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FUJIFILM X-T1の機能拡張ファームウェアが公開

AFが強化 操作性も向上 PC撮影用ソフトHS-V5もアップデート

富士フイルムは6月29日、ミラーレスカメラ「FUJIFILM X-T1」の最新ファームウェアVer.4.00を公開した。

5月11日に公開を予告していた機能拡張ファームウェアで、更新内容は当初のアナウンスから変更は無い。なお、新ファームウェアの操作方法をまとめたX-T1 New Features Guideが公開されている。

更新内容は以下の通り(引用)。

「新AFシステム」を搭載

動いている被写体の決定的瞬間を捉える「ゾーン」、「ワイド/トラッキング」が登場

「新AFシステム」では、全49点のAFエリアから任意に選択した1エリアでAFを行う、従来の高速かつ高精度な「シングルポイント」に加え、全77点のAFエリアを用いて、動いている被写体の決定的瞬間を捉える「ゾーン」、「ワイド/トラッキング」を新搭載。動体撮影性能が大幅に進化しました。

  • 「ゾーン」使用時は、全77点のAFエリアから任意の位置に3×3、5×3、5×5のゾーンエリアを設定可能。コンティニュアスAF(AF-C)と組合せてご使用いただくことで、ゾーンエリアの中央で捉えた被写体を追従し続けます。画面中央に3×3、または5×3エリアを設定した際は、像面位相差AFを使用でき、より高速なピント合わせが可能です。
  • 「ワイド/トラッキング」使用時は、カメラが自動で被写体を判別し、全77点のAFエリアの中でピントが合ったエリアを表示する「ワイド」(シングルAF(AF-S)使用時)での撮影が可能。さらに、任意に選択した1点のフォーカスエリアで捉えた被写体を、77点の全エリアで追従し続ける「トラッキング」(AF-C使用時)を新搭載。上下左右に動く被写体や、カメラに近づいたり遠ざかったりする被写体でも、簡単にピントを合わせ続けることが可能です。
AF精度の改善

「シングルポイント」では、フォーカスエリア内をさらに分割し、被写体までの距離を正確に測ることで、より高精度なピント合わせが可能になりました。また、像面位相差AFの明るさ追従範囲が従来の2.5EVから0.5EVまで拡大。より暗いシーンやコントラストの低い被写体でも位相差AFによる高速なピント合わせが可能になりました。

「瞳AF」を搭載

人間の瞳を自動で検出し、ピントを合わせる「瞳AF」を搭載。当社レンズの明るい開放F値を活かして背景を美しくぼかすポートレート撮影など、ピント合わせが難しいシーンでも、手軽に瞳にピントを合わせることが可能です。

「オートマクロ」を搭載

被写体との距離に応じて自動でマクロモードに切り替わる「オートマクロ」を搭載。近接撮影時に、その都度「マクロボタン」を押す必要がなく便利です。従来、「マクロボタン」の機能が割り当てられていた操作ボタンには、新たに任意のファンクション機能を割り当てることができます。

動画モードのAF改善

アルゴリズムの最適化により、動画撮影中のAFがより自然でスムーズになりました。

操作性の向上

タイム撮影(T)時にコマンドダイヤルでシャッタースピードを全域変更可能

従来、シャッタースピードダイヤルのタイム撮影(T)時は、コマンドダイヤルを操作することで、シャッタースピードを30秒~2秒の範囲で設定可能でしたが、今回、30秒~1/32000秒(シャッター方式「メカニカル+電子」設定時)までの全域で設定可能になりました。これにより、特に縦位置バッテリーグリップ「VG-XT1」を装着し、縦位置で撮影する際など、カメラをホールドしたまま簡単にシャッタースピードを変更できるようになります。

写真表現の幅が広がる「マニュアル露出時の露出補正」

マニュアル露出かつISO感度オート時に、露出補正ダイヤルによる露出補正が可能になりました。

フレーミングガイドの細線化

「画面のカスタマイズ」で選択できる「フレーミングガイド」の線を細くすることで、被写体の視認性を向上させました。

マナーモードの名称変更

「マナーモード」メニュー上の名称を「電子音&フラッシュOFF」に変更しました。

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新ファームウェアに合わせて、PC撮影専用ソフトウエア「HS-V5 for Windows」がVer.1.1aにアップデートした。新AFシステム、オートマクロ、マニュアル露出での露出補正が可能になる。

また、「テザー撮影プラグインfor Adobe Photoshop Lightroom Ver.1.1aインストーラー自動解凍ソフト」も公開された。更新内容は、インストーラーを解凍する際に必要なHS-V5 for Windows Ver.1.1aへの対応。

FUJIFILM X-T1は、Xマウントを搭載するミラーレスカメラ。レンズ光軸上にEVFを搭載する。有効画1,630万画素のX-Trans CMOS IIセンサーを搭載。発売は2014年2月。実勢価格はブラックが税込14万7,880円前後、Graphite Silver Editionが17万7,660円前後。

(本誌:武石修)