写真展告知

青野茂昭写真展:飛行機標本

(c)2023 Shigeaki Aono

成田空港のそばに生まれて、いつも飛行機を眺めて育った。そのせいか中学生の頃からパイロットに憧れていた。進路を考える高校2年生になって具体的にその道への一歩を進もうとしたとき、当時は受験資格が視力1.0以上が条件と知り、早々にパイロットになる夢は諦めることとなった。高校2年の修学旅行であの赤い鶴のマークがついた日本航空のジャンボ機に乗ってから、飛行機の写真撮影に夢中になった。

仕事を始めてからも、成田や羽田はもちろん、転勤先の東北、北海道、九州、アメリカなどで旅客機を中心にあちこち撮影に出かけた。日本航空のジャンボジェットのラストフライトの時には仕事を休んでハワイまで撮影に出かけたほどだ。かれこれ40年以上も飛行機撮影に没頭している。自分自身では空を自由に飛び回ることはできないが飛行機に乗ると世界のあらゆる所に短時間で移動できる憧れがある。自分が乗っていなくても飛んでいる飛行機を見るでだけで心が癒される。飛行機の嫌いな人にとってはただの騒音にしか聞こえないエンジンの音を聞くだけでどんな飛行機が飛んでいるか機体を探しに空を見上げることにワクワクしてしまう。飛行機を見たり、エンジンの音を聞いているだけで幸せな気分になってしまう。興味のある飛行機の機番を記録するためにコレクション的に飛行機の撮影を初めたがその後は地上にいる飛行機・飛んでいる飛行機を風景と共に撮影するのが好きになっていった。

これまで撮影した枚数は裕に100万枚は超えている。青い空や夕焼け空、夜空をバックにドラマチックな情景で捉えられた時は至福のときだ。ヘリコプターからの撮影に挑むこともあれば、限定ラッピングの旅客機を目的に空港へ入浸る日もある。とにかく様々な方法で飛行機をカッコよく撮ることに熱中してきた。2020年から東京の都心上空を旅客機が通過する羽田新ルートができて、都心の真上に飛行機を簡単に見る機会ができた。機種ごとに異なった翼や胴体、それぞれの航空会社のロゴやカラーがシンプルな背景だけにより際立つ。改めて写真にすると、巨大な飛行機がまるでおもちゃや生き物のように見えてきた。子どもの頃昆虫採集をしたような気持ちで、カメラを使って飛行機を集めてみた。真下捉えた飛行機たちの、飛ぶために作られた無駄のないフォルムがより強調されて写っていた。飛行機の美しさに改めて感動している。

写真展情報

会場

Jam Photo Gallery
東京都目黒区目黒2-8-7 鈴木ビル2階 B号室

開催期間

2023年7月18日(火)~7月23日(日)

開催時間

12時00分~19時00分(日曜日は17時00分まで)

休廊

月曜日

作者プロフィール

1964年千葉県成田市生まれ。医師。1980年から写真を始める。
2016年10月 成田飛行機クラブ写真展 IMPRESSIVE SKIES 出品
2021年8月 成田飛行機クラブ写真展 IMPRESSIVE SKIES’ 出品
2022年3月 鶴巻育子ゼミ修了展 Trimmed Tokyo Sky 出品
2022年12月 SKY MOMENTS日本航空写真家協会2022写真展 入選
2023年3月 鶴巻育子ゼミ修了展 飛行機標本 出品