小西拓良写真展：笹舟

（c）Takuro Konishi

富士フイルムが2019年に開催した企画写真展「平成・東京・スナップLOVE」（東京は6月、大阪は7月）において、一般公募より選出された4名の写真家による個展が開催されている。東京会場では第2弾として、小西拓良さんの写真展「笹舟」が9月11日よりはじまる。会期は9月24日まで。

総勢11名の写真家が捉えた“平成”の“東京”が紹介された企画展「平成・東京・スナップLOVE」と連動し、ポートフォリオプレビューと題して、ひろく一般に作品の持ち寄りを募った作品選考会が実施。選考会を通じて選出された写真家4名に、個展の開催権が贈られていた。

約1年の制作期間を経て、このほどファイナリストによる個展がスタートする。東京会場では、山端拓哉さんに引き続き、小西拓良さんの個展が開催される。大阪会場では阪東美音さんと前川朋子さんの個展が順次開催予定となっている。

「笹舟」概要

写っているのは妻です。僕たちにコウノトリは来ないまま、二人の生活は18年になりました。思い描いていたのとはずいぶん違った人生になってしまいましたが、僕たちは時の川を笹舟の様に流れていきます。

写真展情報

選評：中藤毅彦氏

とある夫婦のささやかな生活を精緻に描いたモノクロームのプリントは限りなく美しい。
夫が妻を見つめる視線は愛に満ち、また妻がカメラの前で自然に無邪気な姿を見せるのも夫を心から信頼しているからこそであろう。
だが、見る者は、どこか憂いを秘めた妻の表情の奥に、不思議な寂しさが漂うのに気がつくだろう。
「笹舟」と言う象徴的なタイトルに込められた、幸福と哀しみの相半ばする二人の感情こそが、この作品の核なのである。

写真家プロフィール（敬称略）

小西拓良（コニシ・タクロウ）
1969年：東京都板橋区生まれ。
2010年：写真表現中村教室ワークショップに参加。
2014年：夜の写真学校ワークショップに参加。
2017年：個展「鉄港」（新宿/Place-M）開催。

概要