写真展告知

馬場道浩写真展:MW

JCIIフォトサロン(3月2日~)

馬場道浩さんは、1983年に日本大学藝術学部写真学科を卒業して凸版印刷株式会社に勤務の後、1990年にフリーランスの写真家として独立しました。以降、現在まで広いジャンルの広告写真や『週刊朝日』の表紙写真、ホテルのアートワークなど多方面で活躍しています。

今回の展覧会では、独立前後の1989年から1991にかけて制作された作品「MW」(モノクロ60点、カラー1点。全61点)をご覧いただきます。

植物をスタジオワークでとらえた「MW」の意は、「Man & Woman」。写されている花や葉は男女を象徴し、完璧なフォルムの中に、時に優しく、時には力強いエロティシズムが表されています。デジタルカメラが使われる前の広告写真は画面構成やピント確認のためにポラロイドフィルムが使われていましたが、柔軟な発想の馬場さんは、消耗品とされていたポラロイドフィルムType-55によって美しくも繊細な世界を創り上げました。

また、カラー作品は、カラーポラロイドフィルムType-59の乳剤が残ったネガ部分を版画のように紙に転写した作品で、1点しか制作できない真正のオリジナルプリントです。技法を工夫しながら独自の美意識でとらえられた植物には意思や感情があるかのようで、それぞれに物語の世界が広がる魅力的な作品ばかりです。

※Polaroid Type-55
ポジプリントとネガフィルムの両方を一度に生成できるモノクロ4×5サイズのポラロイドフィルム。コマーシャル写真、工業写真に適し、カラーフィルム撮影の露出テストにも用いられた(2008年に生産中止)。

写真展情報

会場

JCIIフォトサロン
東京都千代田区一番町25 JCIIビル 地下1階

開催期間

2021年3月2日(火)~3月28日(日)

開催時間

10時00分~17時00分

休廊

毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)

作者プロフィール

1959年4月28日、大阪市生まれ。1983年、日本大学藝術学部写真学科を卒業。同年より凸版印刷株式会社TIC事業部写真部に勤務し、1990年に独立して馬場写真事務所を設立。広いジャンルの広告写真や『週刊朝日』の表紙写真、ホテルのアートワークなど、多方面で活躍中。傍ら、中国山東省芸術大学客員教授(2007年)、日本大学藝術学部(2009年~)、東京都立大学システムデザイン学部(2015年~)にて特別講師などを務め、2017年より日本大学藝術学部写真学科非常勤講師として後進の指導に携わる。
受賞歴は、1990年APA(日本広告写真家協会)展にて特選賞、2003年APA「年鑑日本の広告写真2004」にて優秀賞、2010年APAアワード2010広告作品部門にて経済産業大臣賞、2011年APAアワード2011広告作品部門にて美しい日本賞、2011年第64回広告電通賞新聞部門企業部門にて優秀賞、2013年第1回ふるさとパンフレット大賞にて大賞、2016年第4回ふるさとパンフレット大賞にて南伸坊賞、2018年APAアワード2018広告作品部門にて優秀賞など多数。

作品集は、『A』(朝日新聞社クラウドファンディング、2015年)、『熊本城写真集K.J.』(玄光社、2019年)など。