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クリエイター発掘にフォーカスしたソニー「THE NEW CREATORS」授賞式レポート
写真・映像の枠を超えた作品が集結 受賞者が制作の背景を語る
2026年10月20日 12:25
次世代クリエイターの発掘と支援を目的とした写真と映像のアワードである第2回「THE NEW CREATORS」の受賞者が決定し、10月17日(土)にソニーグループ本社で授賞式が開催された。
2024年に始まったアワードで、ソニーマーケティングが主催し、ほかのソニーグループ3社が協力している。2025年11月18日(火)~2026年3月16日(月)に作品を募集していた。
写真作品グランプリ 坪井智洋「春を撒く人たち」
坪井智洋さんは、1986年岡山県生まれ。北海道への転勤で美瑛町の丘の景観に魅了され、会社を辞めて移住。現在は農家として働きながら、美瑛の風景や歴史をドキュメンタリー視点で撮影している。美瑛写真映像協会理事。
坪井さんのコメント
今回、融雪剤をテーマにした作品でグランプリをいただきました。融雪剤と聞いて想像されるのは道路に撒かれる塩化カルシウムといった粒のようなものではないでしょうか。
撮影した美瑛町では、春を呼び起こすために黒い灰のようなものを撒いている人たちがいます。美瑛町は美しい丘の景観や花畑を見る方が多いと思いますが、そうした景色ができるまでにはこうした苦労があるということを伝えたいと考えてこの作品を制作しました。
自分が農業をやっているからこそ撮れる作品を撮りたいと思っていましたが、それが評価されたことをたいへん嬉しく思います。
映像作品グランプリ tsuririn「事実の不確実性」
tsuririnさんは1996年横浜生まれ。大学在学中に映画制作サークルで映像制作に惹かれ、卒業後はCM制作会社にプロダクションマネージャーとして就職。制作進行のかたわら演出への挑戦を志し、自ら企画・演出した映像を今回出品した。
tsuririnさんのコメント
今回の作品を作ったのは僕がまだ29歳の時でした。仕事で映像制作に携わる中で自分が本当に作りたいものと実際の仕事との間に距離を感じていました。20代が終わる前に自分自身が何を考え、表現したいのかを1つの作品として残そうとしたのが出発点です。
それは、自分が見ている世界は本当に正しいのかという問いです。同じものを見ても人によって感じ方や捉え方は違います。そんな考えから作品を構想しました。
映像では1つのものが視点やメディアの変化によって全く異なる姿へと変容していきます。この変化を通して自分の見ている世界が唯一の正解ではないこと、そして情報をどう受け取り、どう向き合うのかという問いを表現しました。
賞金のほか、ユニークな副賞も
グランプリ受賞者には賞金100万円のほか、写真作品には「α7R V」、映像作品には「FX3」がそれぞれ贈られた。
また前回に引き続き、ソニーならではの様々な体験が副賞として提供される。Sony World Photography Awardsの授賞式に招待される、あるいはプロの映像制作の現場に参加できるなど、他のアワードにはないプログラムが特徴的だ。
審査員から 「届けたい思いを大切に」
応募作品全体を通しての審査員のコメントも紹介しよう。
写真家・川島小鳥さん(写真作品)
審査の中で思ったのは、その人の考えやアイデアは本当に人それぞれということ。すごくたくさんのバリエーションがあることに感動しました。
写真家・志賀理江子さん(写真作品)
作品を作るのは結構難しいこと。それを飛び越え、作品に漂うイメージが見る人の心にどうくさびを打つのかがとても印象に残りました。自分自身に考えを促すようなものを大切にした感じがあって、楽しい時間を過ごしました。
映像作家・大喜多正毅さん(映像作品)
この1年でAIが氾濫して映像の世界が大きく変わりました。グランプリ作品は映像がどういう役割を持っているか、社会に対してどういう関わりを持っているかという問いを投げかける映像です。誠実に嘘のない作品を作れば届くと思うので、皆さんには期待しています。
大友啓史さん(映像作品)
良い作品は様式にとどまらず、そこからはみ出るような作り手自身のザラザラとした触感、視点、生の感情、言い換えれば届けたいというエネルギーが伝わってきます。皆さんの作品とまたどこかで再会できることを願っています。
ソニーグループの重要な取り組みに
ソニーマーケティング株式会社代表取締役の川口大輔さんは、「我々はこの場を単に作品を表彰するだけにとどめず、新しい体験や新しい人たちとの出会いを次の挑戦につなげていく場になることを祈っています。そして、ソニーの多様な事業を生かして、クリエイターの皆さんと新しい感動を生み出していきたい。THE NEW CREATORSは、我々の大切な取り組みの1つになっています」と挨拶した。
同社の企画責任者である丸山直樹さんは、「応募人数、作品数も前回を上回る形となり、内容も素晴らしく本当に喜ばしく感じています。審査員が単に美しさや撮影技術よりも、作品に込められた思いを重視していた点を印象深く感じました。受賞作品はそうした思いがひときわ目立ったものだと思います。我々も今後の受賞者の活動を精いっぱい支援させていただきたい」と振り返った。








