新宿ニコンサロン、須藤明子写真展「encounter」


 新宿ニコンサロンは、須藤明子写真展「encounter」を2月22日から開催する。

作者にはどうしても行きたい場所があった。そこから見た景色が忘れられなかったからだ。今回、もう一度、同じ場所から写真を撮るために、5年前に行ったラサを目指して旅をすることにした。
しかし、作者を迎えてくれた5年ぶりのチベットは、同じなのにどこか違っていた。
なんだろう、この違和感は。
そして作者は気づいてしまった。同じ地に向かうことで知らずに、懐かしさ、既視感を求めていたのだ。懐かしい景色に同じものなどないのだ。懐かしい笑顔だって大人になっていたのだ。たとえ、向こうが変化していなかったとしても同じだろう。
現実は違っていた。
二度と出会えるものなど、この世には存在しないのかもしれない。いま、この一瞬だって、二度とは訪れない。すべては変化し続けていくのだ。向こうも変われば、自分も変わっているのだ。そんなことは頭でわかっていたつもりの当たり前のことを実感してしまったのだ。
作品は、チベットへ向かう道中の写真である。それと同時に、偶然出会った人、街、景色、空気などすべてのもの。それらと、確かに同じ時と場所を共有したという、作者のかけがえのない記憶の断片である。カラー作品。

(写真展情報より)

 2月26日にギャラリートークを行なう。時間は13時〜14時。

  • 名称:須藤明子写真展「encounter」
  • 会場:新宿ニコンサロン(ニコンサロンbis新宿)
  • 住所:東京都新宿区西新宿1-6-1新宿エルタワー28階
  • 会期:2011年2月22日〜2011年2月28日
  • 時間:10時30分〜18時30分(最終日は15時まで)
  • 休館:会期中無休

(本誌:折本幸治)

2011/2/8 20:47