ソニー、Eマウント採用のスーパー35mmビデオカメラ

~マウントアダプターで「Aマウントレンズ」も使用可

 ソニーは17日、Eマウントのレンズ交換式業務用デジタルビデオカメラ「スーパー35mmCMOSセンサー搭載NXCAMカムコーダー」を発表した。

 併せて、同日から幕張メッセで開催中のイベント「InterBEE2010」(国際放送機器展、19日まで開催)にコンセプトモデルを参考出品した。2011年4~9月の発売を予定している。本体の実勢価格は60万円前後になるという。

 なおInterBEE2010でのそのほかの展示については、InterBEE2010でデジタルカメラの動画撮影アクセサリーなどが多数展示を参照されたい。

InterBEE2010にソニーが参考展示した「スーパー35mmCMOSセンサー搭載NXCAMカムコーダー」のコンセプトモデル(モックアップ)

 同社のレンズ交換式デジタルカメラ「NEX」シリーズと同じ“Eマウント”を採用するデジタルビデオカメラ。映画撮影用に使われるデジタルシネマカメラと同様のスーパー35mm相当の撮像素子を搭載するのが特徴。

 AVCHD記録の業務用カムコーダーブランド「NXCAM」の1つとして発売し、小規模のドラマやミュージックビデオの制作など低コストが求められる分野に向ける。ソニーは現在、スーパー35mm相当センサー搭載モデルとして「F35」、「SRW-9000PL」、「PMW-F3」をラインナップしている。説明員によると、PMW-F3(152万2,500円、2011年2月1日発売)の“弟分”との位置づけになるという。

 なお、Eマウントを採用したデジタルビデオカメラとしては「NEX-VG10」をラインナップしているが、NEX-VG10は家庭用の「ハンディカム」ブランドとなっている。

Eマウントレンズを装着可能

 InterBEEに展示したのはモックアップ(ケース内)で、デザインは最終的なものではなく細部は変更になる可能性もあるという。技術展示のため、スペックの詳細も明らかになっていない。

上部にハンドルを備える。また、本体上面の2つの穴を利用して別売の小型液晶モニター(右奥)を装着できるという。本体の左奥にあるのは着脱式のグリップ

 本体は直方体に近い部分と円筒を組み合わせたような外観で、側面に可動式と見られる液晶モニター(サイズなど未定)を備える。マウントのある円筒形部分には操作リングやボタン類を備えるが、どれをどういったコントロールに使用するのかは不明。

 上部には着脱可能なハンドル(コールドシュー付き)を備える。説明員によれば、ハンドルには何らかのアクセサリーを装着できるという。また、本体上部には別売の小型液晶モニターも装着できるとする。EVFを内蔵するかは未定。

 着脱式のグリップを右手側に備えており、手持ち撮影にも対応する。着脱式にしたのは、三脚撮影時などにグリップ外して運用するためとする。モックアップのグリップには、ズームレバーのような部材は見あたらなかった。

 撮像素子は動画撮影に最適化したという新開発のCMOSセンサー。「映画フィルムと同様の豊かなボケ味がが実現できる」とする。スーパー35mm相当のためNEXシリーズで採用しているAPS-Cサイズとはやや異なる。

Eマウントを採用円筒部分に操作リングといくつかのボタン類が見える

 Eマウントレンズのほか、マウントアダプター「LA-EA1」を使用することでAマウントレンズも装着可能。なおF35、SRW-9000PL、PMW-F3はいずれもPLマウントを採用していたため、ソニーのスーパー35mm相当センサー搭載ビデオカメラとしてPLマウント以外を採用した初めての機種となる。

 記録フォーマットはAVCHDだが、最高ビットレートは未定。AVCHDに加えて、1080pで60p/30p/24pのH.264記録にも対応する。センサー出力も60pなのかは現時点で明らかにしていない。記録メディアの種類も未定。

 XLR端子による音声入力に対応する。電源はハンディカムと同じLバッテリーを使用する。

ソニーブース
会場の様子。InterBEE2019は19日まで開催

(本誌:武石修)

2010/11/17 20:10