写真展レポート

ソニーイメージングギャラリー5周年記念作品展 Next Generation

若手の新進作家8名の作品が展示

2019年7月、ソニーイメージングギャラリーは開館5周年を迎えた。同ギャラリーではこれを記念し、「Next Generation」と題して新進作家の作品を紹介する展覧会が開催されている。会期は7月12日から7月25日まで。Part1とPart2の2期にわけて、計8名の作家の作品が展示されることになる。

Part1の展示作家

7月12日から7月18にかけて展示されるPart1に出展している作家は、髙倉大輔さん、高縄奈々さん、中井和味さん、原田佳典さんの計4名。それぞれ全く違うアプローチで制作された作品が一堂に会する展示空間となっている。作品ジャンルもポートレート作品から海中、スナップと、その表現方法は様々だ。

Part1で出展している作家中、髙倉大輔さんの作品は最も大きなプリントで展示さている。タイトルは「loop pieta/vein」。展示のレイアウトは“教会の祭壇をイメージしたもの”とのことで、空間を支配するほどの大きめのレイアウトをするために、この大きさの作品プリントにする必要があったのだそうだ。

【2019年7月17日修正】髙倉さんの作品説明に一部誤りがありました。訂正してお詫び申し上げます。

髙倉大輔さん

高縄奈々さんの作品は、御蔵島(東京都)周辺に生息しているミナミハンドウイルカを捉えたもの。厳しい環境の中で生きるイルカの様々な姿を伝えたいというメッセージのとおり、真正面からその表情を捉えた作品や雄大な群泳像を捉えたものなど、イルカの様々な姿が紹介されている。作品は素潜りで撮影するスタイルだという高縄さん。現在はイルカが主要な被写体とのことだったが、クジラを超望遠レンズで捉えた作品の制作もしているとのこと。

高縄奈々さん

古語で「美しい場所」を意味する言葉「まほらま」を展示タイトルとした中井和味さん。作品は、複数の島をめぐって撮影したものとのことで、フィルムのような独特の色調に仕上げられた作品がならぶ。作品点数は、Part1で展示している作家の中では最も多く、“展示の方法も引いて見たときにも全体でまとまりのあるものとして見えるようにした”とのことで、全体に光あふれる作品で統一されている。きらめくような光が写しとめられているが、ハイキー調のドリーミーなものとするのではなく、明るめの色調の中で被写体をしっかりと描き出すことに留意したのだという。

中井和味さん

現在、大学在学中だという原田佳典さんは、今回Part1で出展している作家中でも最年少に位置づけられる。今回の作品はインドを旅して撮影したもので、タイトルは「萍逢鉄路(へいほうてつろ) 眼差しのインド」。急成長をとげつつある同国で、その役目を終えつつある軽便鉄道と、人々の姿を捉えたスナップ作品8点がならぶ。鉄道撮影から入っていったという原田さん。写真は独学で雑誌やWebなどから学んでいったのだと話す。

原田佳典さん

ギャラリートークも

7月13日と14日には、出展作家によるギャラリートークも実施される。

13日は高縄奈々さんが。14日には、高縄さんと髙倉さん両名のお話を聞くことができる。

期間中は作家が在廊している時間も多いとのこと。作家との距離も近い展示空間となっているので、気軽に作品について聞くことができそうだ。

Part2は、7月19日から7月25日まで。出展作家は、葛西亜理沙さん、内藤由樹さん、武井琴さん、長谷康平さんの4名となっている。

ギャラリートーク(敬称略)

高縄奈々(Part1)

7月13日(土)14時00分〜14時45分
7月14日(日)14時00分〜14時45分

髙倉大輔(Part1)

7月14日(日)16時00分〜16時45分
※ゲスト:木村佳代子(画家)

武井琴さん(Part2)

7月21日(日)14時00分~14時45分
※ゲスト:池田将(映画監督)

内藤由樹さん(Part2)

7月21日(日)14時00分~14時45分
※ゲスト:速水惟広(T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO ファウンダー)

展示概要

タイトル

ソニーイメージングギャラリー5周年記念作品展 Next Generation

所在地

ソニーイメージングギャラリー 銀座
東京都中央区銀座5-8-1 銀座プレイス6階

会期

Part1:2019年7月12日(金)~7月18日(木)
Part2:2019年7月19日(金)~7月25日(木)

開館時間

11時00分~19時00分

休廊日

なし(銀座プレイス休館日を除く)

本誌:宮澤孝周