写真展告知

山崎弘義写真展:CROSSROAD

オリンパスギャラリー東京(3月4日~)

平成から令和に、日本人にとってこの切り替えは大きな節目だが、他国の人にとって特段の感慨はないに違いない。平成の30年間はどんな時代だったのだろうか。そもそも平成は天皇の崩御を起点に始まっている。そしてバブル経済の頂点からジェットコースターで坂を下がるように泡銭(あぶくぜに)の泡はあっという間に萎んでしまう。

CROSSROADは平成2年から平成8年にかけて撮影している。いわばバブルの頂点から泡が弾けた時期に東京の繁華街を中心に撮影されている。近過去であるにも関わらず、近いような遠いような不思議な感覚を作者自身感じている。本作を制作するにあたり、過去のベタ焼きを全て見直して、新たに選び直す作業を行った。

ゼンザブロニカの中判カメラにパノラマのフィルムバックを装着し、サンパックのグリップストロボを日中発光しながら街路をうろついていた時に、20数年後に展示することなど考える余裕などなかった。執拗に自分が求める街と人のイメージを追い求めていたように思う。

20数年の時間を経て、撮影者のエゴも洗い流されてしまって、そこに街と人の姿が露わになり、現在から見た平成前期の東京の姿が写し出されていたなら幸いに思う。

出展作品数:ゼラチンシルバープリント約60点

写真展情報

会場

オリンパスギャラリー東京
東京都新宿区西新宿1-24-1 エステック情報ビル地下1階

開催期間

2021年3月4日(木)~3月8日(月)

開催時間

11時00分~16時00分
※緊急事態宣言の発令につき短縮営業中。写真展期間中に緊急事態宣言が解除された場合は、Webサイトにて営業時間を案内する。

休館

火曜日・水曜日

作者プロフィール

1956年埼玉県生まれ。1980年慶応義塾大学文学部哲学科卒。1986年フォトセッション’86に参加し、森山大道氏に師事。
1987年東京写真専門学校報道写真科II部卒業。現在、日本写真芸術専門学校非常勤講師、ギャラリーヨクト運営メンバー。

主な写真展

1990年「路上の匂い」(ミノルタフォトスペース)
1992年「はざまの表情」(オリンパスホール)
1994年「クロスロード」(コニカギャラリー)
1996年「ウォーク・オン・ザ・サニーサイド」(ドイフォトプラザ)
2014年「Outskirts」(Totem Pole Photo Gallery)
2015年「DIARY 母と庭の肖像」(新宿ニコンサロン)
2016年「水と緑と太陽の町」(コニカミノルタプラザ)
2017年「KnowTyself」(TAPgallery)
2017年「Around LAKE TOWN」(オリンパスギャラリー東京)
2018年「Around LAKE TOWN2」「Around LAKE TOWN3」(ギャラリーヨクト)
2019年「Around LAKE TOWN4」「Around LAKE TOWN5」(ギャラリーヨクト)
2020年「Around LAKE TOWN6」「Around LAKE TOWN7」(ギャラリーヨクト)

写真集

2015年「DIARY 母と庭の肖像」(大隅書店)
2019年「CROSSROAD」(蒼穹舎)