奥山淳志写真展「彼の生活 country songs より」(銀座ニコンサロン)


雪解けが進んだ田んぼに水を引き、代掻きをして、苗を植え、雑草を抜き…と大切に育てていた田や、山で木を伐り、苦労して割ったひと冬分の薪を捨て、ある日、彼は村を去った。

作者は彼に会って以来、彼が抱く“揺らぎ”を通し、この変わり行く時代に地方で生きることを考えてみたいと思った。それが、これらの写真群の中に見つかるかどうかわからない。そもそもそんな問い自体が取るに足らないものかもしれない。
しかし、今年で40代半ばを迎える彼が、自らの生活にどこまでも真摯に向き合い続ける姿勢は、作者の眼には見逃してはいけないものに映る。そして、作者はそんな彼を見るたびに、強風にあおられながらも伸びようとする名もなき草の姿を想像する。
彼の生活は今日も始まったばかりである。カラー約30点
(写真展情報より)

  • 名称:奥山淳志写真展「彼の生活 country songs より」
  • 会場:銀座ニコンサロン
  • 住所:東京都中央区銀座7-10-1 STRATA GINZA(ストラータ ギンザ)1・2階
  • 開催日:2012年6月20日~2012年7月3日
  • 時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
  • 休館:会期中無休

(本誌:武石修)

2012/6/6 00:00