HOYA、ペンタックス部門など好調で増収増益


 HOYA株式会社は5日、平成23年3月期第2四半期の連結業績(累計)を発表した。売上高は2,126億6,700万円(前年同期比5.4%増、以下同)、営業利益は389億700万円(38.9%増)、純利益は339億1,600万円(138.8%増)。

 市場の回復に沿った受注の増加により生産及び出荷数量が増加したものの、価格低下と円高の影響が大きく売上高は微増に留まった。

 なお純利益には、HDD用ガラスメディア関連事業を米Western Digitalに譲渡した際の譲渡益103億4,200万円が含まれる。

 ペンタックスを含む情報・通信事業は売上高1,119億2,900万円(9.9%増)、営業利益233億2,500万円(86.7%増)。新興国を中心にペンタックスブランドのデジタルカメラは一眼レフが入門機を中心に好評が継続し、交換レンズ販売にも好影響を与えた。台数ベースでは前年同期を超えたとする。デジタルカメラ用レンズも高精度品の受注が相次ぎフル操業状態で推移して数量が増えたほか、カメラモジュールの出荷も好調だったという。

 同じく情報・通信事業に含まれるエレクトロニクス関連事業も、半導体や液晶関連市場が新興国需要を中心に世界的に回復した。ただ出荷数量は前年比プラスも、単価下落と円高により売上は大きく伸びることは無かった。一方、世界的なノートPC市場の伸びを受けてHDD用ガラスディスクも順調に推移。出荷数量は前年同期を大きく上回り増収となった。

 ライフケア事業は売上高999億6,100万円(1.3%増)、営業利益191億1,500万円(0.4%増)。ヘルスケア関連事業では、コンタクトレンズの販売が伸びた。また、メディカル関連事業では軟性の眼内レンズが好調だったが、医療機器は販売費率の高い欧米での買い控えと円高の影響を受けた。

 その他の売上は7億6,300万円、営業利益は3億4,700万円だった。その他は、情報システムサービスを提供する事業および新規事業が含まれる。

 通期の見通しについては景況や為替変動のため予想が困難として、第3四半期の決算発表時に公表するとしている。2010年3月期の実績は、売上高4,135億2,400万円、営業利益643億2,700万円、純利益378億7,500万円だった。




(本誌:武石修)

2010/11/8 19:38