写真家が監修したフォトグラファー向けPCが登場!

現像、プリントまでを写真編集PCエントリーモデルで挑戦!

街スナップのコツや現像テクニックも公開

TSUKUMOが展開するBTO PCブランド「eX.computer」から、写真編集PCが登場してそろそろ1年。ラインナップのうちエントリーモデルが新しくなりました。

eX.computerブランドの写真編集(RAW現像)向けパソコン(PS5J-A81/T)※ディスプレイ、キーボード、マウスは別売

発売にあわせ、エントリーモデルを監修した写真家・若子jetさんの撮影に同行して、作品作りまで見せてもらいました。

場所は東京の表参道。最近、大阪など街中でのスナップで写真展や写真集に力を入れる若子jetさんに、撮影スタイルや、作品へのこだわりについて聞きます。(質問:編集部 回答:若子jet)

街スナップで被写体を切り取るセンスとは

写真編集用エントリーPCを監修した若子jetさんと表参道へ!

表参道にはよく撮影に来られるのですか? この街の魅力とは?

常にトレンドの先端を走りつつしも、時代の歴史を刻んでいく街並みだと思います。街の景観も非常に美しく、その時々の季節を感じられるのも表参道の街の魅力です。

また、つくりこまれたショーウインドウなど、魅了してしまうほどのフォトジェニックなモチーフも多く、街歩きが楽しくなるエリアだと思います。

今回は街スナップです。普段の広告写真の仕事や、スタジオでの作品撮影との違いは?

クライアントの依頼に沿った限られた条件、時間内での撮影とは全く異なります。気分的にのびのびしながらの撮影は開放感があり、自由度の高い撮影だと思っています。

今日のカメラはあまり大きくないですね。

開放的な散歩を楽しむことに集中したく、スナップ撮影時の機材は、いつも身軽に最小限にするよう、心がけています。それに、単焦点レンズを使用することによって、被写体との距離感を楽しむ事ができます。

若子jetさんが使っていたのは、OLMPUS PEN-FとM.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8。

街中で被写体を探すコツを教えてください。

いつも私が街スナップに行く際には、事前にその街の歴史や撮影ポイントを調べた上で、自分なりのコースを見つけ、そのコースに沿った形で、街に出かけます。できれば何かのついででもいいので、下見をする機会があるといいでしょう。

光と影、造形美、色、写り込み、季節、時間、天候によって、狙いは変わってきますが、その街に出かけてみた時の印象を大切にシャッターを切ることを心がけています。

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現像作業はスムーズなのが一番!

撮影後は、若子jetさんが講師を勤めているデジタルハリウッド大学へ。監修したeX.computerの写真家向けエントリーモデルを使いながら、撮影した画像のRAW現像からプリントまでを試してもらいました。

基本的にはRAWで撮影するのですか? RAW現像時によく補正する項目は?

基本的には、RAW形式とjpg形式で同時記録撮影をします。JPEGはセレクト用なので、撮影時には最小サイズに設定しています。

また、オリンパスのカメラのときは、どのアートフィルターが合うのか事前に確かめるため、カメラ内でアートブラケット機能を試すことで、イメージをより明確化させることもあります。

強い逆光だったため、撮影時には適正露出をどこに合わせたらが良いか不明確でした。また主役の照明ランプに対しての枠役である副題の情報が多かったため、トリミング補正をしました。そうすることですっきりとした印象になったのではないかと思います。(若子jet)

《調整内容》露出補正:+0.8EV / 仕上がり:Flat / ハイライト&シャドウコントロール:Midtone -1 / トリミング適用 / ランプの中とランプ周りの背景を覆い焼き / 右下の木の枝の白箇所をバッチツールで茶色くコピー
元画像

普段からRAW現像はカメラではなくPCで行っていますよね。

撮影段階でイメージした仕上がりに向けた正確性を求めていくことも大切ですが、最終的な仕上げをするPC環境はとても大事なことだと思います。

撮影後のPC作業は、スムーズに操作できることで、撮影に集中でき、仕上げのイメージを崩すことなく、ゴールを目指せます。

この日は曇っていたので、ショーウィンドウの反射も少なく、自分自身が写り込まないように角度を変えて斜めから撮影をしました。元々のこちらのモチーフに出会った時の印象が強かったので、あえてRAW形式で現像時に画像をあまり調整せず、そのままの色を見せました。(若子jet)

《調整内容》仕上がり:Vivid / 上下の棚部分を焼き込み
元画像

今回、ご自身が監修したエントリー向けPCで、RAW現像やアートフィルターを適用していました。普段のPCより非力に感じた部分はありますか?

いつも使っているOlympus Viewer 3でPEN-Fの画像を現像しましたが、画像の切り替えや拡大もスムーズで、アートフィルターも瞬時に切り替えられました。エントリークラスとはいえ問題なく操作できました。

他のeX.computerの写真編集モデルよりスペックは低めですが、よほど大量のRAWを扱わない限り問題はないはずです。価格も安めに設定できたので、しばらくPCを買い換えてない人や、家族のための買い換え候補などとしておすすめできます。

ジオラマモードを用い、洋服のビビットさを強調しました。視線を人物に行くよう、左右にジオラマモードのぼかしを入れ、紙袋などの文字の情報も減らしています。人物や場所の情報が明確にならないよう、シャッターを切るタイミングや、通り人の顔の向きなどに気を使いながら、何枚かシャッターを切りました。(若子jet)

《調整内容》アートフィルター:ジオラマ2 / 露出補正:+0.8EV / 仕上がり:Vivid / ハイライト&シャドウコントロール Highlight -5、Midtone -6 / ショーウィンドウ内部を焼き込み / バッチツールでゴミ消し / スタンプツールで右下の白い線を消去
元画像

やっぱり写真はプリントしたい!

現像が終わったら今度はプリントです。今回は若子jetさんの強い希望で、額装まですることにしました。

撮影するだけなく、プリントすることにこだわりはありますか?

写真はプリントが最終形態だと思います。そしてぜひご自分の部屋に飾ってください。プリントすることで思い入れが強まり、フレームに入れることで「作品をつくった」という意識が高まります。

撮るだけでも楽しいものですが、プリンターやPCを使って作品まで持っていくことも、写真の楽しみではないでしょうか。

表参道の路地の中に入って行くと、静かな住宅地も多く見られます。街中に金魚が気持ち良さそうに泳いでいるのが、とても印象的でした。直接的な強い光が入ってしまい、金魚の質感が出ていなかったので、露出をマイナス側にして、ポップアートで主役の金魚と水面を鮮やかに変えました。(若子jet)

《調整内容》アートフィルター:ポップアート2 / トリミング適用 / 池の中を焼き込み / バッチツールでゴミ消し
元画像

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eX.computerの他の写真編集PCと違い、スリムケースを採用したエントリーモデル。マスターズモデルやプレミアモデルのような、有り余るパワーで大量の画像処理をこなすタイプではないものの、2,000万画素クラスのRAW画像を楽々扱うパフォーマンスは十分持っています。

写真編集エントリーPC
ブランドeX.computer
CPUCore i5-6500
メモリ8GB DDR4
マザーボードMSI H110M PRO-VH
グラフィックインテルHD Graphics 530
ストレージ2TB HDD
光学ドライブDVD SuperMulti
カードリーダー
OSWindows 10 Home
販売価格7万4,800円(税別)

制作協力:株式会社Project White
撮影協力:デジタルハリウッド大学
撮影(屋内):曽根原昇

デジカメ Watch編集部