写真展告知

菊池哲男写真展:八ヶ岳 -凍てつく岩と森-

昔、富士山とその高さを競っていたという逸話がある八ヶ岳は、山麓から見て顕著なピークが八つあることから、または数多くのピークを持つという意味の八つなどとその山名の由来にいくつかの諸説があります。首都圏からも近く、アプローチも整備されているため、四季を問わず多くの登山者で賑わっていますが、中でも冬は冬型の気圧配置が強まって北アルプスが大荒れで入山できないような時でも、八ヶ岳なら比較的天候の回復が早く、週末ともなれば多くの登山者が訪れる絶大な人気を誇っています。

撮影対象としても北アルプスに勝るとも劣らない厳しい寒さの中、むしろ適度に山が荒れて岩や森が凍りつき、冬ならではの風物詩も多彩で、シャッターチャンスが多いのも魅力です。

夏沢峠で南北に分かれる、俗に言う南八ツと北八ツですが、その性格は全くと言っていいほど相反しています。2899mの主峰・赤岳を中心に2700~2800m級の峰々が並び、北アルプスに引けを取らない高度感とスリルを味わえる南八ツに対し、2500m前後の高峰が並ぶものの、全体的に深い森と池で構成される北八ツは、山の魅力がその高さだけではないことを教えてくれます。富士山のように広い裾野を広げる八ヶ岳連峰は独立峰のようなロケーションで、夜ともなればその周囲を街明かりが取り囲み、里の街が近いことを実感できます。

この写真展は、八ヶ岳を冬の季節だけに限定したもので、今年の1月までここ数年で撮り下ろした最大1mを越えるパネル作品約40点で構成し、朝焼けに染まる峰々から真っ青な空の下で輝く樹氷・霧氷・シュカブラなど冬ならではの風物詩、そして夕焼けに色づく秀峰とその後に訪れる煌めく夜景などその魅力の一端でも伝えられたらと願っています。

最後にこの企画を実現するに当たり、富士見町高原のミュージアム・スタッフの皆さま、関係する方々に深く感謝いたします。

山岳写真家 菊池哲男

会場

富士見町図書館/高原のミュージアム
長野県諏訪郡富士見町富士見3597-1

開催期間

2018年2月4日(日)~4月8日(日)

開催時間

9時30分~17時30分(入館は17時まで)

休館

月曜日
※月曜日が祝日の場合は開館し、翌火曜日休館

ギャラリートーク

3月25日(日)14時~