「アクセサリーシュー」の部分にマイクが乗っかっているのだ。通常、ストロボが乗っている部分なだけに、ここに外部マイクがあると妙な気分だ。

 もう1つ、ムービーで面白そうな部分としては、動画撮影時のISO感度をISO6400~Hi3(ISO102400相当)の範囲でカメラが自動的に制御する「高感度動画撮影モード」が挙げられる。本連載のような被写体のケースはまず使わないモードであるが、肉眼でも結構厳しいと思われるこれだけの高感度を必要とする被写体は何なのか、また撮影した映像はどんな感じなのか、同社のWebにサンプルはあがっているものの、もっといろいろ見てみたい。

 静止画の画質的には、以前「D3」を扱った時と比較して、少し全体のトーンが大人しく(上品?)なったような気がする。当時はRAW現像ではなくJPEGからの掲載、また撮影条件がまったく違うので、実際のところどうなのかわからないが、そう思いながら現像処理をしていた。

 愛実ちゃん、彼女のブログを見たところ、ちょうどこの18日の日曜日、「勝手にぉ誕生日撮影会」と題して撮影会があるようだ(誕生日おめでと!)。天気も良さそうなので、興味のある人はぜひ、遊びに行って欲しい(続く)。

actress山口愛美AVILLA
photographer西川和久
D3S
Ai AF Nikkor 50mm F1.4



西川和久
(にしかわ かずひさ) 1962年11月生まれ。もともとPC系のライター&プログラマーであったが、周辺機器としてデジカメを使い出してから8年。気が付くとグラビアカメラマンになっていたと言う特殊な経歴の持ち主。初めて使った一眼レフはCanon EOS DCS 1c。現在、dwango.jp(待受)のグラビアマガジン、着エロ系DVDのジャケ写などで活躍中!http://www.iwh12.jp/blog/

2010/4/16/ 00:00