NEC、デジタルカメラの動画で生じる雑音記録を抑圧する技術


 NECは18日、デジタルカメラの動画撮影で発生する雑音の記録を抑圧する技術を開発したと発表した。

 デジタルカメラの動画記録では、機器によってはズーム、オートフォーカスなどの雑音を録音する問題がある。また、ビデオカメラでも機器の小型化に伴い、マイクとモーターの配置が近くなることで、より雑音を拾いやすい構造になっているという。

 NECが開発した雑音抑圧技術は次の通り。

 まず、カメラやレンズの種類に合わせてあらかじめ用意した雑音をもとに、個々のモーターやレンズの駆動で発生する雑音特性に似せた音(擬似雑音)を自動生成。生成した擬似雑音をマイクで収集した音から減算することで、ほぼ残したい音だけを抽出する。

 さらに、参照用の雑音から生成した疑似雑音に微調整を加えることで、より正確な雑音抑圧を可能としている。微調整を常に繰り返すことで、経年変化による雑音の変動にも対応できる。

 以上で抑圧しきれない雑音(レンズや鏡胴の断続的な動作で生じるものなど)については、音量の増大と周波数帯域の広がりを検知して抑圧する。

 18日から20日までパシフィコ横浜で開催される組み込み総合技術展(Embedded Technology)2009において、この技術を展示するという。

(本誌:折本幸治)

2009/11/18 13:33