4月号【山口愛実 + ニコンD3S】4週目
~オフショット編

 「D3S」の特徴はいろいろあるものの、写真的にはやはりFXフォーマットということに尽きる。この連載でFXフォーマット(相当)のカメラは年に何度も扱わないので、ファインダー越しの絵の気持ち良さ、例えば広がりだったり、奥行き感などは圧倒的だ。主に使うレンズも焦点距離が35mmから50mmへ変わるため、極端な話、撮り方まで違ってくる。この点だけは、筆者の愛機、「D2X」ではどうにもならない。

 余談になるが、先週DVDビデオのロケに行ってきた。ここ1~2年は日帰りの撮影ばかりで、2泊3日は久々。もちろん使ったカメラはD2X。レンズはこの連載と同じく、「Ai AF Nikkor 24mm F2.8」、「Ai AF Nikkor 35mm F2」、「Ai AF Nikkor 50mm F1.4」だ。JPEG+RAWで撮影し、先にJPEGだけ納品、セレクト後、RAW現像するいつものパターン。ちょうどこの4月号でD3Sを使ったばかりなので、いろいろな違いが結構分かった。

 冒頭に書いたFXフォーマットとDXフォーマットの違いは仕方ないとして、一番の違いは肌色の出方と、ISO400以上のノイズだろうか。肌色に関しては、一見綺麗に見えるがスベスベ過ぎるD3Sに対して、綺麗さはD3Sに劣るものの、妙に生っぽいD2Xと言った感じだ。これは好みの問題もあると思うが、筆者の好みは後者となる。ISO400以上のノイズに関しては、流石にD3Sの圧勝だ。D2XはISO400でもそれなりにノイズが目立つ。ただ当倍で見ればと言う条件なので、雑誌やパッケージに使う写真としては許容範囲。多分、ダイナミックレンジも違うと思われるが、撮っている限り、あまり気にならなかった。

D3S + Ai AF Nikkor 50mm F1.4
ISO200 / WB:オート / F6.3 / 1/400秒 / RAW(ViewNXで現像)



 バッテリーに関しては、予備で1本持っていったものの、1日の最後の最後でインジケータが1目盛減った程度で問題無し。これは昔と違って1シーンで何百枚も撮らなくなったことも関係ある(最近だと150枚前後)。操作性はもともとハイエンド機なので細かい違いはあってもほぼ同じ……という事で、筆者が使う範囲では、特に欠点も見当たらず、D2Xには壊れない限りまだまだ現役で頑張ってもらうことになりそうだ。ただ次に買い換える時は、FXフォーマット機になることだけは間違いない。

actress山口愛美AVILLA
photographer西川和久
D3S
Ai AF Nikkor 50mm F1.4



西川和久
(にしかわ かずひさ) 1962年11月生まれ。もともとPC系のライター&プログラマーであったが、周辺機器としてデジカメを使い出してから8年。気が付くとグラビアカメラマンになっていたと言う特殊な経歴の持ち主。初めて使った一眼レフはCanon EOS DCS 1c。現在、dwango.jp(待受)のグラビアマガジン、着エロ系DVDのジャケ写などで活躍中!http://www.iwh12.jp/blog/

2010/4/23/ 00:00