デジカメドレスアップ主義:ハッセルファインダーを液晶フードに

オリンパス・ペンE-P2 + カールツァイスプラナー T* 85mm F1.4 AEG
Reported by澤村徹

  • ボディ:オリンパス・ペンE-P2(ブラック)
  • レンズ:カールツァイスプラナー T* 85mm F1.4 AEG
  • マウントアダプター:muk select ヤシカ/コンタックスアダプター
  • 液晶フードアダプター:muk select ハッセルファインダーアダプター
  • ファインダー:ハッセルブラッド500C用ファインダー

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 背面液晶モニターを使ったライブビューの弱点は、逆光下で液晶モニターが見づらくなってしまう点だ。これを補うアイテムとして、液晶モニターフードが挙げられる。背面液晶モニターをフードで覆い、視認性を向上するアイテムだ。しかしながら、液晶モニターフードは実用アイテムのため、オールドレンズを付けたボディにはあまり似合わない。そこで紹介したいのが、ペンE-P1/2用ハッセルファインダーアダプターである。

 この製品は、ハッセルブラッド用ファインダーを液晶モニターフードとして使うためのアダプターだ。ハッセルブラッドはプロ向け中判カメラとして黄金期を築いた機種で、フォーカシングスクリーンの上に着脱式ファインダーを取り付ける。このファインダーをE-P1/2の液晶モニターフードとして流用しようというわけだ。販売はアダプターのみで、ハッセル用ファインダーが別途必要となる。

 クラシックカメラのパーツをそのまま装着するだけあって、オールドレンズとの相性は抜群だ。精密加工でボディとしっかりフィットするため、実用性も高い。ハッセル用ファインダーはルーペが付いており、ルーペ越しにのぞくとEVFに似た見え具合になる。若干四隅がケラレるが、のぞき込むように見れば四隅まで確認できる。また、収納時はファインダーを折り畳めるというメリットも見逃せないだろう。なお、E-P2装着時はEVFが取り付けられない。この点は注意が必要だ。

ハッセルファインダーを付けるだけで、不思議なほどクラシックテイストが高まる改良版はファインダーと本体の間が狭くなり、視認性がさらに向上するという
ハッセルファインダーのルーペを引き起こすと、EVFに似た見え方になるハッセルファインダーは折り畳み式なので、カメラバッグなどにスマートに収納できる

 本製品はmuk selectが企画し、三晃精機が製造したコラボレーションプロダクツだ。ともにドレスアップ好きのマイクロフォーサーズユーザーにはおなじみの会社だろう。今回借りた製品は試作品で、製品版ではいくつか改良点がある。三脚穴の追加、アダプター本体の薄型化、Rによる面取りが主な改良点だ。また、取り付け位置をハッセルのオリジナルボディと同じ距離にすることで、試作品よりも視認性が高まるという。注文はmuk selectのホームページですでに受け付けており、受注生産になる予定だ。

アダプターはデルリン材の削り出し。受注生産でmuk selectから注文できる。ハッセルファインダーは別売だカメラ本体の三脚穴に付属のネジで固定する。改良版では別途三脚穴を設ける予定だという
アダプターは本体背面にジャストフィットし、高精度な加工をうかがい知ることができるヤシコンアダプターはmuk selectで取り扱いのあるRJ Camera製。実勢価格7,800円

 ハッセルブラッドといえばプラナーだ。ここではプラナーつながりということで、ヤシコンマウントの「プラナー T* 85mm F1.4 AEG」で撮ってみた。プラナー T* 85mm F1.4はピントの山がつかみづらいレンズとして有名だが、ハッセルファインダーと拡大表示を併用することで、開放撮影でもピント合わせがやりやすい。「開けて柔らかく、絞って固く」を自在にコントロールできる撮影スタイルだ。作例はRAWで撮影し、Lightroomでストレート現像したものを掲載している。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなしのRAW現像画像(JPEG)を別ウィンドウで表示します。
E-P2 / プラナー T* 85mm F1.4 AEG / 4,032×3,024 / 1/640秒 / F1.4 / +0.3EV / ISO200 / WB:オート / 85mmE-P2 / プラナー T* 85mm F1.4 AEG / 4,032×3,024 / 1/500秒 / F2 / +0.3EV / ISO200 / WB:オート / 85mm
E-P2 / プラナー T* 85mm F1.4 AEG / 4,032×3,024 / 1/500秒 / F5.6 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 85mmE-P2 / プラナー T* 85mm F1.4 AEG / 4,032×3,024 / 1/1,250秒 / F1.4 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 85mm
E-P2 / プラナー T* 85mm F1.4 AEG / 4,032×3,024 / 1/400秒 / F2 / +0.7EV / ISO200 / WB:オート / 85mmE-P2 / プラナー T* 85mm F1.4 AEG / 4,032×3,024 / 1/1,600秒 / F1.4 / +0.7EV / ISO200 / WB:オート / 85mm

【2010年6月15日】三晃精機へのリンクを修正しました



(さわむらてつ)1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。ライター、写真家。デジカメドレスアップ、オールドレンズ撮影など、こだわり派向けのカメラホビーを提唱する。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」シリーズをはじめ、オールドレンズ関連書籍を多数執筆。http://metalmickey.jp

2010/5/28 00:00