写真展告知

生誕120年 安井仲治―僕の大切な写真

《馬と少女》 1940(個人蔵/兵庫県立美術館 寄託)

兵庫県立美術館は、写真家の安井仲治氏の生誕120年を機に、その全貌を改めて広く紹介するため、展覧会「生誕120年 安井仲治―僕の大切な写真」を12月16日に開催する。

1903(明治36)年に現在の大阪市中央区に生まれた安井は、親から与えられたカメラに魅せられ、10代にして同好の士が集う関西の名門、浪華写真倶楽部の会員となり、瞬く間に日本全国にその名を知られる写真家となります。ピグメント印画の技法を駆使した作品や、1930年前後の日本で流行した新興写真と呼ばれる絵画とは異なる写真ならではの画面を志向する作品など、安井の作品は時代の潮流に敏感に反応しながらも、カメラを介して世界と向きあった時に生じる心の震えを繊細に、時には激しく受け止めている点において一貫していました。卓越した作品とともに温厚篤実な人柄から人々に慕われた安井はしかし、1942(昭和17)年に病によりこの世を去ります。38歳の若さでした。

この度の展覧会では、作家自身の手掛けたヴィンテージプリント141点と、この度の展覧会を機に新たに制作された23点を含むモダンプリント合計64点をご紹介します。作品は時系列に沿いつつ、作品に応じて5章に分けて構成し、その業績の全貌を辿ります。あらゆる対象に食い入る安井の眼の特質が一層明らかになり、その作品はさらなる象徴性を帯びて安井の生きた時代を、そして私たちが生きる現代を照らしだすことでしょう。

写真展情報

《猿廻しの図》 1925/2023(個人蔵)
《(凝視)》 1931/2023(個人蔵)
《蛾(二)》 1934 (個人蔵/兵庫県立美術館 寄託)
《浅春》 1939(個人蔵/兵庫県立美術館 寄託)
《流氓ユダヤ 窓》 1941(個人蔵/兵庫県立美術館 寄託)

会場

兵庫県立美術館
兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1

開催期間

2023年12月16日(土)~2024年2月12日(月)

開催時間

10時00分~18時00分(入場は17時30分まで)

休館日

月曜日、年末年始(12月29日~1月2日)、
※1月8日(月・祝)と2月12日(月・振休)は開館
※1月9日(火)は休館

入館料(当日券・個人)

一般:1,600円(前売券は1,400円、障害者手帳の所有者は400円)
大学生:1,000円(前売券は800円、障害者手帳の所有者は250円)
高校生以下:無料
70歳以上:800円